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ウェポンスピリッツは未来に継げる!  作者: 古魚
欧州出兵編~波乱の上陸~
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戦力比較


 現在、2月7日、01時48分、ドイツヤーデ湾。


「錨を下ろせ!」


 俺が無線で伝えると、順番に入港してきた大型艦たちが、錨を下ろしていく。

 戦艦、空母などは港の最奥に、輸送船たちは両サイドの荷上場、駆逐艦、巡洋艦などは入り口付近に多数存在する小型ドックに収納される。

 入りきらなかった駆逐艦たちと現代艦たちは、ヤーデ湾を出た先にある、ドイツが作った人工島に、錨を下ろしている。


 ここに着くまで、何度か接敵はあったが、ほとんど損害は出さず、港にたどり着いていた。


「総員お疲れ、夜間組は休息に入ってくれ」


 夜間の間に働いていた人たちを寝かせ、今日の午後に備えさせる、午後は、希望した者たちが上陸許可を貰い、少しだけドイツ観光を楽しめる。


「俺も観光したかったなぁ、ドイツ」

「勇儀は作戦会議でしょ? ドイツのWSたちとも合わないとだし、やることはいっぱいだよ?」


 大和が隣からそう声をかける。

 そう、俺に休暇はない、この後ドイツ首相を交えて作戦会議を開き、終了後、少し寝て、ドイツのWSたちと会う予定がある。

 ここから確認できるWSは、『ビスマルク』『プリンツオイゲン』『ju87シュトゥーカ』、そして、借りていた『ティーガー』。


「この戦いが終ったら、『ティーガー』をドイツに返さないとな……」


 『ティーガー』は、決して日本が貰ったわけでは無く、借りていただけなのだ、もっと言えば、持って帰ってきてしまったのだが……。

 ちなみにアジア作戦の時協力してくれたドイツ兵も、今回の出兵でドイツに返している。

 空路で返してもよかったのだが、ロシア兵とは違い、距離が距離、しかもそのドイツ兵たちはかなり重症だったので、責任を持って完治するまで治療をし、休養を与えていたら今になってしまったのだ。


「さて、俺も降りる、留守を頼むぞ」

「了解」


 大和は適当に返事をして、姿を消す。

 俺はそれを確認し、艦橋を出た。


「結構綺麗だな」


 ヤーデ湾内は意外とすっきりしていて、明るさから、多数の艦艇が収容されているのが分かるが、窮屈さは感じない、どことなく呉湾に似ている気もした。

 まあ深夜だから、何となくしか分からないが。


「貴官が有馬勇儀中佐か?」


 港を見ていると、後ろから、ややカタコトな日本語が聞こえたので、振り返ると、黒い長官服に身を包む、少し若い男が立っていた。


「はい、そうですが」

「ならよかった、首相がお待ちしている、他の長官方も向かわれたから、貴官も私に着いてきてくれ」


 どうやら面会場まで案内してくれるようだ。


「ありがとうございます、貴方の名前は?」


 聞いてみると、かしこまったように服装を直し、敬礼をして口を開く。


「私の名前は、ハインケル・ピーター、アイゼンブルディスクハイの機甲師団長を務めている者だ」


 一瞬分からなくなったが、アイゼンブルディスクハイとは、鉄血のドイツ語読みだ、いつもドイツや鉄血と読んでいるから忘れていた。


 機甲師団長と言うと、戦車隊のトップかな?


「それでは、いこうか」


 そう言って、再びハインケル長官は歩き出した。




 現在、02時02分




「待っていたよ、君が有馬君だね」


 重々し気の木製扉が開かれると、向かって右側に日本の長官たちが、左側に、おそらくドイツ人と思われる人の姿が二人在った。


 そして正面に座っていたのは、ドイツの現首相であるベルト・ハインリヒさんだ。


「はい、桜日帝国軍戦線長官の、有馬勇儀であります」


 俺が敬礼すると、首相も敬礼を返してくれ、俺を席に着くよう誘導した。


「さて、まずは君も気になっているであろう、こちらのWSたちを紹介しよう」


 どうやら、左側に座っていた人たちは、皆ドイツのWSらしい。

 言われてみれば、服装が、旧式のドイツ軍人だ。


「私は『シュトゥーカ』隊隊長のハンス・ウルリッヒ・ルーデルだ」

「私が重巡『プリンツオイゲン』のオイゲンだ」


 二人とも、硬派な男の人の顔立ちをしており、歴戦の兵士だと、言われなくとも伝わってくる。


「って、ルーデル閣下⁉」


 我に返り、最初に名乗った、頬が角張っているが、きれいな笑窪と、細い目が特徴の男の方へ視線を向ける。


「む? 私を知っているのか」

 

 知っているも何も、連合国に、悪魔と恐れられた、最強の爆撃機乗り。

 366日出勤していたと言われ、生涯戦績は、戦車519輌、装甲車・トラック800台以上、火砲150門以上、戦艦一隻、駆逐艦一隻、嚮導駆逐艦一隻、上陸艇70隻以上、航空機9機と、あり得ないほどの戦果を残している。


 他にも、撃墜されたその日に足を引きずりながら基地に返り、その日にもう一度出撃しようとしたり、できる限り休暇を無くすよう書類を偽造したりと、もうとにかく異常なほどの狂った爆撃機乗りなのだ。


「まあとにかく、その話は後でじっくりしてくれ、今は作戦会議が先だ」


 彭城艦長がそう言いながら地図を広げる。


「ほら、戦線長官、こちらの戦力を説明したまえ」

「そ、そうですね、まずは互いの戦力の状態を確認しましょう」

 

 艦長の言葉に乗っかり、作戦を立てる前の段階である、持ち駒の確認を行うことにした。


 桜日の戦力をまとめると。

戦艦『大和』『武蔵』『長門』『陸奥』『扶桑』『アイオワ』『アリゾナ』『三笠』

空母『赤城』『加賀』『蒼龍』『飛龍』『瑞鶴』『エンタープライズ』

イージス戦艦『あめ』『はれ』『やまと』

現代空母『しろわし』『しょうほう』『いずも』

巡洋艦『妙高』『古鷹』『阿武隈』『矢矧』『北上』

駆逐艦『秋月』『初月』『吹雪』『夕立』『陽炎』『綾波』『夕雲』『雪風』

   『時雨』『響』『朝潮』

量産駆逐艦『A型』8隻 『B型』6隻 『Ⅽ型』3隻

潜水艦『せいりゅう』『おうりゅう』『しょうりゅう』『じんりゅう』

   『伊―403』

人員輸送艦『とちぎ』『あおもり』『ながの』

多目的輸送艦『D105』~『D155』

工作艦『明石』『ヴェスタル』


歩兵戦力24,000人

防弾輸送トラック80台 通常兵員輸送トラック120台

『九七式中戦車チハ』170輌

『74式中戦車』40輌

『10式中戦車』30輌

『87式自動高射機関砲』20輌

『19式自走榴弾砲』30輌

『32式ロケットトラック』20輌


航空戦力に関しては、空母たちの艦載機に加え。

『隼四型』20機

『一式陸上攻撃機』122機+1機


 ついでにユニオンの戦力もまとめると。

『Ⅿ4A3シャーマン』8,000輌

『Ⅿ1エイブラムス』20輌

歩兵戦力30,000人

『B21』3機

『B52』55機

輸送ヘリ等数不明

一個機動艦隊


 明日にはドイツに到着する予定。


「なるほど、豪華な兵器たちですな」


 ベルト首相はそう言いながら頷く、サイドに座るルーデル閣下やオイゲンも唸る。


「西洋にいたから、あまり日米の艦は詳しくないが、『大和』や『エンタープライズ』、『長門』などは聞いたことがあるぞ」


 オイゲンがそう言いながら、紙に書かれた名前を指で叩く。


「そうだな、私も『零戦』という名前ぐらいは聞いたことがあるぞ」


 ルーデル閣下も、オイゲンにならい、指で叩く。

 そんなことを話していると。


「では、こちらの戦力は私が話そう」


 会議室の扉が開かれ、見慣れた顔の男が出てくる。


「……ティーガー?」


 顔立ちや言葉はそのままティーガーだが、服に少し違和感がある。


「ああ、この服か? 車種が変わったからだ」


 ……車種が変わったと?


「まあ、後で車庫にこい」


 そうきっぱり話を切られてしまった。


「では、話させてもらう」

 

鉄血の総戦力をまとめると。


戦艦『ビスマルク』『ティルピッツ』『グナイゼナウ』

空母『グラーフシュペー』

巡洋艦『プリンツオイゲン』『アドミラルヒッパー』『アドミラルシュペー』

   『ケーニヒスベルク』

駆逐艦『Z1レーベレヒト・マース』『Z23』『Z31』『Z32』『Z33』『Z26』

フリゲート級『ザクセン』『ハンブルク』『エアフルト』『ミュンヘン』

クルーザー級『ベルリン』『ドルトムント』

潜水艦『Uボート』シリーズ約100隻



『Me―109』シリーズ890機

『ju87シュトゥーカ』シリーズ320機

『ju188』110機

『BF110』30機

『F22Gラプア』12機

『F15JGイーグル』22機



『Sd Kfz 234 プーマ』130輌

『Ⅲ号戦車』190輌

『Ⅴ号戦車パンター』80輌

『Ⅵ号戦車ティーガー』61輌

『Ⅳ号対空戦車ヴィルベルヴィント』32輌

『Ⅵ号突撃戦車シュトルムティーガー』10輌

『Ⅴ号突撃戦車ヤークトパンター』60輌

『Ⅷ号マウス』三輌

『P1000ラーテ』一輌

『レオパルトV―ⅬK』190輌

歩兵戦力約60、000人




「……一つ、聞きたいことがあります、首相」


 俺が首相の方へ視線を向けると、首相は首を捻った。


「なんだね」

「どうして、こんなに航空戦力少ないんですか?」

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