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0-3 プロローグ

本日二本目です。

よろしくお願いします。

 トーニ教国、教会本部の聖殿にて出産の儀が行われていた。普通この聖殿は出産などに使われることはない。では、なぜここで出産に儀がとり行われているのであろうか。その説明のためには少々時を遡らなくてはならない。


 遡ること9ヶ月前、教会の神降ろしの巫女のもとにお告げがおりたのである。

お告げの内容はというと、


「これより9ヶ月後この地に勇者の才を持つ子が生まれる。そのものは、ここより北にある小さな村の年若い黒髪の女と黒髪の男のもとに生まれるだろう。そのものは来たるべき時、終焉を告げるものの表れの時、この世を照らす最後の希望となるだろう。されど、その時が来るまでそのものの存在を知られてはならぬ。魔の者に気取られれば最後この世界の命運は尽きることとなるだろう。我が愛しい子らよこのこと夢々忘れてはならぬ。」


というものである。

 それから、教会はお告げの通りにその赤子を身ごもっているだろう女を探した。黒髪はこの国においては珍しく年若い夫婦で教会本部より北の小さな村の者となると発見は容易であった。教会の者達はすぐさま夫婦を教会本部に保護した。


ここで、冒頭に戻る。そうまさに今、予言のこの出産が行われているのだ。出産は難産でもう数時間もの間母は闘っている。そして、今やっと赤ん坊が顔を出した。そこからはあっという間であった。


「おおぎゃあああぁぁぁぁあああ!!」


 元気な男の子が大きな産声を上げた。母は体力の限界を迎えたらしく生まれてきた子の元気な姿を一目見るとそのまま意識を失ってしまった。父はずっと妻の手を握っていたが、子が生まれた時には号泣し、妻が意識を失った際には慌てふためいていた。

 教会の幹部たちは、出産後すぐに勇者認定の儀を赤子に行った。と言っても洗礼をするだけである。


赤子は布で包まれて神の像の下に寝かされた。その赤子に対して、教会の最高司祭が洗礼の儀を執り行った。 


「ここに、神より授かりし勇者に洗礼を与える。」


そう言って最高司祭は、台座の上においてあった聖杯に入っていた聖水を一雫赤子にかけた。


この赤子は、名を「ナマケ」と後日両親に名付けられた。

両親曰く、「勇者という責務に潰されそうになった時、我が子が折れぬように柔らかにいられるように少し怠けるくらいでいて欲しい。」という意味を込めたそうである。


 この日よりナマケは人里離れた山の中で17年の月日を過ごす。その中でナマケは言葉や算術、武術に魔術の訓練を施されながら生活をした。彼が17歳の誕生日を迎えたその日に事件は起こった。

魔王ロクブンダの誕生である。この日より彼は、勇者の道を歩むこととなる。その道は辛く険しく理不尽だ。しかし、彼は自らの大切なもの達を守るために勇者の道を進むのである。

お読みいただきありがとうございました。


次回よりストーリー始まります。気になった方はよろしくお願いします。

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