他人との関わり方を教えて欲しい
最初に完全ゴリ押し作戦に対しての疑問を口に出したのは、
「ちょっと!あんたこんな作戦ダメよ!私達ならともかく、一般兵を巻き込むなんて!」
ティアだった。まあティアなら突っかかって行ってくれると思っていたが、今回は様子がおかしい。なんだ?いつも通りの小馬鹿にしたような余裕がない。
「おい」
「何よっ!」
「あ、何もない、すまん。」
何をしているんだあああ!負けてどうする
「おい、どうしたんだお前変だぞ。」
僕の質問にティアは答えず会議室を出ていった。
「どうしたんだろうね〜ティアちゃんいつも以上におかしかったよね〜」
「うむ、どうしたのだあいつは。これほど良い作戦は無いと言うのに!」
黄泉が場違いな発言を隣でしている為少し待ちがいを正してやり、会議室を出た。
「これほど悪い作戦は無いんだがな。」
しかし、どうするか。ティア自体は主砲の上に座っていた状態ですぐに見つかったが、どのような理由があっての事かわからない為迂闊に声をかけれない。
うーむ。仕方ない。能力を使うか。
僕の種族[アガリアレプト]は魔術が苦手なのだが、固有能力が2、3個ぐらい備わっている。僕の場合、1つは[手に触れた物体を任意の方向に吹っ飛ばす能力]これからは[物体反射]と言っていく。そして僕の2つ目は[記憶操作]だ。これは、手に触れた物の持ち主の記憶を操作するというものだ。操作の中には調査も可能だ。その他の細かい事は後のちに。
この前ティア貸して貰い返し忘れてたハンカチが今役に立つとは。
「記憶操作発動、記憶調査開始」
自分の前に光のディスプレイが現れ、操作していく。
今回、ティアがこの作戦を反対した理由は過去にあった、これなら話す理由がかろうじてできた。
「おーいティア。」
ティアは驚いたようにこちらを見た。
「な!なんであんたが!結界に反応が無かったのに...」
ティアがなんかうだうだ言っているが無視をしているが知ったこっちゃない。一気に畳み掛ける。
「なんでお前があんなに反対したのか分かったよ。お前が父親、アスリア王の戦い方、大を生かす為に小を殺すっていうのが気にいら無かった。しかし、今回の黄泉の作戦はあいつがアホ過ぎて何故かあのザマに。それがアスリア王と重なってしまったからだろ。」
僕の推理を聞いたティアは「なぜ」と言いたげに驚いていたがすぐに正気を取り戻し君を開いた。
「そうね。ほとんど合っているわ。」
「ほとんど...とは?」
「家出したっていう下りが抜けてるのよ。まあ、少し楽になったわ。いいわね、他人と分かり合えるって。ありがとうね。」
ティアは若干調子を戻したように笑い会議室に戻って行った。
1人残った僕はつぶやいた。
「他人と分かり合える...か」
まあ、疲れたな。