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【コミック二巻4月15日発売!】奴隷に鍛えられる異世界生活【3000万pv突破!】  作者: 路地裏の茶屋
第十三章:海と船乗りと転移者編

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第五百十三話:鉄鱗海賊団

※※※※※


 真也に【赫竜皇】のことを伝えたグバは、その足で冒険者ギルド兄弟船フルフラトから出て、港近くの酒場を訪れていた。その巨体が座れる特別な椅子に腰かけると店の奥から一人の女性が現れる。身に着けているのは胸布と下着に腰布を巻いただけの煽情的な踊り子の格好であった。そのマーマンが酒とパイナップルに似た外皮に棘を持つ果物を机に置いて横に座る。その腰布から大胆に覗く太ももには鮫が口を開けたような奴隷紋が浮かび上がっている。


「他の奴らはまだ来てねぇのかぁ!」


「カシラ、声が大きいよ。耳が痛いさ、皆昨日の後始末だよ。特に……街に入り込んだ【信奉者】が騒がしいのさ。アイツ等、アタシらの商売の邪魔するんだよ。カシラが喧嘩に明け暮れるから皆、外で頑張ってんのさ」


「主人が貴族共相手を相手にしたってのに、可愛くねぇ奴隷共だ。グアハハ」


 機嫌よく豪快に皮ごと果実に噛みつき酒を煽る。マーマンの女性が自分で咥えて火を着けた葉巻を差し出し、グバがそれを受け取り一吸いで最後まで吸い切って、大量の紫煙を吐き出した。


「……楽しそうだね。浮島の貴族共に絞られてるのかと思ったけどね。あたしも酒飲んでいいかい?」


「おおう、飲め飲め、今日はいくら飲んでもいいぞぉ。おい、もっと酒のアテを持ってこい! 甘くて固いやつだ! ガライヨ、酒を飲んだら踊れ。『竜炎のドラコ・フラジーバ』が見たいぞ」


「まだ昼だよ? 踊りは月夜と相場が決まってるさ。おっと、他の奴らも戻って来たね」


 注文せずともカウンターから突き出された巨大な金属製のジョッキを細腕で持ち上げ、ガライヨと呼ばれるマーマンの女性は酒を豪快に飲み始める。それは飲むというより樽に酒を注ぐような乱雑なものだ。そうしているうちにも筋骨隆々の上裸のマーマンの男達が次々と酒場に入って来る。総勢で15人ほどのマーマンが酒場を占拠する。


「カシラぁ。戻って来たんですかい。さっさとあの【英雄】とりましょうや! 腕が疼いていけねぇ! 昨日はブラン・ロゼの女子供に譲ったんだ。今日は俺達だ!」


「何酒飲んでんすか! 昨日はあれだけ【英雄】を見極めるって息巻いてたのに!」


 果実に被りつきながら酒を飲むグバに奴隷紋をつけたマーマン達が詰め寄ると、グバはそれを手で静止して巨大なジョッキを乱暴に机に置いた。その音で全員が黙る。


「……話が変わったぁ。【死線】と戦るのは今じゃねぇ。もっといい舞台が用意される。餌は撒いて来た。あいつは必ず食いつくだろうよ」


 そう言ってグバはズボンに手を突っ込むと明らかにそこには入らないであろう大きな革袋が取り出される。それを机へ投げると中からは金貨が零れた。目を輝かせたガライヨが優雅な仕草で一枚の金貨を拾い上げてキスをする。


「本物だね……カシラ。浮島で貴族に昨日の騒ぎを説明するなんて大噓ついて仕事貰って来たのかい?」


「嘘だと? 俺ぁ、嘘は大嫌いだ。偽りなく騒ぎの原因を浮島の馬鹿共に説明したさ。【竜の後継】が伝説のエルフと一緒に来たってな! グハハハハハハ。アイツ等の顔、見ものだったぜ! 一番望んで、一番恐れた存在が向こうから来ちまった! すぐに金庫から金を出して俺に押し付けた。『赫竜の宝』を手に入れろとな! 【血霧】の奴も珍しく動いてる。王族も、他の【転移者】も、恐ろしい魔王達も、たった一日でこの街の全てが静かに動き始めた。匂って来たか? 湿気を孕んだいい匂いだ。嵐の匂いだ」

 

 グバの嗤いに釣られて他のマーマンも獰猛な笑みを浮かべ始める。


「カシラぁ。賊をやってた時の顔になってますぜ」


「カタギの顔じゃねぇなぁ。【血霧】の姉さんに殺されますぜ。俺達ゃ今や真面目な冒険者なんですから」


 嗜めるような言葉とは正反対の表情で彼等は次々に酒瓶やジョッキを持ち上げた。

 それを見てグバは立ち上がりガライヨが新たに酒をなみなみと注いだジョッキを持ち上げる。


「俺達は俺達だ『鉄鱗海賊団』! 金と、戦いと、船出に!」


「「「金と、戦いと、船出に!」」」


「乾杯だぁ!! グワハハハハハッハ」


「「「乾杯っ!」」」


 奴隷紋をつけたマーマン達による酒盛りが盛大に始まり、すぐに腕相撲や飲み比べと言ったことが酒場のあちこちで始まる。グバは酒を飲みながら横に侍らせたガライヨのヒレ耳に顔を寄せる。


「【死線】のやつが【死霊術士】のガキを連れていたぞぉ」


 ガライヨは目を細め、口元に指を置いた。


「……へぇ、親にも霊にも殺されていないなんて珍しいね。夜は警戒が必要そう?」


「いらん。とんでもない護符を身につけている。俺はガキには興味はない。後は好きにしろ」


「ありがとカシラ……これも因果かしら」


 そう言ってガライヨは胸布に仕込まれたアイテムボックスから灯のついていないランタンを取り出して、グバにしなだれながらそれを掲げたのだった。

ポカルが普通に身に着けていますが、フクちゃんの聖糸で編み込んで叶さんが祝福した護符は普通に最上級品の装備だったりします。


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― 新着の感想 ―
豪快なキャラ良いですね♪俺は何者にも屈しねぇ!いう事聞かせたけりゃ俺を倒して見ろっ!ってな感じがして今まで居そうで居なかったのでどんな風に暴れるのかとても楽しみです(*^^*)
奴隷を配下にしたライバル?って珍しいですね 今までは転生者の一部しか奴隷を使っていなかったのに しかしポカルに手を出すのは止めた方が良いと思う それやったらヨシイ君が激怒するよ
不穏な空気はあるんだけど主人公一行が頼りになり過ぎて全く不安にならないwww
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