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Toy ガンナー  作者: チョーゆんふぁ
第二章 別世界の入口
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僕の1日

この世界というか星はフィヨルディアと言うらしい

空と海の間という意味だ

この世界にはまだ僕らがいる大地が球形の星だという概念はなく永遠に続く空と無限の海に浮かんだ島で暮らしていて、海のなかで大地をさ支える海神が力尽きてしまった時、大地は海に沈み我々は皆溺れ死ぬと云われている。

過去にも様々な宗教がこぞって巨大な船を造り世界の終末を生き残ろうと民衆に説いた。

最近では大地の方が無限であり海は巨大な水溜まりだという学者が現れだし世論を二分している。

昔から海が無限だといわれてきた民衆にとって信じがたい説だが海神が力尽きて世界が滅ぶより大地が無限のほうが安心だということで、大地無限説は少しずつさ浸透してきている。


そのフィヨルディアに来て80日目の朝を迎えた。

辺りが明るくなると自然と起きるようになった。

冷たい泉の水で顔を洗いアポーツした歯みがきセットて朝の身仕度をする。

じいちゃんが使役する鳥やリスなどに集めさせた木の実や豆で朝食を済ませることから僕の1日が始まる。


テレビもインターネットもないじいちゃんと二人ぼっちのこの世界では日の出で目覚め、日が暮れたら寝る規則正しい健康的な生活を送っている。

正直なとこ人恋しくて夜中に目が覚めることもある。

それもあと少しで終わりとなるだろう。


じいちゃんの日常会話講習もほとんど合格点をとり、今は魔法の修行と剣の使い方をメインとなっている。


剣はじいちゃんが剣道をやっていたので基本の型と足さばき後は体力作りのための素振りと走り込みをしている。組稽古はさすがにやる相手がいなかったので太い棒を地面に立てて示現流みたくひたすら打ち込むことで修行を行った。

二十代半ばまで若返っていなかったら体が出来る前に壊してたかもしれない。

太陽が頭上に来たら昼飯だ。

運動して腹の減った体に木の実だけじゃ物足りないので、泉に行き釣具をアポーツ。僕以外釣りをする者がいない泉の魚は肥えているうえにルアーに対してスレてもいないからその気になればジャンジャン釣れる。食べるのは僕一人だし泉を荒らすつもりもないから昼と夜用に4,5匹釣ったらやめておく。

アウトドアツールのブラストマッチで火種を作りの落葉や枯れ枝をいれたキャンプ用のグリルに火をいれる。あとは金網に鱗をとって腸を抜いた魚を載せて待つだけだ。

焼き上がりを待ってる間にエアガンを取り出す。

森の木を撃つとトレントであるじいちゃんに怒られるので木に吊るしたネットにターゲットペーパーをクリップで貼り付け簡易シューティングレンジを作ったのだ。

先ずは10メートル程の距離の的にハンドガンで1マガジンずつ慎重にしっかりと狙って、シュート。何丁か銃を変えながら撃ったら、次はライフルで20メートル先の的を狙う。

ライフルというだけで気分はスナイパー、息を整えて精神を集中する。そして息を殺し引き金をそっと搾るように、パン。

的の中央からわずかに逸れたが屋外なら上出来だろう

そのあと数発撃っておしまい。

ターゲットペーパーも弾も補充が出来ないから大切に使わないと

特にガスガンのガスがあと2本半ぐらいしか残ってない。

リキッドチャージするタイプ、つまり本体やマガジンにガスのタンクがあるタイプは専用のガス缶が無くなると使用できなくなる。電動式のエアガンはとっくにバッテリーがあがってしまい使えなくなった。

残りはガスも電気も使わない単発のエアコッキングタイプと、かなり古い型のエアボンベをホースで繋いで撃つ、僕らの世代だと骨董品ともいえるエアガンしか気軽に使える物がない。

昔でっかいボンベを背負ってサバイバルゲームをしていたものだ。時代とともに電動式やリキッドチャージ式など便利で見た目もカッコいいのが発売され廃れてしまったエアガンだが処分するのが惜しくてとっておいたんだけど、それをまた背負うことになるとはおもわなかった。


魚が焼けるいい臭いがしてきた。そろそろ頃合いかな

昼食タイムになる。

塩や胡椒といった調味料は日本で始末してきたからアポーツも出来ない。素材の旨味だけの生活はあきた、日本人なら焼き魚は塩か醤油でしょ

早く人里に出ないとホームシックで耐えられなくなりそうだよ


寂しいけどお腹がふくれたら午後の魔法タイムです


フィヨルディアには水や火や花や石、それこそ森羅万象の精霊がいるんだけどそこに住む住人が使うのはいわゆる四大属性の地水火風とその応用魔法しか使えないらしい。

たまに生まれつき植物を操ったり光を放ったりと四大属性から外れた魔法を使える変わり種扱いされる魔法使いもいるらしいが、先天的な力で後からそうゆう魔法を身につけた人はいないそうだ


「電撃、火球、雷火」

僕は例外らしい、じいちゃん直伝の雷属性、ついでに火属性を絡めて合体魔法だぜ

「さすが我が孫だ」

我ながら天才かも

「で、その雷火とやらはどんな効果があるんだ」

む、そこがこの魔法の最大のポイントだ

「見ればわかるでしょ、雷と火が同時に当たるんだよ」

「そう聞くと凄そうだな」

「そうでしょ、雷に火、1+1は」

「2だな」

「その通り、つまり2倍の攻撃力だ」

「やるじゃないか、その調子で頑張ればいずれは賢者様だな」

はっはっはっ、もっと誉めて

「ちなみに、別々して2発当てるのとどう違うんだ」


「雷と火を合わせる利点は」



「特に無しです」



「地道に精進せよ、バカ孫」

はい



雷と水なら相性ばっちりなのに水属性の才能が僕には無いんだよね、だから雷と火を合体したときはイケるって思ったし、絶対にカッコいいのに雷と火じゃ相乗効果は無いんだよね

合体魔法のロマンがじいちゃんには分からないんだよ

「まだ妙なこと考えてるのか、そんなもんより何時でもとっさに魔法をうてるように地道な練習がだいじだぞ、素振りと同じだ」

「それは分かるけど、ただでさえ魔力が弱いんだから強敵に会ったときの必殺技とかも必要なんだよ」

「その魔力で必殺出来るのはその辺の草むらにいる虫くらいだ、強敵にあったら砂でもぶっかけて逃げることでも考えておけ」

冒険に強敵はつきものじゃん、男のロマンだよ。そのためにこの世界に来たんだから

「だったら戦術でも考えたらどうだ」

戦術?

「弱くても草の魔法が使えるんだから蔓で身動きを封じてから電撃をドカンとか」

コンボか、パワーがだめならテクニック。格ゲーみたいだね、格ゲーは苦手だったけど

「弱い者には弱い者の戦いかたがあるだろ」

「弱い、弱い、ゆーなよ。気にしてるんだからって、それだ」

今ピンと来たよ。弱攻撃連打のは必殺コンボ


剣の打ち込み用の棒を的に

「巻き蔓、巻き蔓、葉隠し」

僕の声に応えるように足元に生えている草がにょきにょき伸びて蔓のように棒をグルグル巻きにする、さらに蔓から葉が生えて完全に覆い尽くす。

「仕上げに雷火」

たいして意味の無い魔法と思っていたけど弱攻撃コンボで気がついたんだ、雷属性は一瞬だかスタン効果があるし火球も単体よりスピードが上がってる気がする。つまり速くなった火の魔法に麻痺攻撃が付加されているわけだ

その雷火が草の塊になった棒を直撃する。

「これぞ必殺コンボ火炎地獄」

ゴウゴウと燃え上がり離れたとこにいた僕まで炙られそうだ

「見たかじいちゃん、葉っぱで瞬時に火力を上げて全身に絡みついた蔓自体が燃えているから炎からは逃げられない、まさに敵は火だるまだ。かっかっかー」

火の粉が舞い散るなかで高笑いを続ける孫に祖父は樹液をタラリと流していた。

「我が孫ながら木の精霊の天敵じゃ、下手な上級魔法より残虐な魔法だ。食らえば生き地獄」

「これに風属性の魔法をたしたらパーフェクトだな」

「お前に風属性が使えないのは神様の慈悲だよ」


「必殺技は出来たからもういいだろ、それより魔力の操作から発動まで時間がかかりすぎだ。もっとスッ、パッとやらないと隙をつかれるぞ。スッ、パッだ」

「さじいちゃんミスターみたいだぞ、あそこのチームは嫌いなんだろ」

「チームとオーナーは嫌いだけど、ミスターは別に嫌いじゃない。それよりスッ、パッだ。最終目標はスパだぞ、スパ」

「魔法の星は目指す気ないからね」

「ぐだぐだ言ってないで練習だ」

はいはい

「はいは一回、真面目にやらないと旅立ちはどんどん延期するからな」

「サー、イエス、サー」



こうして午後の修行は進み日は暮れていく


日が沈むと昼間のうちに充電しておいたソーラーパネル付きのLEDランタンをつけて夕飯を食べる。

インスタントラーメンが恋しい


食後は歯を磨く、この世界の歯医者さんが患者に優しい治療をしてくれるなんて期待はしていない

そのあとは日本からアポーツしておいた雑誌やマンガを2,3時間読み眠りにつく


今日は必殺技の完成というイベントがあったが、こんな感じの1日を繰り返している

初めの頃は僕の上達によろこんでいたじいちゃんだが、最近は喜びながらもどこか寂しそうだ

冒険の旅はもうすぐそこまで来ている

この世界に喚んでくれてありがとう、じいちゃん


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