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Toy ガンナー  作者: チョーゆんふぁ
第一章 日本編
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ゲームは楽しく真剣に



銃声の響くなかを森を駆け抜ける。

手にはずっしりとした存在感あふれるドイツの名銃モーゼル98k、ボルトアクションゆえにスナイパーライフルとして愛用している。

右太もものホルスターにはベレッタM93R、左はSIGのP226。

見る人がみたら統一感の無さと無意味な重装備に苦笑いするだろう。

けど、全てを統制された部隊ならともかく僕らみたいな個々の集まりで出来たチーム、やるかやられるかの戦場にあるのは自己満足ともいうような武装に身を捧げるエゴイストどもだらけだ。

真っ先に敵に突っ込んでいき2人ほど道連れに散っていったのは安物の白いスーツに身を包みドラムマガジンのトンプソンというマフィアスタイルのマサさんだ。

僕とは反対側の左翼から攻めているはずのマヤちゃんはグレネード付きのM4にM92Fというオーソドックススタイルだし、どこかの木陰から的確に援護してくれている孫一はな日本の戦国時代のメインウエポン、あの種子島とサブウエポンにフリントロックピストルを使っているこだわりの(おとこ)だ。

更に今も何処かで勝手気ままに戦っているだろうジェーン姐さんはレバーアクションのウィンチェスターライフルを構え、ヒップホルスターにはコルトSAAのカウガールスタイルなこだわりの乙女です。

これだけ聞くとこんな古今東西カオスな戦場がどこにあると不思議に思う人もいるかもしれないけど実際どこにでもあるんだよね。

特に日本にはさ。

ここは日本の郊外、全国に何ヵ所もあるサバイバルゲームのフィールドの1つ

迷惑をかけるような民家も近くにはなく、それでいて熊だのイノシシだの獣もいない、車で5分も走ればコンビニもあるほどよい森の中

やらない人には分かりづらいだろうけど特筆することもないごく普通のフィールドなんだよ。


そんなわけで僕らは好き勝手なスタイルで汗と埃にまみれながら自然の中でバンバンと平和に撃ち合っているのだ。

時おりシュパパパーと景気よく電動銃でBB弾をあ撃ち込んでくるアタッカーを茂みでやり過ごしつつ相手陣地のフラッグ目指して猛ダッシュ。

三十路を過ぎたサラリーマンには辛いよ


おっと、たった今僕の前方20メートル先で腹を撃たれたのは44マグナムのリボルバー1丁で敵地に乗り込むのを信条としている革ジャン君、ヒットと言わず「なんじゃこりゃあー」と叫んでいるせいかまだ撃たれている、ゾンビをするわけじゃ無いんだからノリに付き合ってあげてよ。


いや、のっているのは敵さんもいっしょか、太〇に吠えろの名物刑事からプ〇トーンの兵士になって膝を着きながら万歳をするように揺れながら撃たれている革ジャン君を木の陰から姿をあらわし「うぉーー」と叫びながらノリノリで乱射しているの今日初めてゲームにきた大学生の子。きっとハイになってんだろうね、見えないヘリでも飛んでいるのかほとんど青空目掛けて撃ってるよ。


僕は心の中でゴメンと手を合わせながらこっそりとライフルで彼を撃ち抜いた。


これも戦争なのよね、なんて。


さて、ゲームも終盤かな、聞こえてきた範囲でも味方のヒットは8人、敵は7人。

今回は15対15のフラッグ戦だからお互いほぼ半数に減った訳だからそろそろ本格的に仕掛けてもいい頃合いかな


革ジャン君と学生さんが笑いながらセーフゾーンに歩いて行くのを迂回しながら早歩きで敵陣に向かう

その時だ、近くの右手後方にある薮から小さな音だがガサガサッと何かが動く音がした。

まさに身も凍るというやつだ、戦争ゴッコに大げさなって思うかもしれないけど遊びだからこそ真剣に、そして全開でやるってわかってくれるかな。

革ジャン君と学生さんやマフィアなマサさんみたく身分も年齢も関係なくこの時間、この空間だからこそなりたい自分やってみたいプレイをする。カッコつけてるみたいだけど本当は何かに夢中になったら周りの目が気にならなくなる子供に戻っているだけなのかもしれない。


とにかく僕は動きを封じられた。このサバイバルゲームってやつはその場その場でローカルルールまみたいのがあったりする。この場合気づかれずに相手の背後を取って銃口を突きつけたらアウトでやられた方は潔く敗けを認めてヒットを宣言するとか。

反撃してもルール違反じゃないけど普通は振り向いて背後の敵を撃つより先に撃たれてしまうのが当たり前。

まして背後で構えている敵より速く僕の長くて取り回し難いライフルを構えて撃つとかホルスターの中のハンドガンを抜いて撃つなんて常識的にも不可能だ。


そう、あり得ないことなんだけどね


敵も完全に背後を取ったうえ僕が固まっているのを見たのだろう。

余裕をみせゆっくりとそして足音を僕に聞かせるように近づいてくる、距離はわずかだ、この場で僕が降参するのを見たいのか、戦争映画みたく成りきって僕の頭に銃口を突きつけて勝利宣言でもしたいのか、勝った気まんまんだろう。


だがこの時点で撃ってこない相手に思わず笑みがこぼれた。普通なら逆転不可能な現状でも僕にはまだ裏技が残っている。

僕だけのチートが










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