表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/65

信じたもの

「おっりゃー!」


 ほぼ同時にバグった魔物を切り裂いたように見えるほど加速したFはもう何度目かの攻撃を少女に向けて放つ。


「……」


 しかし少女は一切表情を変えることなく攻撃を難なく防ぐ。

 いくら加速しても全く攻撃が通る気配がない。

 そもそものダメージ判定の仕組みがちがうようにも思える。


「どうだった? もう少しで当てられそう?……」


「……無理……全く動じてない」


「……わかってるわよ! 少しぐらい気を使ってくれない?」


「……そんなことしても意味ない……それより危ない!」


 文句を言っているFに向けて魔物達が襲い掛かる。

 ギリギリのところでトーカの出した魔物が身代わりになったがやはり魔力を奪われてしまう。


「助かったわ……」


「油断大敵……それよりどうする?」


「どうしようもないわね……私の攻撃は通らないみたいだしあんたも魔力の限界近いでしょ? そうなったらやることは決まりよ!」


 Fはそう言うとトーカの手を取り一気に加速する。

 Fの剣は攻撃の時しか加速することはできないが抜け道がある。

 攻撃の対象さえいれば攻撃の向きが敵に向いていなくても加速することができるので逃走手段としても使える。

 ただプライドの高い彼女がこの手段を使うことはあまりない。


「逃げるの?」


「違うわよ! 戦略的撤退ってやつ! 一旦他の奴らと合流するわよ! あとこっからは本気で加速するから喋ってると舌噛むわよ?」


 トーカが舌を噛まないようにきっちり口を結ぶの確認しFは一気に城壁に向けて加速する。


「一応連絡は入れておいた方がいいかしら……R! 聞こえてるなら返事しなさいよ! おーい! 聞こえてないのかしら?」


「うるさいですね〜? なんですか? 今忙しいので死に損ないの馬鹿に構ってる暇はないんですけど……」


 いつもより疲れた様子のRは返答が少し乱暴になっていた。


「何があったか知らないけどピンチなのよ! なんかよくわかんない女の子がバグったモンスターを大量召喚してるの!」


「……そうですか……こちらも今まさにそのバグったモンスターと戦ってるとこですよ! おそらくその女の子が元凶です! なんとかしてこっちに」


「既に向かってるわよ! トーカと一緒にそっちに逃げるから用意しといて!」


「……あなたにしてはいい判断ですね〜? 何か悪いものでも食べたんでしょか?」


 普段はプライドが邪魔をして勝てない相手にも突っ込んでいくFとは思えない判断を下したのに驚いたのかあまり余裕がないにもかかわらずいつもの煽り口調が出てしまう。


「何よ! 私だってちゃんとした判断ぐらい出せるわよ! ……まぁ半分くらいはこいつのおかげかもしれないけど」


「……そうですか〜いや〜友情っていいものですねー?」


「ば、バカなこと言ってないで準備しときなさいよ!」


「……わかりましたよー! それじゃあこっちの雑魚どもは消しとばしますかね……」


「……そっちは任せたわ」


 明らかに強がりをしているのを察したFはそう言うと通話を切り全力で駆け出した。


「……全く面倒ですね〜……」


「……その割には嬉しそうじゃな? 仲間が死んでなかったからか?」


「そんなまさか〜……やっと逆転の目が見えたからですよ……」


 いくら倒しても湧いてくるバグった魔物達の対処方が分からずただひたすらに倒すことしかできなかった2人。

 膨大なNPのある魔王と全回復したRだがもう既にかなり消耗している。


「敵の親玉を倒す分も残しとかないといけないみたいですし……メモリープロテクターズ」


 Rが指を鳴らすと複数の黒騎士が召喚される。

 先程Rへと変化したNPCと全く同じ種類のNPCは軍隊のように規則正しく並び魔物に向けて剣を向ける。


「なんじゃそれ! ズルすぎじゃろ!」


「私の武器が進化したことで召喚できる数が増えたみたいですね〜……前は一体だけでしたけどこれだけいればしばらくはなんとかなるでしょう……まぁこの技反動がでかいからしばらく動けないんですけどね〜なんとかして守ってくださいね〜?」


 楽をする気満々の様子でRは城壁の上に寝っ転がる。

 魔王はその様子を呆れたよう見下ろすと杖を構えた。


「仕方ないの〜……ならば奥の手を使うとするかの〜……マルティプルスペース展開じゃ!」


 魔王が新しい空間を展開すると空間内に複製された魔王が出現し始めた。


「……1人でも化け物なのに自身を複製ですか……あなたのがズルかないですか?」


「お主も似たような事しておったじゃろうが? それに複製体は妾の実力の半分しか持っておらんしデザイアウェポンも使えんからの〜」


 大したことをしてないような口ぶりで話す魔王。


「はぁ……そうですね〜」


 やれやれと言う様子のRは何も言うことなく目を閉じる。


「では……私は休憩しますかね〜」


「お主本当に動けないんじゃよな?……まぁ良い妾の攻撃より進化した武器を持つお主の方が火力は出るじゃろ……ここは妾が全力で守るが後は頼むぞ?」


「はいはいあとのことは任せてくださいよ〜相手がどんなのかわからないのが少し不安ですが……なんとかしてみせますよ〜」


 F達の到着を待つ2人は用いる力を全て使って時間を稼ぎこの戦いを終わらせる準備を始める。

 一方レミ達の方でも戦いを終わらせる作戦が行われようとしていた。


「とんでもないギャンブルねこれ……」


「仕方ないですよ〜ほんとは私の反転だけでもいけますけどレミさんのNPじゃ無理ですからね〜」


「し、失敗したらどうしよう……」


「大丈夫にゃー! 多分なんとかなるにゃ!」


「それじゃあ作戦決定! でいいですかね? レミさん!」


 全員の目がレミの方に向く。

 正直この作戦で1番危険なのはレミだ、レミがやめると言うなら全員この作戦をやめリタイアする覚悟のようだ。

 レミは少し下を向き考えた後。


「……うん!」


 力強く頷いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ