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最終話:新たなる始まり
夜風が静かに吹き抜ける。
瓦礫と化した街の片隅で、俺はエリスと並んで空を見上げていた。
星々はかすかに瞬き、闇を裂くように輝いている。
その光は、どこか俺自身の選択を肯定してくれているように思えた。
「……まだ終わらないんだよな」
俺の言葉に、エリスが小さく微笑む。
「終わりなんて、きっとないわ。
けれど……あなたが歩くなら、私は隣にいる」
その瞳は強く、迷いがなかった。
どれだけ影に試されようと、この絆があれば折れない――そう思えた。
遠くから監視者の気配が漂っていた。
彼らが俺を監視し続けるのは、これからも変わらないだろう。
だがそれでいい。
俺はもう逃げない。
影に呑まれることも、人間を捨てることもない。
「俺は……俺として生きる。
人間として、怪物としてじゃなく……ただの“俺”として」
その言葉を夜空に放つ。
胸の奥で何かが晴れ、静かな決意が芽生えた。
エリスがそっと俺の手を握る。
その温もりが、これからの道を照らす灯火になる。
――たとえこの先、影が再び牙を剥こうとも。
――たとえ世界が俺を拒もうとも。
俺は進む。
夜明け前の空が、ゆっくりと白んでいく。
新たな一日の始まり。
その光の中へ、俺たちは歩き出した。
――物語は、ここで幕を閉じる。
だが、俺の戦いはこれからだ。




