5.女が刀を持った理由
私がこの刀を掴んでいた時には、私はとうに死んでいた。
思い出せるのは、強烈な痛み。一瞬の出来事であった為腹から、血が流れていくことだけは思い出した。
痛みで意識がなくなり、そして体が冷めていく。そしてその男は私の腹から赤子を取り出した。
「あぁ、やっぱ女を切るのはたまらないなぁ……特に柔肌の若い女は」
こんな最悪な死に方をするなんて、私は本当に運が悪い。
普通にこの町に生まれ、友が出来て、愛する人が出来て、子供もできた。
幸せな人生を歩めるはずだったのに、どうしてこんなことになってしまうの。
「死にたくない」
そう思っても、体は言うことを聞かず、意識が薄れ闇の中へと落ちていくようであった。
だが、蛇が自分の体を、いや魂を縛り、現世へと連れ戻した。
妖刀アマクニ 名を蛇縛。あの世に行く私の魂を蛇が縛り上げ現世へと戻してくれた。
私が目を覚ました時には、元通りの肉体と手には刀を握っていた。
「こ、こは……」
喉を絞り上げたような声で、呟く。
「ここは現、貴女の声が聞こえたから連れ戻した。」
声が聞こえた。男の声にしては高く、女の声にしては低い。中性的で少年で少女の声だった。
私にはその声の姿を見えているはずなのに姿かたちを捉えることが出来なかった。男なのか女なのかも分からない。
「貴女の魂の大半は欠けていた。あの世に持っていかれてしまったようだが。刀が魂を補填している。」
「刀を手放せば、補填している魂は消え去り、お前はまた死ぬことになる。」
「あの子……私のお腹の子は……!」
声の姿はゆっくりと指を差す。差した先には私の手に握られた刀だった。
「その刀が貴女の子。子は魂も肉体も元に戻らない程、小さく衰弱していた。」
「肉体は刀に、魂を刀に宿り。そこに眠り続けている。」
「あぁ、やはりそうなのですね」
刀を握る度に分かる。あの子の胎動が鼓動が脈動が、手から伝わり私の魂に響いていく。
あの子はまだ『生きている』のだ。姿は変われど、私たちの愛しの子が生きている。
良かった、だが、それと同時に理解する。
愛しの子が衰弱している。お腹を減らし求めている事を。
「その刀は『生きている』それ即ちこの刀は死ぬ。」
「獲物を喰わなくてはその刀は朽ち果て、魂も二度と戻ることはない。」
刀が、私の子が求めている物、
「獲物───求めているのは人の」
私の声を遮るように
「───ここからは、貴女の選択だ。」
「獲物を喰らいたくないのなら、最後に愛しの者に別れを告げ、子と共に朽ちろ、もしくは
「獲物を喰らい、いつか落ちる地獄まで愛しの者と過ごすか。」
「私は──」
それが、私の始まりで終わりだった。声は私の選択を聞くと、もう一振りの刀を取り出し、力を授けた。
私たちは家族三人で暮らし、平穏で生きて、豊かで生きて、命を奪っていく。
誰か、私を止めてと願おうとしても、また失うことが怖い。
必ずやってくる終わりの日まで、私たちの平穏を守り続ける。
それが、子を守る母として、那槌の妻として、お露として、その時がくるまで────
私は町に戻った。この肉体は死に、生きていない者になっていたはず。
私が生き返ったことをどうやって伝えればいいのだろうか、
こんなことになるなら、この町から離れ、平穏に生きる場所を探す方が良いのではないかと思案するが、
まずは、家に戻り、身支度をするべきだ。と結論へと至る。
「あ!」
と懐かしい友の声が後ろから聞こえた。
「お紗代……」
私は振り向き、お紗代を見つめる
「あの、私───」
と、どう反応を返そうと考えて居た時、
「───病気、治ったんだね!お露!!」
病気、死んだことが病気扱いになるのか?
「病気って、なにの……」
「え?」
「……え?」
とお紗代は首をかしげ、反応を返す。
「那槌さんが言っていたよ?お露さん少し体調が悪いからって家に籠ってる~って」
在り得ない。那槌さんがそんな事をいうなんて。
私が、殺されたのは那槌さんがやったわけではない、那槌さんもこうなっていると思っているわけじゃないはず。
「その、変な事言うけど……」
「私、死んでなかった?」
「……?」
「んもう~!そんな縁起の悪い事言わないでよ~!まだ病気治ってないの?」
とお紗代は近づき、手の温度や、額をこつんと当てて、私の体温を測る。
「うーん?ちょっと冷たい?ちゃんと体温めてよね~」
「じゃあ、私お仕事あるからじゃあね~」
と、お紗代は仕事場へと向かっていった。
「……なにが、どうなっているの……」
私を知っている人に話しかけに言った。私はどうやら病気に罹って家にいた。という話になっている。
そんなことは……あり得るわけがない。
でも、そういう風になっている。まるで世界が私の死をなかった事にしているようだった。
そして、私は我が家の前に立つ。
あの惨劇が起きた、あの家に
「─────────」
妖刀が教えてくれる。あの人がいる。
足早になり、部屋の奥へ進みそして、
包丁を喉元へ突き立てる、那槌の姿がそこにあった。
「待ってください、那槌さん。」
あの人は私の死を知っている。
那槌さんだけは私を覚えてくれているんだ。
「お待たせ致しました。」
彼の事だけでも、私は救わなければいけない。
「ふふっ、どうしたんですか?まるで夢でも見てるような、在り得ないものを見てる顔をして────」
彼の復讐を手伝う。それが私がここに居る理由。
那槌さんが、十分に生きていられる時まで私は生きる。
でも、この先は地獄の道。彼だけはせめて罪の意識は薄れさせたい。
「私は、貴方を残して死ぬなんて出来なかった。だからここにいるんです。」
「一時の願いが叶う。そんな、仏さまに会えたのです。」
でも、ほんの少し。一緒に歩んで欲しい。
私は最低な女。生き返っても尚、彼に執着するなんて。
嫌われてもいい、拒否されてもいい。
「那槌さん、私の最後のお願いになるのかもしれません。」
「一緒に、地獄まで落ちてくれますか?私とあの子だけでは……寂しいのです。」
最低な誘いだ。きっと断ることはないと知っているのに。
でも、選んでしまった。
なら、進むしかない。
最期まで、貴方の為に道を創り続けましょう。
──────────────────────────────────────
「───鞭蛇よ、私の元まで」
那槌が千世の一撃で倒れ、那槌の手元から零れ落ちた鞭蛇が飛翔する。飛んだ先はお露の手元までだった。
「鞭蛇よ、カラスを全て薙ぎ払え」
鞭蛇はお露の周りに刃の渦を作り上げ、突進するカラス達を全て切り刻んでいく。
「なっ──」
鞭蛇は無数に突進するカラス達を的確に、精密に、渦の中から断ち切る。
「カラスよ、我が元まで還れ!」
僅かに残ったカラス達は楓丸の元まで飛翔し、そのまま和紙の姿に戻っていく。
「…………残ったのたった三枚か。せっかく千枚ぐらい用意したっていうのに」
「まさか、あんたが妖刀を二本使うなんてな。いや、最初から二刀使いだったか」
「お察しの通りです。この妖刀は二本を一人が使うことが本来の使い方。」
鞭蛇はお露の周りに渦巻いていた刃を抑え、元の大きさまで鞭蛇を収縮させる。
「那槌さんにはこの刀を使えるようにしておりました。あの人は共に地獄を選んでしまいましたから」
「関係ない人を巻き込んだのか、貴女の我儘だけで!!!」
「……えぇ、そうよ。私がここに居るのも私の我儘」
「でも、この我儘が続くのなら、私はここで生きていたいの。」
「その我儘で、貴女の友人の命さえ奪うのか。」
と驚いたようにお露は応える。
「………あら、何故友人と?あなた達にはお紗代さんとの関係は言ってないはずですが」
「貴女に襲われた、お紗代さんから聞いた、いや───」
「頼まれたんだ」
「……頼まれた?」
「あぁ、お紗代さんからだ。」
「貴女に襲われて、死にかかったとしても、貴女の事を憂い、救ってほしいと願っていた」
「お露はこんな事はしない。ってな、優しい友に恵まれていたようだな」
お露は俯く、だが顔を上げた時のお露の表情は、悲しさと慈愛が満ちた表情だった。
「そう……でしたか……」
「でも、もう遅い」
「私が歩く道は、地獄までの道までを舗装しているのです。私は救われたいと思っていません。」
「だから、最期の日まで。この現世に私たち三人でいたいのです」
「その為に、人の命を、この泰平の時代に乱れをもたらすのか」
楓丸は問いただす。
「仕方がない事なのです。それがこの子が、妖刀が求めている物なのですから───」
「───それなら、尚更お紗代さんに会わなきゃ」
砂を踏み、ジャリとした足音が後ろから響き、千世が男の体を抱えながら現れる。
那槌はまだ気絶してるようで、そのまま、師匠の足元に置き、捕らえておいてと促す。
「貴女がただ、訳も言わないでお別れしたら、お紗代さんも救われない、そうでしょ?」
「……この手で喰らおうとした、私が?」
「そう」
「お紗代さんは貴方と話したい、あなたがどうしてそうなってしまったのか。
「あなたがどうして妖刀を使ったのか。私の知らない事を話して欲しい、そう思ってる」
「何も知らないでなにを」
「───未来がそう教えているから」
「私は必ず、お紗代さんに会わせる!!!だから────」
「その妖刀、破壊します!!!!」
「……はぁ」
「どうして、そこまで求めるのでしょうか……」
「私はもう地獄に進む身、私に関われば巻き込まれるというのに」
「いいでしょう、あの子には貴方を倒した後に喰らいます。そうすれば───」
「私はまだこの世界で生きていける。」
「混じれ、双成蛇と成れ」
鞭蛇と蛇縛は混じり合う。鞭蛇が蛇縛を巻き付き、刃と刃が重なっていく。
そして、二つの刀は一つと成り、刀は真の形に戻る。
「この刃達は一撃必殺。一度触れれば貴方を弱らせ、変幻自在の剣戟によって獲物を仕留める」
「この刃を全て、貴女は避け切る事は出来ない!!」
「貴女は…………六手で倒します。」
千世は踏み出し、そして師匠に目配せをする。
「無事だったか、千世」
「うん、だって師匠を信じてたからね!きっと私を助けてくれるってね」
「はぁ……まあ作戦通りだったから、良かったが───」
「次は無茶をするな、不安になる。」
「───大丈夫、全て見えているからもう無茶はしない」
「そうか」
「なら、無事に終わらせてこい。千世が思うが儘に、俺はこれ以上手を出さない。」
千世は踏み出していく、妖刀を破壊するために、お露を止めるために。
俺はふと考えてしまう。彼女の事を千世について。
選来を扱う者で千世は最強の実力者だ。先代の俺を裕に超えた運動能力と反射神経。俺の親父を超える程の武術と体術。
そして何より彼女が秀でていたのは、未来の選択能力そのものだ。
的確に自分が選ぶべき未来を選択し、未来を決定する。
幾千、幾万を超えた未来を見ることになる選来の力は常人では判断しきれない。
自分が死ぬ未来、傷つき致命傷となり死ぬ未来、倒す事が叶わない未来。
そんな未来たちを選別し、剪定し、最善の未来を選ぶことが出来る。
それが、千世。選来の唯一の後継者でもあり、俺が知っている中で歴代中、最強の使い手。
「千世の才能はまさに選ばれた才能だった」
「俺は、千世を巻き込んでしまった事を未だに後悔している」
「だから、俺は千世を守らなくてはいけないんだ」
「俺の責任と彼女の未来の為に」
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千世はお露の持つ刀を見定める。
那槌が使っていたあの刃が、さらに凶悪に、残虐に、本当の刃を取り戻した。
「お願い、選来」
「少しだけ、力を貸して────」
千世は力強く、大地を蹴る。
ただ千世は、駆け抜ける。六百尺程の距離をただ駆け抜ける。
相手は一人、お露のみ。
選来は未来を掴んでいた。相手の行動はもう全て決まった事しか行わないから、千世の刃は迷うことはない。
「ただ、突っ込むだけなら、呆気なく死になさい!!」
鞭蛇の軌道は全て千世に向けられて切り刻もうとする。しかし、、
千世には当たらない。
ただ真っ直ぐ、駆け抜けた千世には鞭蛇の刃は何故か届かない。
鞭蛇の軌道は千世を貫き、薙ぎ、絡めとろうとするが、届かない。
鞭蛇の一撃をすんでのところで当たることが無い。
「なっ……!!そんなの在り得ない!!私は貴様に目掛けて───」
「一」
お露が狼狽える。額には焦りによる汗が落ちていく。
「そう!これは在り得ない事!」
「でも私は未来を決定できる!!」
「……私を……舐めるなぁっ!!!!」
「鞭蛇 縞蛇!!!」
お露の目の前に刃の壁が迫り出す。縞々に練り上げられていく刃はお露の背を越え、そして、その刃の壁事、千世に向けて射出される。
「二」
その刃の壁を高々と飛び越える、だがそれはお露の想像した展開であった。
「双成蛇 大蛇!!!」
二つ交じり合った刀は、紫煙を勢い良く吹き出し、その煙は大蛇へと変化していく。
大蛇はそして、そのまま千世の肉体を喰らおうとし、迫っていく。
「選来 来閃!!!」
千世は閃光を纏った、斬撃を以って大蛇を払う。
「三」
紫煙は霧散し、千世はまた一歩、歩み始める。
「どうして、防ぎきれるの。今さっきまでとは動きが違う」
千世は歩みを止め、選来を鞘に納める。
「今までは、本気じゃない。っていうわけじゃないよ」
「ずっと、本気で全力で戦ってきた。でも今は───」
「師匠が作ってくれた好機が、選来が私に未来を教えてくれた。でもそれだけじゃない」
「貴女は死にたがっている、そんな貴方に私は負けるつもりはない。」
「どんな相手でも、死にたがりの貴女にも、大切な友に会おうとしない、そんな臆病な貴方には」
「四」
「……そう……ですか」
お露は刀を前へ突き出し、刀の形状を変化させていく。
刀は渦巻き、渦巻く刃の蛇を作り出す。
「せっかく、死にたかったのに、もう少しだけ、生きていたくなってしまいました」
刃は永遠に伸びていき、それはやがて全て飲み込む大蛇となり
「私はまだ、生きていきたい。だからこれが私の全力で」
獰猛に、今すぐにも獲物を喰らう、それは神と呼ばれた存在そのもの。
「貴女を、倒します!!」
蛇のアマクニ 天国之瞋蛇尊───ここに降誕する。
二つの首、毒息を吐き、収縮する形状。人の背を裕に超え、家屋のような大きさの蛇。
「──この一撃を以って、貴女の手向けとしましょう。」
「五」
妖刀の真の姿は千差万別。って師匠は言っていた。
私はまだ、一回しか見たことはないから、本当に全ての妖刀が姿が違うとは言い切れない。
でも、そんな私にも分かることはある。
この妖刀の刀身に隠れたこの姿、化けの皮が剝がれたように現れる存在。
師匠は言ってた。
「妖怪であり、人の世を乱す者であり、神でもある。」
「ただ、この存在は邪悪過ぎる。」
「そのままにしておけば、きっと───いや必ず」
「この日本を全て壊してしまう。そんな存在だ」
そう、この妖刀は、あの神と呼ばれた者は何もかもを壊してしまう。
大地を侵し、海を濁らせ、空をも穢す。
だから、壊さないといけない。
だから、守らないといけない。
だから、救わないといけない。
「───お願い、選来」
「今だけ、今だけでいい。私に彼女を救える力を」
「あの神を祓う、その力を!!!」
一瞬だけど、選来が答えてくれたような気がした。
あの神を祓う。そんな力を。
千世は、居合の構えを取る。あの神を一撃で断ち切る一撃を紡ぐために
「六」
「食らい尽くして!!!天国之瞋蛇尊!!!!!」
「選来奥義─────迅来到来!!!!」
眩い光と共に、刀が砕けたような轟音が鳴り響いた。
そして、決着がついた。
──────────────────────────────────────
勝負は一瞬だった。瞬きをした、その一瞬で。決着がついた。
土煙が夜に舞い、視界は晴れることはなかった。
「千世っーー!!!」
土煙が舞う中へと入り込み、俺は人影を探す。
そして、そこに立っていた女性の姿が見える。
「─────────っ!」
立っていたのは千世だ!!彼女は無事だ。だが戦っていたお露の姿が見えない。
よく目を凝らし、千世は見つめる先を見る。
それは、人が倒れたような姿。だが、
「ど───」
「どうして、肉体が朽ちていくの───」
その肉体は、ゆっくりと朽ちていく姿。もう左足は砂へと変わり、もう胴体が砂へと変わろうとしていた。
その傍らには、折れた妖刀アマクニ、縛蛇。
「───黙っていたけれど、私、最初から死んでいたの。」
お露がぽつぽつと話していく。
それは、誰かに聞かせるものではなく、独り言のように過去を回想する。
「妖刀のおかげで───私の元々いたお腹の子が私を生かしてくれた。」
「刀があるから、私が生きていられた。でも」
「負けてしまった。」
「どうして、泣くの。元々からこうなる運命だった。貴女のせいじゃない。」
「お露!!!」
後方から、男の声が聞こえた。
その声は聞いたことがある。お露の夫の那槌の声だ
「……!そこにいるのか!!」
と、近くにいた俺たちを見るが、今はそれどころではないとお露に語り掛ける。
「那槌さん……」
「これが、最後の。本当に最後です」
「私は、那槌さんに出会えて、良かった。」
「出会ってからは、私の見る景色は色付いて、過ごしていく日々が尊い物でした。」
「だから、死んでても。貴方を焦がれてしまった。ずっとあなたの傍に居たい、だなんて執着がましい女でした」
「だから、あなたの心に寄り添うみたいに私は言っていた、けど、私は私が居たいからそう望んでしまった」
「お露、俺はお前がいてくれたから、ここで生きている」
「だから、後悔しないでくれ。」
「安心して、先に行ってくれ、待たせるかもしれないけどいつか」
「お露に追いつく。俺たちの子供も一緒に待っていてくれないか?」
「……はい、待ってます。」
「そこの、妖刀の使い手たち。」
「お紗代にも迷惑を掛けてしまいました。」
「最後に、お紗代にこれを──」
「渡せば、きっと気づいてくれるはず。忘れていたら地獄から蘇って怖い話でもしてあげると言っておいてください」
「一つだけ、質問に答えて」
「この刀を渡した、刀鍛冶アマクニは何処に行ったの!」
「……刀鍛冶アマクニは、私が気づいた時には。私に妖刀だけを渡し何処かへと行ってしまいました。ですが───」
「いつか必ず、出会う」
「貴女がアマクニを持ち続ける限り、そうなる運命」
「だから、あなただけは」
「堕ちてこないように……ね」
「……っ、あなたは────」
千世が言葉を紡ごうとした時、
「さようなら、来世で会えた時には友達として…………」
お露の体は砂となり、朽ち果てていった。
「ああぁ………………」
「あああああああぁっあああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
那槌は砂を握りしめ、打ちひしがれるように泣き叫んだ




