ボッチの過去夢2
今回は新しい人が出ます。過去は事件後ですね。
随分と懐かしい夢を見たな。あれから5年か・・・。なんかあっという間だったな。
「風邪であんな夢を見るなんてな。最近はみてなかったのにな・・・」
「ふむ・・・随分とうなされていたようだが大丈夫かい?」
声のした方に振り向くと日向さんがいた。なぜか俺の手を握って。
「あのー・・・なぜ俺の手を?」
「役得だろう?」
えぇ。とっても役得ですよ。こんなエロい保健医に手を握ってもらえるなんてな。だが、何も解決していない!
「そうですね。ただ、理由は?」
「これは祐樹から握ってきたんだ。私も少し驚いたが・・・」
・・・まじで?それは人生の黒歴史になるな。相手が日向さんでよっかたぞ。日向さんはそういうの気にしなさそうな感じの人だし。
「あんなに熱く求められたら私も断れないだろう。最高に良かったんだがな」
誤解を与える言い方しかできないのか?この保健医は。って今気づいたけど、どうやって俺の家に入って来たんだよ?本日二人目の不法侵入者だけど。
「いや、日向さんに求めないですから。それより、家にどうやって入ったんですか?」
「それは針金でちょちょいのちょいで入れたぞ?」
俺の家の玄関の鍵穴をぶっ壊す気かよ。雪さんにピッキング教えたの日向さんっぽいよな。確証は全くないが。
「ちなみに嘘なんだが。本当は家の鍵が開いたままになっていたから入らしてもらっただけだ。ちなみにピッキングは出来るぞ」
「嘘かよ・・・」
思いっきり信じたんだけど!!ピッキングも嘘であってほしかったよ!!
「いいじゃないか。それより体調はどうだい?」
「日向さんのせいで思いっきり疲れましたよ」
「若いのにだらしないぞ」
病人にあんなボケを連発するなよ。普段より余計に疲れるぞ。
「はいはい。体調はあんまり良くないですよ。体もだるいし、熱も下がっていなさそうだし」
「ふむ・・・少し調べさせてもらおう」
日向さんは俺の額に手を当てたり、のどの奥を見たりしている。こういうの見ると、医学の知識があるんだなって思ってしまう。普段はエロい保健医としか思ってなかったけど。
「完璧に風邪だろう。安静にしておけばすぐに治るだろうから、ゆっくりと寝ているといい。おかゆを作ったら、雪と少し話すから無理はするのではないぞ?」
「はい・・・」
優しく俺に言ってくれる日向さん。俺の過去を知っているせいか、おかゆだけ作って家から出ていくってことで、俺が迷惑かけてるって思わないようにしてくれてるしな。
「それなら私はおかゆ作ったから、少し出かけるよ。雪と話が終わった後もう一度だけ祐樹の様子を見に来てから、家に帰るつもりだからそのつもりで頼むぞ。今は体を休めることだけを考えるのだぞ」
そう言って、日向さんは帰っていった。
「さてと、俺は今のうちに洗濯をして、ご飯食べるか。だるいけど今ならなんとかなりそうだしな」
俺は着替えて洗濯をして、雪さんが作ってくれたおかゆを食べる。
「美味いな・・・それに母さんや俺が作ったおかゆとはまた違った味だな。少し塩味が強いかぐらいだな」
だけど、こんな風に世話をされたのは久しぶりだな。治ったらお礼しないといけないな。
「ごちそうさま」
俺は洗濯機が止まっているのを確認して、洗濯物を干して、ソファーで横になって寝た。
遠くから声が聞こえてくる。あぁまた夢か・・・。
「君はどうして殺したのだ?」
警察官が俺を責めるような感じで聞いてくる。そういえば、気を失って気づいたら、俺はカギのかかった部屋に閉じ込められていた。そうして、扉が開かれるたびに俺は事件の事を聞かれた。何回も同じ質問をされた。
「殺されるから」
「・・・変わらんか。なら犯人の事を知っているか?」
「知らない。見たことない人だった」
こんな質問ばっかりされていた。正直自分が分からなくなっていった。テレビも時計もない部屋。白い壁、聞かれることは同じこと。あの時は本当に死にたかった。
「・・・どうして。僕は何か悪いの?誰か答えてよ!!」
叫んでも誰も来てはくれない。そんな日がかなり続いていたと思う。そんな中ある女性が俺の前に現れた。
「・・・桐山祐樹?」
「・・・誰」
口数も少なく感情も表に出さない女性だった。見た目は黒髪で、先端の方でひとくくりしていて、目は少し細めだが、それがまた凛々しさを際立たせていた。
「・・・私の名前は滝川 詩乃。あなたの担当になった警察官。これからよろしく」
「よろしく」
この時の俺はもうすべてがどうでもよくなっていた。だけど、詩乃さんは俺の所に毎日来ては話しかけてくる。
「・・・今日は私も時間がありますのでどうぞ」
詩乃さんはなぜか来るたびに、俺を優しく後ろから抱きしめたり、寝ている俺に膝枕をしてくれたりいろいろとしてくれた。だからこそ、俺も少しづつ詩乃さんに心を開いていった。
「詩乃さんいつもありがとう」
「・・・いえ・・・私には・・・」
お礼を言っても、照れて顔を見てくれない。だけど、家族を失った俺には唯一の心のより所だった。だけど、そんな詩乃さんにも涙を流した時があった。
「・・・どうして・・・祐樹君は悪いことをしていないのに・・・」
あの時の俺は分からなかったが、今なら分かる。世間ではこの事件は大ニュースになっていて、俺を正当防衛とするか、過剰防衛にするかで意見が割れていたらしい。一部では俺を精神異常者みたいな感じで言っていた所もあり、詩乃さんはそのことで涙を流してくれていた。
「詩乃さんごめんね。だけど僕は大丈夫だよ」
俺は初めて自分から詩乃さんを抱きしめた。
「・・・ありがとう」
だけど、次の日から詩乃さんは来なくなった。それと同時に裁判も進み、俺は結局正当防衛になり中学生の間は警察の監視が付くことで落ち着いた。
そして、俺は詩乃さんのことを警察の人から聞くと、警察を辞めたと言われた。それ以外は全く分からないと。
ここで俺の夢は途切れ、目が覚めた。
まだ過去はありますが、また次の機会に。
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