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Side=サヤ∥Beginning∥『Reload』
・・・調子乗った。ご免なさい。
何か、そう言う雰囲気なのかな?って勘違いしてしまい。
お恥ずかし。
最近恥ずかしい事を躊躇無く言ってしまう。
コレはヤバイでしょ?どんどん厨二に染まって行く。
・・・てか、凄く綺麗な子だったなぁ~あの子。
名前なんて言うんだろう?聞けば良かった。
何か・・・マドとは全然違う。
マドも綺麗にすれば美人だけどさ。それでも違うんだよね。
何て言うか・・・気品?
それが溢れ出してたよね。
でも、何であんな綺麗な子が戦場に?鎧の胸の辺りにバラが書かれていたけど、何なんだろうか?
まぁ、聞けば良いけどさ。
俺の周りは物知りが多いからなぁ~。
「痛っ!!」
帰って来た早々何故かマドに叩かれた。
「失礼な事考えていたでしょ?」
ブラックの笑みを浮かべるマド。
・・・怖ぇー。
「で、どうだったんですか?どうせ介入しちゃったんでしょ?」
カロが微笑みなから尋ねる。
てか、どうせって何?
俺はマドに叩かれた右頬を押さえながら答える。
「紺色に赤い星の書かれた旗と白に青い鳥が書かれた旗があった」
そう俺が言うと、カロの表情から笑みが消える。
「『アスリトン王国』と『モーレス国』だな」
フォーリが腕を組みながら言う。
「『アスリトン』って、確かカロが所属していた国だよな?確か世界派の」
カロを見る。
「えぇ。・・・良かったです。私が行かなくて」
少し暗い顔で答えるカロ。
・・・あっ!
「そうだ。『アスリトン』に鎧にバラが書かれた部隊ってある?」
「薔薇ですか?いえ知りませんけ・・・ど・・・まさか!?」
そこでカロが何かを思いついた様だ。けれどもあまり良い感じでは無い。
すると、マドが代わりに答える。
「それって『遊撃部隊ローズ』じゃないの?『クロアットン』の」
「そうですね。多分、『クロアットン』が『アスリトン』に対して信頼と信用の為に送ったのでしょうね」
カロが少し苦い顔をしながら答える。
「その『遊撃部隊ローズ』って有名なのか?」
それにはフォーリが答える。
「『遊撃部隊ローズ』も有名っちゃ、有名だが、その部隊の隊長が有名なんだよ」
「隊長が?」
カロが答える。
「『遊撃部隊ローズ』は女性だけで構成された部隊です。戦闘力は少し他の部隊に劣るかもしれませんが、それでもこの部隊に今まで敗戦と言うのはありません」
「それは何故?」
マドが答える。・・・てか、お前等交互に答えるの止めろよ。
「それが隊長の二つ名よ。『勝利を約束する女神』。彼女が赴く戦場は必ず勝つ。それでこの名が付いたの」
「『勝利を約束する女神』・・・・」
ふと、あの子の顔が浮かぶ。
・・・まさかな。
「で、戦況はどちらに?」
カロが尋ねて来る。
「ん?・・・多分『アスリトン』が勝ったと思うぞ。突っ込んだのが『モーレス』の軍ど真ん中だったし」
俺は笑いながら答える。
「馬鹿ですね。また突っ込んだんですか?龍族の時と同じじゃないですか」
そう言いながらも微笑むカロ。お前は一体何を考えている?
「それが一番手っ取り早いんだよ」
突っ込んだら大体吹き飛ばせるしね。
すると、マドが腕を組みながら言う。
「そうすると、少し迂回した方が良いかもしれないわね。兵士達とぶつかるのは避けた方が良いでしょ?」
その意見にフォーリが噛みつく。
「んぁ?何でだ?潰せば済む話しだろうがぁ?」
すると、マドはフォーリを見る。
「アンタ達『無道』は戦争を行っていない兵士に攻撃するの?」
「うっ・・・」
あぁ~あ。言い負かされている。
フォーリのマドに対しての苦手意識ってこう言う事なのか?
「だから少し時間かかっても迂回した方が最良でしょ?」
「そうですね。成る可く下手に魔力使いたくありませんしね」
カロが同意する。
「俺はどっちでも良い。多い意見の方に賛成」
リーダーなのに多数はの意見に同意・・・それって良いのだろうか?まぁ、今に始まった事じゃないしね。
「リノも!!リノも!!」
リノはぴょんぴょん跳ねている。
「安全なら何でも良いです」
弟子一号が小さく溜息を吐きながら言う。・・・今まで空気だったな。
そして、俺等五人は一斉にフォーリを見る。
「なっ!・・・チッ!解ったって!!俺も賛成だ!!」
フォーリが顔を背けながら言う。
「じゃ、行きましょうか?」
マドが歩き出す。
それに続いて俺等も歩き出す。
・・・・あれ?マドって『無道』のメンバーじゃないよね?何か上手い具合に手綱引っ張られている様な・・・あれ?
「「ラララ~ララ~ララララ~♪」」
マドとリノが歌を歌っている。
いつの間に覚えたリノ・・・。
てか、お世辞にも上手いとは言えないよな。マド。
すると、馬鹿の戦闘狂が口走る。
「下手くそだな」
・・・あぁ~あ。俺とカロと弟子一号が残念な奴を見る目でフォーリを見る。
すると案の定、
バチンッ!!!!!!!!!
「ぐふっ!!!!!!!」
マドの平手はフォーリの右頬に鮮やかにヒット。
フォーリはそのまま宙を舞い、地面に落ちる。
・・・自業自得だろ?
フォーリはぐったりと地面に倒れている。
だが、気にしない。だって自業自得だから。
俺等は何事も無かった様に歩き出す。
・・・マドに対して下手な事言えない。殺される。何でこんな所で生死問わずなの?どこぞの戦地よりも危険な場所にいるような気がする。
あぁ~・・・・俺の平穏は何処に?
あっ・・・元々平穏なんて無かった。
Side=サヤ∥Out
Side=第三者∥Beginning∥『Reload』
「疲れた・・・・」
青髪の男がぐったりとしながら呟く。
「頭ぁ!!もっとシャキッとして下さいっすよ!!」
巨漢が叫ぶ。
「あかん・・・もうあかん。駄目や・・・腹も減ったし・・・何より足が鉛くっつけとる様に重いわ・・・まるで彼女からの束縛の様に・・・」
青髪の男は天を仰ぎながらブツブツと行っている。
すると、金髪に青いバンダナを巻いている男が笑いながら言う。
「頭彼女なんか出来た事あるんですか?」
「マイク・・・舐めとるんか?ワテは誑しやぞ?女何てなんぼでもいたわ」
青髪の男は天を仰いだまま淡々と言う。
すると、巨漢が悪げも無く、言葉の槍を青髪の男に突き刺す。
「ですが頭ぁ!!俺は頭と長い事一緒にいやしたが!!まったくと言って良い程ナンパも全て敗戦で終わりでやしたよ!!いつの間にそんな武勇伝がぁ!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
青髪の男は立ち止まり、そして黙る。
「頭ぁ!!どうしやした!?」
巨漢は心配そうに叫ぶ。
だが、原因は巨漢なのだが・・・。
「どうせワテはモテへんわァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!」
膝を付き、叫ぶ青髪の男。
すると、バンダナを巻いたマイクと言う男がケラケラと笑い、
「なぁ~んだ。やっぱりか!」
突き刺す。
「お、おい!!マイク!!頭は決してモテねぇー訳じゃない!!!頭は変態だからしょうがねぇーんだ!!!どんなにしつこいナンパも最後は殴られて終わり!!それでもめげない頭は凄いぞ!!!!」
巨漢はもう喋らない方が良いと思う。
青髪の男はもうライフゼロと言った感じで倒れている。
屍だ。
「か、頭ぁ!!どうしやした!?ほれ見ろ!!お前が本当の事を言うから!!!」
更に追い打ちをかける巨漢。
マイクは真顔で巨漢に対して言う。
「いやいや・・・トドメ刺しているのはお前だよ。ケニー」
ケニーと呼ばれた巨漢は気付いていない。
天然の爆弾。一番質の悪い。
「頭ぁ!!!!!!!」
そんな事は知らずに、ケニーは青髪の男の肩を抱いて叫ぶ。
何のワンシーンだ。
男同士で気持ちの悪いコントだ。
「ワテの・・・亡骸わ・・・地下深くに・・・埋めて・・・く・・れ」
最後までボケ続ける馬鹿。
「頭ぁ!!!!!!!!!!!!」
それすらも真面目に受け止める馬鹿2。
「・・・勝手にやってろ」
ツッコミを放棄した男。
ツッコミ不在のコントは、終わりを見失っていた。
Scene→Change
森を抜け、男は荒野に向かって立っていた。
男は天パの髪。怠そうな表情。
ソロモン72柱の悪魔、序列17番ボディス。
「・・・・此所何処?」
方向音痴。
「やばいな。これなら一人で行動しないで誰かについて行けば良かった。ウィサゴが別行動とか言うからついつい・・・変な見栄張らなければ良かった・・・」
ボディスは腹をボリボリと掻きながら溜息を吐く。
「どうしようか・・・ん?」
ふと、下に目をやると木の枝が落ちていた。
ボディスは暫くそれを見つめ、そして徐にそれを拾う。
そして、木の枝を立てる。
人差し指で木の枝を支え、そして離す。
木の枝はそのまま左に倒れる。
ボディスは木の枝を見て、そして左を見る。
「・・・向こうか」
ボディスは腹をボリボリ掻きながら、歩き出す。
・・・南に。
Scene→Change
「あかんわぁ~」
デジャヴな始まり方。
「もうそれは良いですって、早く皆と合流しないといけないんだから、さっさと歩いて下さいよ!?」
マイクは半ギレである。
「なぁ~ケニー・・・おぶってくれへん?」
「了解でさぁ!!!」
ケニーはしゃがむ。
すると、マイクがボソっと、
「男同士で・・・キモ」
「・・・・・・・・・・・・・」
青髪の男がおぶさろうとして、そのまま動きを止める。
「どうしたんでぇ頭ぁ!!!!!」
ケニーはしゃがんで体勢のまま叫ぶ。
だが、そんな声は青髪の男には聞こえていない。
何かを考える様に停止している。
そして答えは、
「自分の足で歩くのが一番やわ。そや、運動せなあかんしな!!」
そう言いながら歩き出す青髪の男。
「ん?頭ぁ!!良いすかぁ!?」
ケニーはしゃがんだ体勢のまま、首だけ回し叫ぶ。
「えぇんや!!・・・えぇんや・・・」
青髪は下を向きながら歩き出す。
ズタズタにされた彼の心は癒される事があるのか?
Scene→Change
仮面の男は見据えていた。
・・・静かに見据えていた。
「発見だ!!!発見だ!!!!俺が一番か!!!!!!」
・・・静かに・・・静かに・・・。
「ふふ・・・俺が一番だァァァァァァァァ!!!!!!!!!」
・・・・・・・・。
「さて、どうしようか?ノープランだ。それは不味い!!!そう・・・不味い!!!」
叫び続ける仮面の男。つまりは序列45番ヴィネ。
森の中からヴィネは見ていた。
そう、今回のターゲットである人物を。
そこで、ヴィネは黙り考える。
「・・・どれがサヤだ?男だって報告だが・・・男が4人いるぞ?どれだ?」
そうブツブツ呟きながら考え込む。
だが、そんな考えは10秒もしない内に放棄される。
「だが、結局は皆殺しだ!!!どうでも良い!!!!!」
勢い良く立ち上がり、何故か拳を掲げる。
・・・彼は馬鹿なのである。
「さぁ!!!!始めよう!!!!俺の出番だ!!!!!」
叫ぶ馬・・・ヴィネ。
Scene→Change
「あかんわぁ~もうあかんわぁ~」
デジャヴ再来。
「頭ぁ!!!後少しで合流ですぜ!!!!」
ケニーが叫ぶ。
すると、マイクが尋ねる。
「所で、その『無道』ってのは一体何者なんですかね?『ローデン』軍勢に喧嘩売るとか正気の沙汰じゃねーと思うんですけど?」
「そうか?ワテは結構おもろい奴等だと思うけどな。数で圧倒しとる敵に挑む・・・度胸だけじゃ務まらん事や。それ程に、力が在る。結果が見えとったって事やろ。だからこそ、ワテは見てみたい。一体どんな奴等なのか」
そう言い、青髪の男は微笑む。
ケニーもマイクも茶化さない。
この表情が本気の時の表情だと知っているからだ。
「んじゃ、期待外れだったら?」
マイクが尋ねる。
すると、青髪の男は笑みを浮かべたまま答える。
「そやったらそれだけや。だが・・・もしワテ等の邪魔すんなら殺す」
一気に雰囲気が変わる。
すると、ケニーが青い魔法石を耳に当てながら叫ぶ。
「頭ぁ!!!もう少しで合流ですぜ!!!!」
それを聞くと、雰囲気が戻る。
「ほなさっさと行こか!!!」
その様子の変わりように、マイクは溜息を吐く。
「はぁ~・・・あのまんまならモテるだろうに」
青髪の男の敗因は喋ったら印象が違う事だ。
それをどうにかしない限り、モテる事は無いだろう。
不憫。
Side=第三者∥Out