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2話

 こんにちは!私はシャルロ!

 突然だけど、私は今魔法学校のせんせーをやっています。ついこないだまでは普通の小学生だったんだけどね、ある日私がお使いに行ってる途中になんだかお髭がもじゃもじゃなおじいちゃんに"すかうと"されたの!「君にはすごい力を感じるからうちにこないか」って。


 私は何だかよく分からなかったけど褒められて嬉しかったからもちろんいいよ!って返事した。おじいちゃんは最初とってもびっくりしてたけどすぐ笑顔になって「本当かい?それじゃあ準備をしなきゃね。お家まで案内してくれるかな?」って言ったよ。




 髭じいをお家まで案内して、玄関で少し待っててもらうように言う。髭じいは優しく笑ってうなづいた。


「ただいまーっ」


「おう、おかえり」


 靴を脱いでお家に上がると、台所で鼻歌を歌いながら料理をしているパパがひょっこり顔を覗かせた。今日はなんだか良いことがあったみたい。


 お友達のサーヤちゃんやマグルちゃん、皆のお家はママがお料理するらしいけど、私のママは5年前に居なくなっちゃって顔もあんまり覚えてないや。私はパパの所に走って髭じいの訪問を伝えた。


「パパ、髭じい来た!」


「ひげ?誰だそりゃ」


「うーんとね…とにかく来て!」


 説明するより来てもらった方が早いと思ってパパの手を引いて玄関に来るように促す。あんまりお客さんを待たせちゃダメなんだよ!ぶれーきわまりないんだからね。


 パパはちょっと面倒くさそうにしてたけど、玄関に立ってる髭じいのことを見た途端に表情が変わってビックリしてた。もしかして髭じいって偉い人?それとも有名人?それともそれとも…

 サイン貰っておいた方が良いかな…なんて考えていると隣のパパが口を開いた。


「あんたらは………!」



「やぁやぁロビンさん。ご機嫌いかがかな?」


「うふふ、久しぶりね。」


 あれれ?さっきまで居なかったはずのお姉さんが髭じいの横に立ってる。濃い紫色のおさげの髪の毛を前に流してて左の前髪にはシルバーの髪留めを付けてて、なんだか上品そうな人だと思った。ローブを羽織っているからきっと魔道士の人だよね。パパとこの人達は知り合いなのかな?


 パパは髭じいを見たまましばらく黙り込んでたけど、観念したみたいに「立ち話もなんだ、上がりな」って言って髭じい達を招き入れた。


「ロビンや、しばし2人きりで話がしたい。」


 髭じいはさっきと比べてちょっと真剣な顔になってパパに言った。パパはそう聞かれるのが分かってたみたいに落ち着いて返事をする。


「良いぜ、こっちだ。」


「さすが、話が早うて助かるわい。」


「あ、パパ…」


「2人はだーいじなお話をするみたいだから、シャルロちゃんは二階でお姉さんと遊びましょうね〜」


 思わずパパの後を追おうとしたけど、お姉さんに抱きかかえられてそのまま二階へと連れていかれた。お姉さん、柔らかくていい匂い!


「シャルロちゃんのお部屋はどんな可愛らしいお部屋なのかな〜?」



 二階に上がるなり迷わず私の部屋に直進して中に入るお姉さん。二階には真っ直ぐの廊下に扉が4つある。それなのに私の部屋を一発で当てちゃうなんて、まるでこの家のことや私たちのことをずっと昔から知ってたみたい。

 お姉さんはベッドに私を下ろして自分も隣に腰かけた。もっと長い間だっこしてて欲しかったなぁ…なんて。


「ねぇねぇ、何して遊ぶ?トランプ?ゲーム?」


「ふふ、そうね……それも素敵だけれど…」


 唇に人差し指を当ててうつむき気味に考えるお姉さん。私は、お姉さんの表情がさっきとは変わって何だか暗い感じになったのを感じた。

 今のお姉さん、ちょっと怖いかも…。でも、遊ぶって言ってたしきっと何をして遊ぶか悩んでるんだよね!


「うふふ、決めたわ」


「おー!じゃあ早速やろうよ!レッツゴ……」


 私が右手を上げて立ち上がろうとした時、急に腕を掴まれてベッドに引き倒された。ぼふん、と勢いよくベッドに沈む私。


「うわっ!な、何するの…?」


 驚いてお姉さんを見ると、既にお姉さんは仰向けで倒れてる私の上に覆いかぶさるみたいな格好で跨ってた。表情はさっきの考え込んでいた時とは違ってて、いつもの優しいお顔。だけど、それでもさっきよりも怖さが増してるのを感じた。


「"何をするのか"って?ふふ…それはね…」


 胸がばくばくして緊張で体が動かなくなる。怖くて怖くて涙が出そう。私が動かないでいると、お姉さんが両手をこちらに伸ばしてきた。ゆっくりと近づいてくる両手に思わず両目をつむって顔を背けてしまう私。一体私、何されちゃうの…!?


 見えてはいないけどお姉さんの両手が私に近づいてくるのを確かに感じる。あと10センチ…あと8センチ…………あと3センチ…!!

 


「た、助けてぇーーーーー!!!」


「覚悟!!!」



 私の助けを求める声をかき消すかのように、お姉さんの声がこだました。

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