表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最果てのホライズン  作者: 椎名乃奈
第二章 おるすばん
13/60

【013】


「今日の晩御飯は、カレーで良いよね?」


「カレーって何ですか?」


 スゥの純粋無垢なその瞳に、ニナは固まっていた。


 今までにカレーを知らないと言う子供に出会ったことが無かったからだ。大概の子供なら、カレーと聞くだけで喜び燥ぎ回るモノだ。だけど、スゥはそんな様子を見せないどころか、本当にカレーを知らないと言った顔をしていた。


「本当にカレー知らないの?」


 スゥは、縦に頷く。


「カレーを見たことも?」


 スゥは、二度縦に頷く。


「そしたら、驚くわよ。カレーの美味しさに。じゃあ、作っていこうか」


「はい」


 スゥがカレーを知らないのも当然のことだった。


 今まで、質素な食べ物以外ほとんど口にしたことが無かったからだ。基本的に、パンとミルクさえあれば幸せ、そう言った生活を送っていたスゥにとって、料理と言う食材を加工する行為には無縁だったのだ。


「じゃあ、一緒にやろっか」


「はい!」


 スゥは、ニナの慣れた手付きに付いて行くのでやっとだったけれど、食材を切る、炒める、煮込む――カレーを作るとはそれぐらいの作業だが、それでも経験の無かったスゥにとって、一生懸命に料理をすると言うことが楽しかった。


 そして。


 ニナと言う姉が出来たかの様でそれが何よりも嬉しかった。


「さあ、完成」


「うわあ、良い香り」


 その香りは、具体的に何の匂いに似ていると表現するのは難しかった。けれど、その匂いがそのまま自分の食欲を掻き立てるのを体で感じていた。食べなくとも、それがきっと美味しいモノである――そう感じていた。


「さあ、食事の準備をするよ。おーい、チビ達。準備手伝いなー」


 ニナのその声にドカドカと慌ただしく走る音が聞こえて来る。


「御飯出来たのー?」


 スゥよりも一回り二回りほど幼い子供達だった。


「紹介がまだだったね。こっちの男の子がレイ。女の子がリナ」


「初めまして、スゥと言います」


「ほら、あんた達。挨拶は」


「レイだよ」


「リナです」


 子供達はペコリと頭を下げた。


「宜しくお願いします」


「はい、良く出来ました。はい、これよろしくね」


 ニナは子供達の頭を撫で、カレーライスを盛り付けた皿を手渡し、駆け足でそれをテーブルまで運んで行く。


「走るんじゃないよ。全く」


「ふふふ」


 スゥは、小さく笑った。


「どうしたんだい?」


「いえ、何でも無いです」


「じゃあ、スゥちゃんもこのサラダ持って行ってくれる?」


「はい」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ