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断罪されたくないので遊び人の『日替り彼女』になります!  作者: あらいサラ


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1.絶対になりたくありませんわ!

[日間]異世界転生〔恋愛〕 完結済2位

応援ありがとうございます!

皆様、ごきげんよう。

わたくし、マデリーン・クラウゼルは、侯爵令嬢としてのプライドをかなぐり捨てて、今日も今日とて「ジュリアン様ぁ〜」だなんて鼻にかかった声を出し、フォルナー伯爵令息の腕に自身の腕をぎゅっと絡ませております。


はしたないですって?平和に生きるためには仕方ありませんの!!


◇


わたくしが、前世の記憶を取り戻したのは十歳の頃。

やけにご機嫌な父の書斎に呼ばれて、一枚の豪華な招待状を見せられた時だ。


それは王妃主催のお茶会の招待状であり、同じく十歳のエルネスト第一王子も参加する旨が記載されていた。


「これはきっと第一王子殿下の婚約者探しのお茶会だな!可愛いマデリーン、お前ならきっと婚約者になれるぞ!どうだ、エルネスト様の婚約者、次期王妃になりたくはないか??」


興奮しきった様子の父。それもそうだろう。現在、四大公爵家には年頃の令嬢はおらず、次点の侯爵家でも第一王子と年が釣り合う令嬢は、わたくしともう一人しかいない。


由緒正しいクラウゼル侯爵家のわたくしは筆頭候補なのだけど…。


「…嫌ですの……」

「えっ」

「わたくし、王子の婚約者になんて絶対になりたくありませんわっ!!」

「ええーーっ!?」


だって思い出してしまったのだ。ここが前世でプレイしていた乙女ゲームの世界で、わたくしことマデリーン・クラウゼルはエルネスト様の婚約者であり、ヒロインをいじめ抜いて断罪される悪役令嬢だということを…。


いじめなければ良い?物語の強制力があるかもしれませんわ!

学園に通わなければ良い?それはそれで貴族令嬢として今後不利になりますの!

ヒロインに心奪われないように王子と仲良くなれば良い?それが出来なかったからゲームのマデリーンは断罪されたのでしょう!!


ならばわたくしは――


「わたくしは!フォルナー伯爵令息のファンですの!!」


別の男にうつつを抜かす、頭の軽い令嬢になりましょう!


――フォルナー伯爵家のジュリアン様は、わたくしよりも二つ年上の十二歳。王子と同じく攻略対象なのだけど、こちらは『恋多き遊び人枠』である。その甘いビジュアルで令嬢達を虜にし、日替わりの彼女がいるようなキャラだ。


なお、肉体的な交わりはない。貴族令嬢としてそこ重要。


その、日替わり彼女の枠に入れてもらいましょう!


取り巻きの如くジュリアンに侍り、ヒロインと王子が恋を育む間はモブと化し、二人がくっついた後は「そろそろ自分の将来を考えなくては…」とかなんとか、しおらしく言ってそっと離れていくのだ。


その後に父に良い感じの縁談をもってきてもらう――なんてナイスな作戦!!


「ふぉ、フォルナー伯爵令息?というと…ジュリアン殿か?接点あったのか…??」

「お会いしたことはございませんが、お友達との交友の中で彼のお話が度々出ておりましたの。素敵な方なのでしょう?エルネスト様との婚約なんて考えられないくらい、わたくしの推しなのです」

「推し!?いや、確かに顔は良いと聞くが……、せっかくの王妃……。

 うむぅ…ならばフォルナー家に婚約の打診をしてみるか?」

「いいえ!それは必要ありませんの!!わたくしはファン!これは恋情ではなく憧れなのですわ!!」


別に彼と婚約がしたいわけではない。婚約をしてしまったら今度はそちらで悪役令嬢扱いされてしまう危険性もある。


あくまで関係の清算が容易な『日替わり彼女』を目指しているのだ!


胸に手を当ててそう宣言すると、父は頭を抱え、複雑そうな表情で小さくため息を吐き出した。


「……マデリーンがそこまで言うのなら、王妃殿下のお茶会の前にでも一度会ってみるか…」

「ええ!是非!!」


父にとっては偶像(アイドル)に憧れているだけの幼い娘。会えば現実を知り考えを改めるだろう、と小さく呟いていたけれど、おあいにく様!わたくしの完璧なプランはもう動き出しているのですわ!!

 

ちょっとおバカな侯爵令嬢のお話です。

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