15話 初めての生産仲間
畑に帰った俺とローゼは作業をしていた。俺は新しく手に入った薬草、魔草、活力草、爆草を種にし、りんごとみかんを苗木にして植えていた。ローゼは薬草と魔草の採取をしている。2人で作業するとめっちゃ楽だ。
「そろそろ、納屋で寝るのも辛いな••••••。お店兼自宅が欲しい」
そうだ!品質3がとてもレアだってみんな言ってたから品質3のアイテムを売ればいいんだ!とりあえず、品質3のポーションを大量生産して売ろう!薬草も沢山あるし。
ゲーム内時間3時間経過••••••。
俺が薬草を全て品質3のヒールポーションにした時、周りはもう真っ暗だ。俺は遠目の技である夜目を使っているから問題ない。ローゼは返還して召喚書で休んでいる。召喚書ないのではでは満腹度も減らないので少し食費が浮く。そろそろ、ログアウトしないと晩飯に遅れそうだな。
《ログアウトしますか?》
俺は『はい』を押す。
俺は晩飯を食べ、風呂に入った後またIPOにログインする事にした。
《ログインしました》
「こっちは朝か••••••。よし!ポーション売りに行こう!」
俺は街を散策と言う名のマッピングをしながらポーションを売る所を探していた。
たまには、生産プレイヤーに売ろう。色々情報が欲しいし。お、あの人なんか良いんじゃない?
俺は露店を開いている女性を見つけた。
「すいません、買取やってます?」
「やってますよ。見ない顔だね?どんなアイテム売ってくれるの?」
「とりあえず、自分で生産したヒールポーションを500個程売りたいのですが••••••」
「500個••••••」
「500個なんて無理ですよね。買い取れるだけ買い取って下さい」
「ちょっとそのポーション見せて」
俺は品質3のヒールポーションをオブジェクト化して見せた。
「全部買い取る!!」
「いいんですか?」
「ちょっと待ってね。ちょっと待っててくれない?ちょっと知り合いからお金を借りたいから」
「は、はぁ。別に構いませんが?」
「ちょっと、テンちゃん!お金借してくれない!掘り出しもん!ちょっと、私の露店まで来て」
フレンドコールで誰かに電話してる。多分その人からお金を借りるんだな。
フレンドコールから10分後。1人の女性がこちらに走って来る。
「なんだい、アオイがあんなに慌てるなんて」
「ちょっと、これ見て!」
「はぁあ!?品質3のポーションナンテ初めて見たんですけど!」
「これにいくらつける?」
「20000ゴールドは出したいね。それほど貴重だね。これは彼が?」
「あ、はい。俺はサトキって言います」
「私はテンね。よろしく。早速だけど、これどうやって作ったの?」
「品質2の薬草から作りましたよ?ただ水の方は企業秘密で」
「なるほど、水が品質高かったのか••••••。心当たりすらない」
「まだこれが500個あるのよね?」
「自分用も合わせれば600個ありますね。今回売るのは500個ですが。それで、テンさんとアオイ?さんでよろしかったでしょうか?」
「あ、私まだ名乗ってなかった」
「何やってるんだよ!どうせ、アイテムの事で忘れてたんだろ?それと、今から自己紹介しようとするな!もう、サトキ君はアオイの名前覚えてるんだから」
君付けされた。なんか新鮮。
「いくらでしょうか?」
「その敬語は、元々?」
「いいえ」
「じゃあやめて欲しいな〜。タメの方がやりやすいだろうし」
「分かった。いくらで売れる?」
「品質3のヒールポーション、1個25000ゴールドで取引しよう!」
「いいのか?そんな高額で?」
「大丈夫大丈夫、最前線で戦ってるプレイヤー達にとっては品質3のヒールポーションは喉から手が出るほど欲しいだろうし」
「品質3のマナポーションも持ってない?」
「あるけど、自分用なので売りません」
「じゃあ、今度また持って来てよ。一応フレンドになっとく?」
「俺は大丈夫ですよ」
《プレイヤー:テンからフレンド申請が届いています。承諾しますか?》
《プレイヤー:アオイからフレンド申請が届いています。承諾しますか?》
『はい』を押す。やったぜ!生産仲間ゲット!
「はい、これ。全部で12500000ゴールドね。アオイはちゃんと借金返してね」
「一文無しなったけどいい買い物したわ〜」
俺はヒールポーションとお金を交換した。
これは、普通に称号無くても富豪にだな。