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Toy ガンナー  作者: チョーゆんふぁ
第三章 ハンター編
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僕は悪くないよね

ダニロさんが受けたイノシシの魔獣退治のために半日かけてやって来ましたとある村。

この村は以前にトカゲ退治の時にも来たことがあった。

その時、この村の大切な水場を占拠していたトカゲの群れを1日で全滅させたことで僕達は信頼されていた。

それもあって到着したとたん村人達から大歓迎をうけた。

まだなにもしていないのに村長からお礼の言葉をもらい食べ物や酒でもてなされて、こうゆうのって何だかくすぐったいよね。


宴席の場で僕は隣にきた村長に質問してみた。

「イノシシの魔獣ってどんな化けもんなんですか」

今までみた魔獣はどれも大きくて皮が硬いとかなんだけど、今回はどうなんだろう。

「牛ぐらい大きいイノシシなんじゃ」

「とにかくでかいんだ」

「化けもんなのよ」

村長だけでなく近くにいた村人まで口々に大きさを強調する。

「銀城、イノシシは旨いんだぞ。そんだけでかけりゃ喰いでがあるぜ」

うちの食欲魔神がまた吠えてる。

「でかいだけのイノシシなんて俺達の敵じゃないぜ」

「さっそく今晩から畑で見張りをさせてもらいます。数日中にかたはつきますよ」

ダニロさんとマギさんは余裕ですね。


こうして腹一杯もてなしていただき村人達は解散となった。

昼間は農作業で人の目は足りてるので僕達は村長の家で仮眠をとらせてもらいました。


夕方になって起きると徹夜の見張りに備えてしっかり食事をとり、畑に面した馬屋で張り込みを開始する。

最初はマギさんが馬屋の換気窓で見張りをする。僕達三人は奥でランプを囲みながら雑談をする。

「臭いですね」

思った以上に臭いがキツイよ。

「長期戦になるから嫌でもなれるさ」

「俺んちは馬牛豚を飼ってたからな、でも久しぶりだとキツイぜ」

ブロンは村長の息子だったよな、家畜が豊富だとそれはそれで大変なんだね。

「話しは変わるけど今回のイノシシはなんで討伐依頼がでたんですか」

気になるよね、大きくても所詮はイノシシだし普通は猟師の仕事じゃないの。

「でかいからだろ」

「大きいだけなら罠とかでもいいんじゃないですか」

大きい罠とか。

「イノシシは意外と神経質でな、罠を大きくするとすぐにバレて警戒して近づかないんだ。魔獣になってもその性質は変わらない」

なるほど。

「はちあわせすると魔獣らしい獰猛さで襲いかかってくるぞ。あいつら雑食だから人の味を覚えたらあっちゅう間に人喰い専門のイノシシになるぜ」

それじゃ猟師にはきついですね。

「銀城、猪の毛皮はあまり価値がないんだが魔獣となると話は別だ。今回も火の魔法は禁止だからな」

了解っす。

「銀城、焼くなら芯までしっかり焼けよ。また生焼けにしたらぶっ飛ばすからな」

喰うのが前提か、焼いたら売れないだろブロン。

「お前の剣の修行を兼ねてるから草の魔法も禁止」

それは、厳しいですね。


その後、ブロンのゲテモノ喰い話やダニロさんの意外な恋ばなとか聞きながら何事もなく夜は明けた。

話が盛り上がりすぎて誰もマギさんと見張りを代わらなかったせいか、明け方のマギさんは誰とも目を合わせてくれなかった。


ごめんなさい。




二日目の昼、僕はブロンと村の近くにある泉にきた。

トカゲ退治の際に泉に電撃をバシバシ撃ち込んで魚がプカプカ浮いていたから気になってたんだよね。

見たところ異常は無さそうだ。

調査を兼ねて魚を釣るぞ。

水辺の土をサバイバルナイフでほじくりかえしてエサにするミミズを集める。

このサバイバルナイフだけど前にカマキリの外殻を切り出して刃が丸くなってしまったのを武器屋で研いでもらったのだ。

せっかく研いだのに最初の仕事が土掘りなんて、すみませんね。

今度スコップかシャベルでも買おう。


気を取り直し釣竿と仕掛けをアポーツして準備をしたら針にミミズを刺して泉に垂らした。


あとは静かに待つだけだ。


「なんだ、その釣竿」

レジャー用に買ったゴーキュッパの釣りセットです。

「なんで竿に糸巻きがついてるんだよ」

これはリールというものだ。

「釣竿って普通は竿の先に糸を結ぶもんだろ。輪っかに糸を通しただけじゃ釣れても糸が引き抜かれてダメじゃねえか」

ちゃんとドラグがかかってるし、ハンドルを回せば巻き取れるから。

「糸巻きからカリカリ音がしてるぞ、どうなってんだ」

「うっさい、そこまで知るかよ。黙ってみとけ」




ピクン、ピクンと竿先がしなる。

「おい、釣れてるぞ」

「あせるな、ブロン。まだだ、我慢だぞ」

ピクン、ピクン。

「今だ、上げろ」

「まだまだ」

グググっと引き込まれる手応えがきた。

「きたー」

シュバッと竿を立てる。久しぶりの魚だよ。

あまり暴れずにすんなりと釣り上がったのは25センチ程のイワナかマスのようなタイプの川魚だった。

日本では海釣り公園でイワシやアジとかしか釣ったことがないから種類がわからない。

「ブロン、これなんて魚?」

「名前なんて知らん。だが喰ったことはある」

そう言ってたき火の準備を始めた。

毒のある川魚って向こうの世界でも聞いたこと無いしマスっぽいから大丈夫か。

「銀城、ジャンジャン釣れよ。ダニロ達に土産にするからな」

「まかせなさい」

一投目でかかったな、釣りに来る人がいないのか魚がスレてないようだし期待できるな。


しばらくして二匹目が釣れた。

「ブロン、釣れたぞ」

よっしゃ、と小さくガッツポーズをとり、僕は釣れた魚を持って火の番をしているブロンへ振り返ると。

「おい」

やりやがったなコイツ。

「うめー、塩ふっただけでうめー」

串刺しになってチラリと焦げ目のついた魚を頬張ってやがった。

「おまえ、人が釣った獲物を断りもなしに喰ったな」

「ほっといたら黒焦げになるだろ。勿体ないから食ってやったんだよ」

このやろう。

「火から離せばいいだろ」

「そうだったな、次からそうするぜ。うめー、はらわたの苦味も旨いですな」

げっ、はらわたって中身はミミズだぞ。鮎じゃないんだからわたはとれよ。

「その一匹はくれてやるからブロンは火の番だけしてくれ」


二匹目以降の魚は釣り上げる端からサバイバルナイフを使い僕が責任もって腸抜きと鱗を取りました。


まだまだ日は高いが魚を10匹焼いたところで僕らは村に帰ることにした。

帰り道、ブロンは森でのハンター心得や武勇伝を沢山聞かせてくれた。


村に着きダニロさんとマギさんに焼き魚を渡すと旨い旨いと喜んで食べてくれた。余ったぶんは村長さんにおすそわけしたらやっぱり喜んでくれた。




そしてその晩、イノシシは出なかったがブロンが腹を下した。


懲りねえな、ブロン。



毎年この時期にノロにやられます。

帰宅時に手洗い除菌をおすすめします。


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