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 Side=サヤ∥Beginning∥『Reload』



「『仙牙一刀』!!!!!」

 俺は『仙牙龍刀』を縦に振るう。斬撃が目の前に居る悪魔めがけて飛ぶ。


 だが、

「消滅」


 斬撃を衝撃波で消す。


 先程からこれを何回も繰り返している。

 どうやら、目の前の悪魔は衝撃波を出す事が出来るらしい。


 少し嫌な相手だ。

 俺は腰から『デザートイーグル.50AE』を抜き、銃口を向けて撃つ。


「無意味・・・無駄・・・無傷」

 悪魔は魔法弾を衝撃波で消す。


 消耗するだけだなこりゃぁー。

 てか、衝撃波ってどんだけよ!!


「今度・・・・我・・・攻撃」

 そう途切れ途切れに言いながら、悪魔が剣を振るう。


ドゴォォォォォォォンッ!!!!!!


「クソがっ!!!!」

 衝撃波が襲う。


 『仙牙龍刀』地面に突き刺し、吹き飛ばないようにするのが精一杯だった。


「刺殺」


「んなっ!!!!」

 いつの間にか、悪魔が俺の後ろに回り込んでおり刃先を背中めがけて突き刺す。


 俺は瞬時に跳び上がる。とが、咄嗟だった為に『仙牙龍刀』を地面に刺したまま跳んでしまった。


「無様」


「なっ!?」


 いつの間にか背後に居る悪魔。


 俺は拳銃で撃とうとした時、衝撃波を食らう。


 俺は猛スピードで地面に激突する。


ドゴォンッ!!!!!!!!!!!!


 土煙が舞う。


「ゴホッ!!ゴホッ!!!・・・・死ぬかと思った」

 一応は生きているが、背中に激痛が走る。衝撃波をモロに食らったのだ。これは仕方が無い。


 ふと目の前を見る。悪魔がゆっくりと上から降りて来る。


 そして、俺を見て言う。

「所詮・・・・人間・・・貴様・・・限界・・・終了」


 途切れ途切れで何言ってるか良く解らないが、馬鹿にされてるなこりゃ。

 前までは、自分一人で戦う事に拘っていたが、今回は守る者がいる。


 自分の信念やらプライドは捨てた方が良いな。


 俺は、目を瞑る。そして、唱える。

「『答えよ―――主の声に―――姿と燃える死の力を見せよ!!!』

「『答えよ―――主の声に―――姿と狂乱する無双の強さを見せよ!!!』


 魔方陣が二つ現れる。その二つから、モートとカーリーの二人が現れる。


 その光景に、悪魔は驚いた顔をする。


「ティハッハハ!!戦闘時に呼ばれるのは初めてだな!!!!」

 モートが笑いながら言う。


「私は久しぶりの召喚だよ。何か言ってやろうと思ったけど、面白い状況だから許してあげるわ」

 カーリーが腰に手を当てながら言う。


「二人ともごめんな、呼び出して」

 俺は二人を見ながら言う。


「何言ってるのマイマスター。これ程面白い事・・・ゾクゾクするわ」

 そう言って、腰に差していた剣二本を抜くカーリー。


「ホントだぜ主!!!今回は修行でも何でもない殺し合い・・・これ程面白い事があるか!!!」

 そう言いながら、煙草の煙を吐き手に炎を生み出すモート。


「貴様・・・人間・・・・召喚」

 悪魔が驚いた表情のまま、尋ねてくる。


 どうやら、「お前召喚魔法で人間を召喚したのか?」的な事を聞いてると思う。


 俺はニヤリと笑い、答える。

「弁えろ・・・三下。お前の目の前に居るのは、神と化け物だぞ?」


 俺は『仙牙龍刀』を構えながら動く。


「ティハッハハ!!灰になって肥料になりな!!!!!」

 叫びながら、モートが悪魔に向かって炎を放つ。


「くっ!!!!」

 それを悪魔は辛うじて躱す。だが、


「私を忘れてるのかしら?」

 いつの間にか悪魔の真下にいたカーリーが、右手に持つ剣を振り上げる。


ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!


「グガアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

 悪魔の右腕が飛ぶ。


 だが、カーリーはそれで止まらない。

 ニヤリと笑い。左手に持っていた剣を悪魔の胸に突き刺す。


「グギャッ!!!!!」

 悪魔はよろけながら後ろに数歩下がる。


 すると、

「ティハッハハ!!余所見厳禁だぜ?」


 悪魔の真上から炎の塊が落ちる。


 その炎の塊を悪魔は避ける事は出来ず、食らう。

「グガァァァァアアアアァァアアアアアア!!!!!!!!!!!!」


 燃えさかる死の炎。それが悪魔の体を外・内を焼き尽くす。


 悪魔はフラつきながら炎から離れようとする。


「終いだ・・・・」

 俺は、静かに焦げた臭いを発する悪魔に近づく。

 悪魔は痛みのせいで俺の接近に気付かない。


「お前は・・・すまん。名前忘れたわ。まぁ・・・・どうでも良いだろ?」

 俺は、悪魔の首めがけて『仙牙龍刀』を振り下ろす。


ブシュウウウウゥゥゥゥゥウウウウウゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!


 頭の無い首から血が噴水の様に吹き出る。

 そして、俯せに倒れる悪魔の死体。


 空から、リアル血の雨が降る。


「これからどうする?」

 モートが煙草の煙を吐きながら尋ねてくる。


「多分、カロとフォーリはまだ悪魔と戦ってるだろうさ」

 俺は剣を振り、血を飛ばす。


「加勢するのかい?」

 カーリーがどこから出したのか、酒瓶をラッパ飲みしている。


「いや、加勢は不要だろ。加勢が無くとも、勝ってもらわないと、この先辛くなる」

 非情にも聞こえる言葉を吐く。


「フフ・・・そうね。相手が格上だとしても、勝たないといけない時もあるものね。それに、マイマスターの進む道は険しいのだから」


 そう言いながら、にやけるカーリー。


「そうだな!!まぁ、危ないと解ったら俺が助けに行ってやるよ!!」

 笑いながら叫ぶモート。


「そうだな。モートとカーリーは待機で」


 俺は、目を瞑り詠唱する。

「『答えよ―――主の声に―――姿と獣の王の力を見せよ!!!』


 魔方陣が現れ、ケルヌが現れる。

「久しいな!我が王よ!!」

 そう言って、俺を抱きしめるケルヌ。


「う・・・・うん・・・・そう・・・だな・・・」

 俺はムキムキ胸筋に顔を埋めながら答えるが、息が出来ない。


「それで、我はどうすれば良い?」

 抱きしめながら尋ねてくるケルヌ。


「ま・・ずは・・・・離し・・・・・て」

 アレ・・・何か目の前が霞む・・・お花畑だぁ~わぁ~アガパンサスのお花畑だぁ~・・・あれれ?アガパンサスの花言葉って・・・『恋の訪れ』じゃねぇーか!!!訪れてねぇーよ!!!


「訪れてねぇーよ!!!!!!」

 思わず叫んでしまった。


 三人は可哀想な者を見る目で見てくる。

 精神的ダメージ半端無い。


「・・・ケルヌは森の動物と一緒に悪魔の探索をお願い」

 俺は今のを無かった事にして、ケルヌ尋ねる。


「悪魔を探せば?」


「いや、人間の姿をした悪魔だ。馬鹿な悪魔はどうでも良い。兎に角、ソロモン72柱の悪魔みたいな奴を探してくれ」


「了解した」

 森の中に駆けて行くケルヌ。


「俺も捜索するから!後は頼むな!!」

 俺はモートとカーリーに言って、跳び上がる。


 本当はヨーロを召喚したいのだが、目立つから召喚出来ない。

 自力で探すしか無い。


 面倒だが、仕方が無いだろう。



 Side=サヤ∥Out

























 Side=バティフォーリ=ケスティマ∥Beginning∥『Reload』



 クソが!!!!


「キャハハハハ!!!威勢の良いあの姿、姿は何処!!!!逃げるだけ?面白く、面白くないよ!!!!」

 そう叫びながら、糞餓鬼は『雷神雷槍』を振り回す。


 あの餓鬼俺の武器をコピーしやがったらしい。

 あの餓鬼が持っている『雷神雷槍』まさしく本物同然。

 多分だが、あの餓鬼は武器をコピー出来る力を持っている。


 それだと、俺に取っては不利。

 俺は武器を創造して戦う人間だ。これだと、創造した武器を全部コピーされてこっちの手の内を晒す事になる。


「キャハハハハッハハハ!!!!!!逃げる、逃げる!!!無様だよ!!!本当に人間は無様だよ!!!!!」


 糞餓鬼が・・・

「お前の笑い声は耳障りなんだよ!!!!!!」

 俺は黒槍を投擲する。


「キャハハ!!知ってる、知ってるよ!!その黒い槍の能力!!!追って来るんでしょ?だったら、この雷の槍で消し飛ばせば良いんだよ!!!!」

 そう良いながら、投擲した黒槍を消し飛ばす糞餓鬼。


 そう。先程投擲した時も避けられ、しかも二段階のホーミングに気付きやがった。

 そのせいで、黒槍はもう効かない。


 『雷神雷槍』以上の武器を創造したくとも、それだと直ぐにコピーされてしまう。

 一発で殺せば良いのだが、殺し損ねたら厄介。


 その為、中々賭けに出れない。


 糞が!!!これ程に厄介だとは思わなかった。

 この俺が戦いの最中に考え事とは、面倒だ!本当に面倒だ!!!!


 ・・・いや、アイツがコピー出来ない武器が一つある。

 だが、これは使う人間を壊す槍だ。強大な力にオプションで付く自滅の力。


 待てよ・・・・そう言えばサヤにはあの美人さんが居るじゃねぇーか!

 最初から期待するのは卑怯だが、今回は相手が悪い。


 ・・・まぁ、運が良ければ腕の一本か二本で済むか・・・。


 俺は右手を突き出し、唱える。

「『破壊を創造―――己すらも破壊し―――創造する―――『殲滅魔槍』』!!!!!」


 俺の右手に、禍々しい魔力を放つ槍が現れる。


「何、何それ!?凄い槍だ!!!」

 はしゃぐ糞餓鬼。


 俺は、ニヤリと笑う。


「何が面白い?狂った、狂ったんでしょ!!!!」


「餓鬼の遊びは終わりだ・・・今から、俺の独壇場だ!!!!!」

 俺は糞餓鬼に向かって走り出す。


「猪突猛進の馬鹿、馬鹿野郎だ!!!死ね!死ね!!!」

 叫びながら、糞餓鬼は俺に『雷神雷槍』を突き出す。


 俺は持つ『殲滅魔槍』とぶつかる。


 すると、


ドゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!


 爆発。

 爆発したのは、

「ギャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」


 糞餓鬼が持っていた『雷神雷槍』

 『雷神雷槍』が爆発して、糞餓鬼の右腕が吹き飛ぶ。


 糞餓鬼は失った右腕の付け根を押さえで叫ぶ。

「何で!!何で!!!!何で!!!!!!!!!!!」


「何が何でだ。テメェーが持つ槍が、俺の持つ最強の槍だとも思ったのか?」

 俺は唾を吐きながら言う。


 それを聞いた糞餓鬼は、笑みを浮かべる。

「そうか、そうか・・・・今お前の持っているのが最強か!!!!!」


 そう叫び、糞餓鬼の左手に俺の持つ『殲滅魔槍』と瓜二つの槍が現れる。


「キャハハハ!!!!これで、これで僕も最強の武器を手に入れた!!!!馬鹿な人間だ!!コピーされると解っているのに、僕の目の前に露わにするなんて!!!馬鹿、馬鹿野郎だよ!!!!」


 そう狂った様に叫ぶ糞餓鬼を、俺は冷めた目で見る。


「何だ?死、死を確信したか!?そうだよ!!死ぬんだお前は!!!!!お前―――ガハッ!!!!・・・・えっ?」

 糞餓鬼は、喋っている途中で口から大量の血を吐き出す。

 意味が解らず、混乱する糞餓鬼。


「何で?何で?口、口からどうして血が?どうして、どうして?」


ツゥ――――・・・。


 糞餓鬼の眼、鼻、耳から血が流れ出る。

「えっ!?何で?何で?」


 混乱する糞餓鬼。


「お前がコピーした槍・・・・どんな槍か解るか?」

 そう俺が尋ねても、糞餓鬼は混乱して聞いていない。


 だが、俺は聞かせる様に話す。

「この『殲滅魔槍』は、俺の創造魔法の槍の中でも三本の指に入る程だ。だが、コイツはリスクが有りすぎる、この槍はな・・・持ち主を壊すんだよ」

 俺はニヤリと笑って言う。


 未だに糞餓鬼は混乱している。


 俺は一歩ずつ糞餓鬼に近づく。

「お前のその様子だと、武器が持つ性質までもコピーする様だ。今更消しても駄目だぜ?この槍は気まぐれなんだ、一瞬だろうと永遠だろうと、食らうダメージは変わらない。それに、どれだけのダメージを負おうのかも解らない。切り傷程度かもしれなし、いきなり体内が爆発かもしれない。どうやらお前は・・・・今挙げた例の後者の様だな」


 すると、糞餓鬼の体が此方を見る。

「たす・・・助けて・・・」


 無様だ。

「見ててやるから、死ね」


「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」

 槍を捨てて走り出す糞餓鬼。


 すると、


ドゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!


 糞餓鬼が盛大に花火を打ち上げた。赤一色の、臓器まみれの花火を。


 俺はその場に座って、『殲滅魔槍』を消す。

 どうやら、今回は運が良かったらしい。


 左腕の感覚が無くなった程度だ。


「ティハッハハ!!中々の戦いだったな?槍使い!!!」

 いきなり声を掛けられた。


「誰だ?」

 俺はその声をした方を見る。


 赤髪短髪のピアスやアクセを大量に付けた男が此方に歩いて来る。

「そう警戒すんなや!!サヤが召喚した神だぜ?」


「それじゃ、お前が・・・・そうか、助かった」

 このまま悪魔に襲われたら流石にキツイ。


「ティハッハハ!!面白い武器を使うじゃねーか!!!最後はまた、えげつない」

 そう良いながら煙を吐き出す。


「煙草持ってるのか?」

 俺は男に尋ねる。


「あぁ?持ってるぜ。吸うか?」

 男は胸ポケットから小さなケースを取り出して、俺に寄こす。


 俺は煙草を咥える。

 すると、男は手人差し指から火を作り、俺の目の前に出す。


 俺はその火で煙草を点け、煙を吐く。

「ふぅー・・・疲れた」


「ティハッハハ!!今回は敵との相性が悪かったな!!!!」

 そう言って笑う男。


「アンタ名前は?」

 俺は煙を吐きながら尋ねる。


「モートだ!!死の神だぜ?」

 そう言ってニヤリと笑うモート。


「お前とも戦ってみてぇーな」


「いつでもこいや。フルボッコにしてやるからよ!!!」

 そう言って笑うモート。


 俺は煙を吐きながら、もう少し修行してから挑もうと思った。



 Side=バティフォーリ=ケスティマ∥Out





















 Side=カロナス=ナイハ∥Beginning∥『Reload』



「ハハッハハハ!!!どうした?これぐらいでダウンか?もっと楽しませろ!!!」

 叫びながら、オリアスは名も無き魔弾を放つ。


「貴様の魔力は相変わらずの量だな!!!」

 私はそれを回避しながら叫ぶ。


 サヤ程ではないが、かなりの魔力量だ。


「それは褒めてるのかし、ら!!!!!!」

 大量の魔弾を放つ。


「『怒りを響かせ―――包むのではなく―――飲み込め―――標的は1人―――残すのは大地のみ!!!『流水の理』』」

 私の右手から大量の水が放たれ、魔弾を消し飛ばす。


「流石だね!!!・・・と、言いたいけど。その右手に刻まれた刺青は何だ?」

 オリアスが私の右腕を指しながら尋ねる。


「封印の刺青だ・・・魔法を使う度に光り輝くけどね」

 私は微笑みながら言う。


「私はそんな事を聞いているんじゃない!!!私の腕に何を刻んでいるのかと聞いているんだよ!!!!」

 怒鳴るオリアス。

 殺気が充満する。濃く、鋭い殺気。


「押さえ込む為には刻むしかなかったのさ」


「押さえ込む?私から腕を奪っておいて・・・それを押さえ込む?」

 オリアスの表情が硬くなっていく。


「貴様にはもう腕があるだろ?どうしてこの腕に拘る?」

 そう私が尋ねると、オリアスは怒鳴った。


「これは作り物さ!!!私が求めているのは自分の腕!!!だが、アンタが私の腕を使っているのなら、それはそれで我慢出来たさ!!!だけど、アンタは私から腕を奪って、それを喰らって・・・・何故それを押さえ込む!!!私の何が不満だ!!!それ程に悪魔が憎いのか!!!!!」


 叫ぶオリアス。自分で何を言っているのかも解らない程に、感情的になっている。

「悪魔は憎んではいない。嫌いだがな。この腕は・・・そう『探求する殺戮者』と呼ばれていた頃の私がやった、過ちだ」

 私は右腕を押さえながら言う。


「使い道が無いって言うのか・・・・そうか。今回はアンタと踊るつもりだったけど、こっから先は・・・只の虐殺に変わるぞ!!!!!!!!!!」


 叫び、先程の比ではない程の殺気を放つ。


「くっ!!!」

 流石にこれは。


「死にたくなければ、私に私の腕の力を見せな!!!さもないと・・・何もせずに死ぬぞ!!!!!!!!!!!!!」


 オリアスが名も無き魔弾を大量に放つ。


「くっ!!!」

 私が詠唱しようとした瞬間、オリアスが私の後ろに現れる。


「死にな!!!!!!」

 オリアスは持っていた剣で私の背中を切り裂く。


「ガハッ!!!!!!!!」

 私はオリアスから逃げる様に距離を取る。


 だが、私の頭上から魔弾が降り注ぐ。


ドゴンッドゴンッドゴンッドゴンッドゴンッ!!!!!!!!!!!!


「ぐあああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 直撃。


「解放しな!!!そうすれば、五分ぐらいにはなるだろうさ!!!!!」

 オリアスは叫びながら魔弾を放つ。


 私は容赦無い攻撃に晒されながらも、解放はしない。


 その姿を見て、オリアスは叫ぶ。

「どうして!!!どうして!!!!何故私を拒む!!!!!何の為に私の腕を奪った!!!何の為に私の腕を喰らった!!!!その腕はただの飾りか!!!!!」


 魔弾が止む。


 私は、静かに膝から崩れる。


「くはっ・・・・ガハッ!!!!!!」

 口から大量の血を吐き出す。


「・・・・ちっぽけなプライドで、死ぬのか?」

 オリアスは静かに尋ねる。だが、その言葉には殺気が篭められている。


「グハッ・・・・プライドだね・・・・ホント、ちっぽけな・・・・でも・・・これはもう使わないと・・・・誓った・・・」

 血反吐を吐きながら言う。


「なら・・・返してもらうよ」

 そう言って、私に近づくオリアス。


「・・・・そう・・・誓った・・・・でも・・・きっと彼は・・・そんな誓いを・・・・ぶち壊す・・・だろう・・・ガハッ、ゲホッ!!・・・ね」


「・・・彼?」

 オリアスが止まり尋ねる。


「あぁ・・・私の・・・友・・・の・・・・サヤなら・・・きっと・・・ぶち壊すだろ・・・うさ・・・・彼は・・・・誰よりも・・・命を奪い・・・・誰よりも・・・命を大切に・・・する・・・だろう・・・・」


「矛盾だな。そんなのは傲慢以外の何者でもない」

 切り捨てるオリアス。


 だが、そんな事は解っている。サヤ自身も解っているだろう。

 でも、だからこそ貫く。


 私の誓いは、『この腕の力で奪わない事』。


「・・・・私は・・奪わない為に・・・この力を封印した・・・けれども・・・今は違う・・・これは・・・守る為に使わせてもらう!!!!!!!!!!」


 私は歯を食いしばり、叫ぶ。それと同時に、右腕に刻まれた刺青が消える。


「なっ!?」

 オリアスは後退しながら驚く。


「刮目しろ!!!!オリアス!!!!これが貴様の腕の・・・私の腕の守る力だ!!!!!!!!!!」


 私は立ち上がり、右手を向ける。

 そして、その右手から名も無き魔弾が放たれる。


「ハハッ・・・そうだよ・・・そうなんだよ!!!!!その腕を使う理由などどうでも良い!!!!私の腕はアンタの腕として生きている!!!!!そうさ、それで十分だ!!!!!私はお前と共に居る!!!!!!使え!!!!!!振るえ!!!!それはアンタの力だ!!!!」


 オリアスは叫びながら魔弾を放つ。


 私の魔弾とオリアスの魔弾が衝突し、相殺し合う。


「私は守るべき者がいる!!!!ここで貴様には退場してもらうぞ!!!!」


「踊ろうじゃないか!!!!この一時を、アンタと私で飾ろうじゃないか!!!!」


 互いに叫びながら、魔弾を放つ。


 その度に、爆発音が鳴り響く。

 何かに共鳴する様に――――・・・・。



 Side=カロナス=ナイハ∥Out







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