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 Side=ラテス∥Beginning∥『Deep dream inside』



 暗闇から一変。何処までも広がる草原に私は立っていた。


 一体・・・?

 私の頭では、この不可思議な現象を理解出来る事はないだろう。


 すると、目の前に光が集まる。


 その光はゆっくりと、形を成していく。


「お父様・・・お母様・・・」


 集まった光が、お父様とお母様になる。

 2人は、微笑みながら私を見る。


 私は、一瞬戸惑った。けれども、逃げる事は出来ない。

「・・・私、お父様とお母様に謝らないといけない事が・・・あります」


 2人は頷く。


「・・・私は、2人が死んだのに・・・生きたいと思っています。2人の屍肉を喰らったのに・・・生きたいと思っています。でも、進んでしまったら私は2人を忘れてしまうかもしれません。それが・・・怖いんです。本当は!!ずっと、ずっとお父様とお母様と一緒に居たい!!!でも、2人はもう居ない・・・手を伸ばしても届かないし、思い出しても帰って来ない・・・それでも、生きたい・・・こんな私を、許じで・・・ぐれまずが?」


 私は、必死に言った。涙で、上手く前が見えない。


 すると―――

 お父様が私の頭を撫でる。

「お・・・父様・・・」


 お母様が私の手を握る。

「お・・・お・・・お母様・・・」


 涙が・・・溢れる。零れ出す。


『ラテス・・・お前の好きなように生きなさい』

 お父様が私の頭を撫でながら言う。


『私達は、ずっと貴女の心に居ますよ』

 お母様が強く私の手を握る。


 ダメだ・・・

「お父様!!お母様!!!」


 私は堪える事が出来ず、2人に抱きつく。


 2人は、私を抱きしめてくれた。

 温かく。包み込んでくれた。


 すると、私の体が光に包まれて行く。

 私は、涙でぐちゃぐちゃになった顔で必死に笑顔を作って言った。

「行っで・・・ぎま・・・す」


『『行ってらっしゃい』』


 2人は、笑顔で行ってくれた。


 私は・・・進める。


 私は、大きく頷いて言った。

「行ってきます!!!」


 私は、光に包まれ意識を途絶えた。



 Side=ラテス∥Out



















 Side=第三者∥Beginning∥『Deep dream inside』



 2人は、空を見上げていた。

 うっすらと涙を浮かべ。


「自分の娘は強く生きていたか?」

 2人の後ろから、サヤが歩いて来る。


 2人はゆっくり振り返る。


『えぇ・・・子供は知らぬ内に成長するんですね』

 ラテスの父、ラットスが嬉しそうにけれども少し寂しそうに言う。


『でも・・・あの子には辛い思いをさせてしまった・・・』

 ラテスの母、テスティーが俯いて言う。


「今のアイツは幸せだろうさ」

 サヤは空を見上げながら言う。


 2人は、サヤに深々とお辞儀をする。

『『ありがとうございました』』


 サヤは、2人を見ずに空を見上げている。


 テスティーが喋る。

『あの子は、自分で進む事を選びました。過去を選ばず・・・進みました』


 ラットスが喋る。

『貴方のお陰です・・・ありがとう』


 サヤは少し恥ずかしそうに答える。

「全部が全部俺のお陰じゃねぇーさ。ラテスが自分で選んだんだ」


 その言葉に、2人は微笑む。そして、もう一度頭を深々と下げる。

『・・・あの子を、ラテスをよろしくお願いします』

 ラットスが言う。


 その言葉を聞いて、サヤは微笑みながら答える。

「大丈夫だ。今のアイツには味方が沢山居るからさ」


 すると、テスティーが微笑みながら言う。

『貴方に任せたいのですよ?』


「俺は悪人だぜ?」

 サヤは笑いながら言う。


『私達の恩人ですよ』

 ラットスが言う。


 その言葉に、サヤは恥ずかしくなり背を向ける。

 そして、小さく呟く。

「・・・任せろ」


 普通の人間なら聞き取れないが、龍族の耳にはハッキリと聞き取れる。

 2人は、微笑みまたお辞儀をした。


 2人が頭を上げたとき、もうサヤの姿はなかった。


『・・・娘を嫁がせる父親の気持ちが分かったよ』

 ラットスが苦笑しながら言う。


『でも・・・あの人なら大丈夫でしょ?』

 テスティーがラットスの腕に抱きつきながら言う。


『そうだな・・・偉大な自称悪人さんに任せれば・・・な』


『ふふ・・・そうね』


 草原に優しい風が吹く。

 2人は、空を見上げながら微笑んだ―――。



 Side=第三者∥Out
























 Side=ラテス∥Beginning∥『Reload』



 温かい。誰かに頭を撫でられている。

 その手は、凄く安心出来る温かい手。お父様のようだけれど、それとはまた違う温かいい手。


 私は、ゆっくりと瞼を開いた。


「おはよう」

 瞼を開いたら、サヤが居た。


 サヤは私の頭をゆっくりと撫でている。


 私は、恥ずかしくなり手を退かそうとしたが、サヤの顔を見たら何故かこのままでも良いと思った。


 私は、布団で顔半分を隠して言った。

「お・・・おはよう」


 サヤは優しく微笑んだ。


 すると、どうしてそう思ったかは解らないがあの現象はサヤがやったのではないかと思った。

 サヤが、私の為にお父様とお母様に会わしてくれたと。


 確証も無い憶測それでも、多分そうだろう。あんな事・・・『最強を自負する化け物』以外に出来る人はいないのだから。


 すると、サヤが立ち上がった。それと同時に頭から手が離れ、少し残念に思った。


「さて、行くか!!」

 サヤが私を見下ろしながら言う。


「行く?」

 どこに?


「行くよ?」


「どこに?」


「外に」


「何故に?」


「色々あるから」


 そう言って、サヤは私の腕を引っ張って連れて行く。


「そっ、外って言ってもどうして?」

 私は引っ張られながらサヤに尋ねる。


 そして、玄関まで来る。


 すると、サヤが微笑みながら扉を開ける。


「つぅー・・・・」

 眩しい。私は手を翳し光を遮る。

 そして、光に目が慣れてきてゆっくりと翳した手を退ける。すると―――


「え?」


 目の前に広がる光景に、私は困惑していた。


「なに・・・これ?」


 目の前に、『龍族の谷』に住まう全ての龍族が居る。

 皆、膝を付き私を見ている。


「お前の疑惑が晴れた」

 隣で、サヤは言う。


「ど、どうやって!?」

 私はサヤを見上げながら怒鳴り口調で尋ねる。


 サヤは、龍族の皆を見ながら答える。

「真実を話した。それだけだ。嘘は真実の前に消えたって感じか?」


 じゃ・・・私は・・・

 涙が溢れ出す。だが、流れ出す前に拭う。


 すると、誰かが私に向かって歩いて来る。


「・・・・長」

 少し体が強張った。だが、隣に居るサヤのお陰で恐怖は無かった。


 長は、私の目の前に来て膝を付いた。


「なっ!?」

 いきなりの行動で、私は戸惑う。


 すると、長は私を見上げながら口を開く。

「許しを請う事はしない・・・いや、出来ない。我々は罪を犯した。傷付いた傷口を抉るように・・・恨んでくれ。私を殺してくれても構わない。けれども、言わせて欲しい・・・申し訳無かった」


 そう言って、長は膝を付いた体勢のまま頭を下げた。

 長が頭を下げ、それに合わせるように他の龍族の皆も頭を下げる。


 私は、いきなりの状況にまだ思考がついて行けてない。


 すると、サヤが私の背中をポンッ!と押し出した。

 私は振り返りサヤの顔を見る。

 サヤは腕を組みながら微笑んでいる。


 私は、胸の前で一度拳を作り長を見る。


 皆、頭を下げたままでいる。


 私は深く深呼吸して言った。

「私は、大丈夫です。恨んだり殺意を抱いていないと言ったら嘘になるかもしれませんが、確かな気持ちがあります・・・私は、皆と生きたいです!!!!・・・・良いですか?」


 暫くの沈黙。私は、息を吞む。


 すると、

「それでは、俺がお姫様に掛かった呪いを解くとしますか」

 そう言って、サヤが私の側に歩いてきた。


「お姫様!?」

 私は少し顔赤くして尋ねた。


 すると、サヤは詠唱した。


「『答えよ―――主の声に―――姿と癒しの愛を見せよ!!!』」


 白い綺麗な魔方陣が現れる。

 そこから、長い白い髪を靡かせた綺麗な女性が現れる。


「エル!頼んでも良いか?」

 サヤが綺麗な女性に尋ねる。


 綺麗な女性はサヤを見ながら頷き、私に近づく。


「えっ?へ?」

 どうしたら良いか解らず、ただただ間抜けな声を出す私。


 すると、綺麗な女性が声を紡ぐ。


「『罪は―――償う―――闇は―――消え去る―――『聖域干渉』』」


 すると、私の体が光に包まれる。

 光は直ぐに消える。けれども、私は何があったのか解らない。


 サヤを見る。すると、サヤは腕を指さしている。


 私は自分の腕を見る。

「なっ・・・これは・・」


 私は屍肉の副作用で完全な擬態が出来ずにいた。

 けれども、今私の腕は・・・人そのものだった。


 私はサヤを見る。


 すると―――


ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!


 地響きかと言うぐらいの歓声が起きる。

 私は吃驚して辺りを見渡す。


 すると、皆拳を掲げながら喜んでいる。


 そこで、私は緊張の糸が切れてその場に崩れ落ちた。

 受け入れられた。私は、ここで生きて良いのだと。


 ふと、サヤを見る。サヤは綺麗な女の人と話していた。

 私は、小さく呟く。


「―――ありがと」


 私は泣きながら笑みを浮かべ、笑った。



 Side=ラテス∥Out


























 Side=サヤ∥Beginning∥『Reload』



 どんちゃん騒ぎだ。

 広場で龍族達がお祭り騒ぎをしている。


 ラテスへの疑いが晴れ、何かの重荷が取れたのだろう。

 龍族は堅物の集団だと思ったが、あの騒ぎようを見たらそんな考えは吹っ飛んだ。


 俺もそれに参加していたのだが、テンションに着いて行けなく抜け出した。

 今俺は、闘技場で無残に死んだドラゴンの亡骸を見ていた。


「銅像にでもしますか?その龍」


 後ろからカロが冗談を言いながらやってくる。


 俺は振り返らずに尋ねる。

「タイトルは?」


 カロは、俺の横で止まって答える。

「末路」


 黒いなぁ~。俺は思わず思った。

 最近カロが黒くなってきている。怖いです。


「貴方は本当に優しいですね」

 不意にカロは言う。


「は?俺が?」

 俺はカロを見ながら言う。


 すると、カロはクスクスと笑い、俺を見ながら言う。

「えぇー貴方がです。ラテスちゃんをご両親に会わせ、呪いを解いてあげました」


 後者はともかく、前者までもバレていたのか。

 コイツにバレるのが嫌で黙っていたのだが・・・。


「気まぐれだ」

 俺はカロから視線を外しながら言う。


「本当。貴方と一緒に居れば退屈しそうにありません」


「死ぬ確率は上がるけどな」


「簡単には死にませんよ?」


「簡単に捕まったのは誰だよ」


「それはあまり言って欲しくありませんね。まぁ、転送で消費した魔力が回復してない・・・とでも言っておきます」


「そう言う事にしといてやるよ」


「えぇ。そうしていただけると助かります」



 暫くカロと他愛も無い話をしながら、闘技場を後にした。


 どんちゃん騒ぎは、日が昇るまで続いた。

















 んで、翌日。

 只今ラテスに説明中です。カロが。デジャヴだよね。


 だって俺に説明する能力が備わって無いんだもん。


 まぁ、説明内容はどうやって疑いを晴らしたかだ。


「処刑したって!!どうやって?」

 ラテスがカロに尋ねる。


 何を尋ねたかって言うと、ガスーパは処刑前に俺が殺したのに、何で処刑の時に生きていたのか?と言う事だ。

 てか、俺が殺したと聞いた時のラテスの俺への目が怖かった。「何やってんねん!」的な目だった。


「それはですね。私が変装していました」

 カロがニコニコ微笑みながら答える。


「変装?」


「えぇ。まぁ、理由としてはガスーパ以外にも居ると解ったので、炙り出す為に一芝居打ちました。そして、もう一つの理由はこの茶番を仕組んだ張本人の姿で言った方が、皆さんが信用しやすいのと、処刑シーンを見せて自分達のした事を解らせる。と言った感じですかね」


 何でニコニコしてるの?怖いよ?その笑顔は怖いよ?

 あっ、長も少し震えている。そうだよね。怖いよね。


「でも、処刑を執行したって事は・・・首落としたんだよね?」

 ラテスが尋ねる。


「えぇ、落としました」

 おいおい・・・何故にニコニコスマイル?


「落としましたって!!!じゃあ、どうして今アンタは生きてるの!?」

 当然だよね。その質問。


 少しカロは端折りながら説明している。

 ラテスの驚く顔を見たいが為にだろうけど・・・。


「それはサヤのお陰ですよ」

 そう言ってカロが俺を見る。


 ラテスも俺を見る。「説明しろよ」的な目で。怖いよ。


「あぁー・・・まぁ、簡単に言うと幻覚を見せた」


「幻覚?」


「あぁ。首を落とした様に見せた」

 長が首を落とそうとした瞬間にあの場に居た全ての者に幻覚を掛けた。

 まぁ、俺自体がそれ程幻覚系の魔法が得意ではなかったのでクー爺に手伝ってもらった。


「あり得ない・・・いや、化け物に不可能は無いか・・・」

 そう言ってラテスは勝手に納得する。


 酷いよね。


「んじゃ、次は俺達が尋ねるぞ?」

 サヤは長を見ながら言う。


「解っています」

 長は俺等を見ながら言う。


「簡単に言いますと、ラットスは私の兄です。龍族の長は金龍が務めると決まっています。兄は、先代長に並ぶ程の力を持っていました」


 あんまり似て無かったよなぁ~。

 ラテスの親父は長より老けてなかったし。


 すると、カロが長に尋ねる。

「先代と同じくらいの力を持っていたラットスさんが何故あんな奴に?」


 それは俺も思った。

 それ程の力を持っていた筈なのに、何故に?


「多分ですが、誰かが手を貸したと・・・」


「誰ですか?その誰かと言うのは」


「いえ、それは解りません。ですが、この『龍族の谷』に兄に勝てる者は居ませんでした」


 誰かが手を貸したか・・・まぁ、直ぐには解らない問題だな。


「そうですか。それは追々ですね」

 そう言ってカロはお茶を啜る。


 日本茶みたいな感じのやつ。


「でも、それと同じように長はどうやって洗脳魔法に掛かったの?」

 ラテスがカロに尋ねる。


 ラテスの親父の次が長だからな。敵う奴は居ない筈なのだが、長は洗脳魔法に掛かった。


 カロは微笑みながら答える。

「掛けるのは簡単ですよ?対象の体のどこかに触れれば良いのですから」


「そんな簡単に洗脳魔法が掛かるの?」


 怖いよね。触っただけで操り人形って。


「洗脳魔法にも種類がありますから、多分長が掛かったのは一番簡単な思考を鈍らせるだけの洗脳魔法でしょうね。まぁ、これだけでは洗脳魔法とは言いませんけど」


 そう言って何故か微笑むカロ。

 すると、不意に立ち上がり俺の肩に手を置く。


「ん?」

 俺は置かれた手とカロの顔を交互に見ながら頭の上にクエスチョンマークを浮かべる。


 すると―――

「完全に洗脳する魔法は『掌握し、全ては我の手の上で、疑いもせずに―――』」

「何やっとんねん!!!!!!!!」


 俺は詠唱し始めたカロの手を勢い良く退ける。


「アレ?只の冗談なのに」

 カロはニコニコしながら言う。


 俺は異常な程に汗をかいていた。

 怖いよ。俺、今洗脳されそうになったよ・・・。


 ラテスと長もカロを見て唖然としている。


 やばいな。コイツ・・・。

 俺はカロの抹殺を少し考えた。


 すると、カロは何も無かった様な顔で話始める。

「この様に完全な洗脳魔法でしたら掛けられる前に気付きます。完全な洗脳魔法は普通囚人とかに使うモノですしね」


 その魔法をコイツは俺に使おうとしやがった・・・。


「まぁ、一応は解決でしょうね」

 そう言ってカロはシメようとしやがった。


『我に見せよ―――』


 声!?

 この声は・・・確か此所に突っ込む前に聞こえた・・・。


「ん?どうしたのですか?」

 カロが俺の異変に気付き俺に尋ねる。


「声が・・・聴こえる」

 すると、いきなり体が光り出す。


「なっ!?これは転送魔法!!!!!」

 カロが驚く。


「転――――」

 俺は、長の家から姿を消した。















 気付いたら、俺はどこか解らないだだっ広い所に居た。


「どこ此所?」

 ヤバイ・・・俺迷子だ。この歳になって。


 だだっ広い空間を見渡す。

 天井から光が差している。


 周りは岩の壁。

 『龍族の谷』なのか?


 すると、上から差す光がどんどん小さくなっていく。


 そして、だだっ広い空間の真ん中に光が差し込む。

 スゲェー幻想的なんですけど。


 そこで気付く。光の中にある・・・いや、地面に刺さる何かに。


 差し込む光を反射して、輝くその何か・・・


「刀?」


 そう。地面に突き刺さり、光を浴びているのはまさしく刀。


 俺はゆっくりと刀に近づく。


『求める者よ―――何を求める』


 声が響く。この声は・・・

「お前の声か?」


 俺は刀に向かって言う。


『求める者よ―――何を求める』


 声は同じ言葉を繰り返す。


「・・・特に無いが、敢えて言うなら貫く力が欲しい」

 俺は刀に近づきながら答える。


『修羅の道か―――邪の道―――貴殿はどの道を進む』


「ハッ!決まった道を進む程優等生じゃないんだよ!」


『ならば―――貴殿はどの道を進む』


 決まっている・・・。

「俺と・・・俺に着いて来る者の為の道だよ」


『―――貴殿になら―――託せる―――我を』


 俺は、刀の前で止まる。手を伸ばせば刀に触れる程の距離。

「お前を使って良いのか?」


『―――ただし―――貴殿が道を踏み外せば―――我は貴殿を殺そう』


 俺は鼻で笑って言う。

「その時は頼もう」


 俺は、突き刺さる刀を握る。その瞬間、俺の体がまた光る。


 俺は刀を抜く。そして、尋ねる。

「お前の名前なんて言うんだ?」


 刀は光を浴びながら答える。

『我は―――『仙牙龍刀』―――唯一無二の―――牙を持つ者』


 大層な名前だ。

「・・・俺がお前を使うよ」


 光が俺は包み、俺は二度目の転送を経験した。


 ・・・酔いそう。



 Side=サヤ∥Out












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