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誘拐犯はてめぇだ


 どーも私です。

 友人達と遊園地に行ったことがあるんですが、その時は別世界のようだな〜と思ってたんですけど……。


「本当に別世界の遊園地来ちゃったよ……」


 う、う〜ん、何だこの状況……。誘拐先が遊園地ってどんな冗談だよ。ここから見える景色では、結構お客さんで賑わっている様子。


 この世界は割と発展してると思ってたけど、まさかテーマパークもあるとはねぇ……。


 どうやら、私が監禁されているのは遊園地の敷地内に建てられたホテルのようだ。

 下を見れば家族連れが建物から遊具に向かうのがみえる。まさかあの家族も自分たちの過ごすホテルの最上階に誘拐された子供が監禁されてるとは思うまい。


 前の世界ではそうだったけど、遊園地のホテルってクソ高いんだよね。そんな場所の最上階に入れられるなんて、白髪親子を狙ってるのは少なくともそれだけの権力を持ってるってことか?


「いや〜今更かぁ」


 よくよく考えたら、権力持ってるはずの豚貴族の家に捜索を広げてたくらいだ。相当な権力の持ち主だわな。

 豚貴族が大人しくしていたのには理由がありそうだけど。なんか強制捜査を断れない訳でもあったのかね?


 外は徐々に暗くなってきた。暗くなるとパレードが行われ、園内の幻想的な雰囲気を一層際立たせる。

 そして、ライトアップされた湖の城からゴーンゴーンと鐘の音が鳴り響くと、客達は帰り始めた。


「閉園の合図かな?」


 しばらくその光景を見ていたが、やがて遊園地内の明かりも消されると、昼間の賑やかさが嘘のように静かになった。

 その対比が不気味な雰囲気を漂わせる。


「ふ〜む、今日はもうやれる事もないねぇ。寝ちまうか?」


 鉄格子を抜ける手段もないしね。

 つーことでお休み。


 ――――――――――――――――――――――


 コンコン


 ノックの音でスッと目を開く。う〜ん、ここは何処だ。

 あー、そうそう。遊園地のホテルだったわ。


 ガチャっと扉が開くのでそちらに目を向けると、爽やかな笑顔の黒縁メガネをかけたハリウッドスターみたいな男が入ってきた。


「やぁテレサ、おはよう。無事に帰ってこれて嬉しいよ」


 キラキラしたハリウッドメガネは余裕のありそうな笑顔で馴れ馴れしく語りかけて来る。

 う〜ん何だ? 幼女ちゃんの知り合いかね? 見た目的には海外映画の仕事のできるお父さんって感じだけど、胡散臭い笑顔だね。


「すまないねテレサ。こんな部屋しかなくて。誘拐犯がキミを取り戻しにくるかもしれないから、しばらくの間我慢しておくれ」

「うぃ〜ッス。了解でぇす」


 眠気まなこをで手をヒラヒラさせながら答えてやったら、ハリウッドメガネが笑顔のまま固まった。どしたの? お腹痛い?


「……大丈夫さ。きっとキミのお母さんもスグに見つかるさ! 僕に任せておくれ」

「ははは、そりゃ頼もしいッスねぇ」

「……」


 つまり、このハリウッドメガネが白髪親子を狙っていたヤツってことでオーケー? つか口元引き攣ってない?

 釣り針でも飲み込んだ?


「テレサ……少し性格が変わったかい?」

「いやいや、そんなことねぇッスよぉ。気のせい気のせい」

「……」


 ハリウッド野郎と白髪幼女の関係は知らんけど、どんな話し方してたかしらねぇんだもん。見た目は完璧なんだ。バレへんバレへん。


「……そうかい? 随分とフランクに話しかけてくれて私は嬉しいけど、その口調はどうしたんだい?」

「いやいや、誘拐の一つや二つ経験したら、スレた口調になってもおかしくないッスよぉ」


 だよね?


「そうだね……辛い思いをさせて悪かった。もうテレサを誘拐なんてさせないからね」

「ははは、何言ってるんですか。絶賛誘拐中ですよ?」

「……やっぱり変わったよね?」


 あれ? 軽い嫌味を言ってやったら口の引き攣りがとんでもない事になってるぞ。白髪幼女はあんまり嫌味なんて言わなかったのかな?


「まぁいいさ。僕は忙しいから中々会いに来られないけど、3日後の夜にまた来るよ」

「あぁ? なんで夜中何すか?」


 来るなら昼間じゃないんかね?


「テレサ……記憶とか失ってる訳じゃないんだよね?」


 失ってるというか、そもそも別人だからね。


「本当はお母さんも一緒のほうがいいんだけどね、お母さんが見つかるまでは、テレサ一人で進めて欲しいんだよ」

「……」


 何をだよ……。


「それじゃあ、3日後の夜に。それまでしっかり休息を取っておいてくれ。お母さんの事は任せておくれ、私の大事な妹でもあるからね」


 そういって胡散臭い笑顔を貼り付けながら、牢屋から出て行った。


「妹ねぇ……」


 つまり、ハリウッドメガネは白髪幼女の伯父ってことか?


 そして何を進めるんだと思う? 勉強じゃねぇと思うんだけど。

 あのメガネは白髪親子に何かをやって欲しいんだろうな。それが何かは分からんけど、3日後の夜にはわかるのかな?


 よし! 私の行動方針が決まったぞ。


 しばらくはココを拠点に情報収集。そしてハリウッドメガネの指示には従うフリをするのが正解かな。

 私が逃げたり、正体がバレるとマズイかもしれん。


 現状がどうなってるのかは分からないけど、私が時間稼ぎをすれば白髪親子に有利に働くはずだ。

 あっちには豚貴族が付いてるからな。匿えって依頼がどの辺まで適応されんのかは知らないけど、これで正解のはず……。


「私、給料分は働くよぉ」

 



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