表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/1012

おすすめの・・・武器?

「弓か」

「はい!」

 その手に持ってきたのはコンポジットボウ。

 この店で遠距離武器となると弓か投げナイフになるので判断としては間違ってないだろう。

 投げナイフは回収を考えた立ち回りが難しいし、使い捨てにするのは経済的にも、補給的にもあまり現実的じゃないからな。

 その点、弓は矢を消費するだけで弓自体がなくなることはないし、矢にしても構造が複雑でもなく、(やじり)になるものさえあれば後は適当な木材と羽で簡単に作れる。羽にしても幾らでも代わりが利く上、コンポジットボウならば矢が短くとも十分な威力を出せるだろう。

 ただ、問題があるとすれば・・・。

(つる)を引っ張ってみろ」

「え? あ、はい!」

 ヨハンが左手に弓を持ち、右手で力いっぱいに弓を引く。

「ん‼ ッん~~~‼」

 頑張っているのは分かるが、矢をつがえるのは無理そうだ。

「はぁ・・・はぁ・・・」

 息が上がり顔も赤いが、成果はないに等しい。

「他のサイズは置いてないのか?」

「弓は専門外だ。そいつはハンターが辞める時に置いてったもんで・・・当時はまだ余裕があったから買い取ったんだがなぁ」

 おっさんは困った顔で言う。

「そんなぁ・・・」

 それを聞いてもっと困った声を出すヨハン。

「一応、クロスボウもあるにはあるんだが・・・」

 そんなことを言いながら視線をよこす。

「やめとけ。碌に連射も出来ないクロスボウなんか荷物になるだけだ」

 数をそろえて横並びに使うならクロスボウもいいんだがな。

 軍でもあるまいし、冒険者には扱いきれない代物だ。


 そんなものより、

「こいつはどうだ?」

 視界の端にあった、おそらくは同じハンターの置き土産を渡す。

「これは?」

「そりゃぁ罠だな。弓と一緒に引き取ったもんだが・・・そんなもん、クロスボウより使い勝手が悪いぞ?」

 おっさんが言うが、それは違う。

「魔法罠は設定さえすりゃ出来ることの幅が段違いに広がる便利品だ。まぁその設定が面倒だってのは、確かにその通りなんだけどな」

 魔法罠の設定は事前に魔法を使って行う。

 しかも、ちゃんと起動するかのテストを何回も行わなければならないため、事前準備で諦める者が続出する。本人の魔力量によっては1、2日で終わらないこともよくあるからだ。

 それでも、性能自体はいいためハンターなどが好んで使っているのが現状だ。

「どうやるんですか?」

「・・・。試してみてもいいか?」

「そりゃぁ構わねぇが・・・店ん中ではやるなよ?」

 もしや、みたいな顔でくだらないことを言うな。店の中でやりたくなるだろうが。

「そう遠くないしな。外壁の外で試してみるか」

 外壁出口もすぐそばにあるのも、こういう時には役に立つ。

 店番があるおっさんを残して、リミアにも声をかけて外に出る。

 当のリミアは集中してたのか、ビクッ‼ っとして、すぐに行きます! と言ったが・・・店から出てくるまで、微妙に時間があった。

 遅れた・・・というほどでもないため言及することもないか、と気にせず外壁の外に回った。


「とりあえず調べてみるか」

「なにを調べるんですか?」

「以前の持ち主がどう使ってたか、だな。初期化してなけりゃ残ってるはずだが・・・」

 円柱状の魔法罠に魔力を流して確かめる。

「あー・・・」

「どうしたんですか?」

「いや、期待外れだっただけだ」

「?」

「気にするな」

 ヨハンは首をかしげている。

 罠に設定してあったのは基本の落とし穴のみで、他に魔法を登録したりと言った形跡はなかった。

 それなりのコンポジットボウと一緒に置いていったんなら・・・と思ったんだが、起動ログは残ってるから初期化はされていない。形から入るタイプだったのかもしれないな。

「基本の落とし穴しか登録されてないが、起動するぞ」

 魔力を流して罠を投げる。

 クルクルと回りながら、罠は地面に垂直着地。すると、十字にカシャッと手を広げるように変形する。

「・・・・・・これで終わりですか?」

「そうだな。後はあの範囲内に入ると罠が発動する」

「あれでは一目見てなにかあると分かるのですが、モンスターはそれでも罠にかかるのでしょうか?」

「かかるわけないだろ? モンスターはその辺、人間よりよっぽど鼻が利くからな」

「じゃぁあれは・・・?」

「最初から設定されてるだけの罠だからな。追い込むなり不意打ちで投げるなりで当てられはするさ」

 拾った石を罠付近めがけて投げつける。

 石が地面に叩きつけられると同時に、バシュン! と音がなり、地面が押し広げられるようにして膝高程度の穴が開く。

 穴に入り、罠を回収。魔法で地面を戻して・・・。

「基本的にはこうやって使う」

「一々地面を戻すまでが使い方なのでしょうか?」

「流石に、今のは穴開けたままだと苦情が出るかもしれねぇからだが・・・余裕があればどこでも、そういった痕跡は消すべきではあるな」

 モンスターも学習するからな。

 そんな罠を見た二人の顔は不満げというか、期待外れというか。

 まぁ・・・ただの落とし穴じゃそうもなるよな?

 でも、これが意外と奥深かったりするんだよなぁ。

 そしてそれが面白い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ