第4話「ログイン者たち」
「……この世界に、“俺と同じような存在”がいる?」
数日後、村の復興が一段落した頃。ミリアが、ある噂を口にした。
「はい。近隣の村で、“奇跡の力”を使う者が現れたと……剣から雷を放ち、一夜で魔族の砦を壊滅させたと聞いております」
「……剣から雷、ね」
俺の記憶が反応する。それは、かつて一緒にギルドを組んでいた相棒、《クロウ》の得意技だった。
──まさか、あいつも来てるのか?
ミリアが続ける。
「その者は、自分のことを“ログイン者”と呼んでいるそうです」
ログイン者。それはつまり、元プレイヤー――この世界の「異分子」だ。
「詳しい場所は?」
「西方の《ソル=リヴァの砦》です。すでに王国からの使者も向かっているとか」
「……ふむ」
俺は立ち上がった。背中の《創造主の外套》が風になびく。
「行くぞ、ミリア。もしかしたら、今後の戦いのカギになる」
「は、はい!」
そしてその夜、俺たちは村を出発した。
⸻
ソル=リヴァの砦は、かつてゲームでも高レベル帯の狩場として人気だった場所だ。
そこに今、“元プレイヤー”が現れ、しかも破格の力を振るっているという。
道中、俺は思い出す。
最終イベント直前、あいつ――クロウが言っていた言葉を。
「このゲームが終わったら、俺は“本当の騎士”になるんだ」
現実世界で、何かを変えたかった。俺たちは、みんなそうだった。
……そして今、再びこの世界にいる。なぜだ?
目的は? 手段は? 誰が、何のために……?
答えは、会ってみるしかない。
「クロウ……いや、“ログイン者”よ。俺は――」
そのとき。砦の空に、轟音と雷光が走った。
「っ……始まってるな」
目の前の砦で、誰かが、確かに戦っている。
かつての仲間か、それとも……新たな敵か。
俺は剣を握り、魔力を展開する。
「行くぞ、ミリア。神(仮)と巫女の二人旅、はじまりだ」




