本当の始まり
「レミさんー! 今日はクエスト受けないんですかー?」
昨日はあのまま寝落ちしてしまったレミはクエストを受ける様子も特になく村でのんびりしていた。
「確かに昨日のクエストの件がありますけど多分大丈夫ですって! 早くクエスト行きましょうよ〜」
クエストに行きたくて仕方ない様子の魔剣は駄々をこねるがレミはそんなこと関係ないと言うようにギルドに向かおうとしない。
「えー? じゃあクエストじゃなくてもいいのでレベル上げに行きましょうよー! せめて魔剣ちゃんの全力が出せるぐらいのMPがないと活躍できないんですけどー!」
そんな魔剣の文句を聞き流しているとギルドの方からハルがやってきた。
「レ、レミちゃん! これ!」
ハルはお菓子を差し出すとそのままどこかに行ってしまった。
なんでお菓子をくれたのかと首をかしげるレミはお菓子をかじりながら広場の椅子に腰かける。
「多分昨日のクエストのお詫びですかね? こう言うことを言うのは柄じゃないですけど別にハルさんが悪いわけではないと思うんですけど?」
まるで誰かに文句を言うような感じで喋る魔剣に少し違和感を覚えながらもレミはお菓子を頬張る。
ハルからもらったクッキーはサクサクの食感で食べやすかったが味が少し薄いなと思うレミ。
そんなレミの元に今度はクロネとベルがやってきた。
「お! レミー昨日は突然ログアウトしてびっくりしたよ! まぁあのクエスト大変だったから多分寝落ちしたんだろうな〜とは思ったけど」
「だ、大丈夫ですか?」
レミの隣に腰掛ける2人。
2人のことなどお構いなしにひたすらお菓子を食べるレミを見てにこやかな笑みを浮かべている。
「それ私たちも作るの手伝ったんだよ! どう? 美味しい?」
「あ、あんまりうまく作れなかったかもしれませんが……」
レミの感想を待っているのかじっとレミを見つめる2人。
魔剣がなにかを言おうとする気配を感じて余計なことを言う前に感想を言う。
「……美味しい」
「!! よかったー私そんなに料理しないからわからなかったんだよね」
「こ、このゲーム料理の作り方もかなり細かく再現されてますからね……少し作るのに苦戦しました」
ホッとしたような表情を浮かべる2人を見てレミは少し悲しそうな表情を浮かべた。
「ど、どうしたんです? だ、大丈夫ですか!」
レミが悲しそうな表情を浮かべているのに困惑するベル。
「大丈夫ですよーレミさんはただあなた達を心配させてしまったとか思ってるだけですから〜……ってレミさん!? なんですかその槍を投げるようなフォームは! ちょ、ちょっと待ってください!」
余計なことを言う魔剣のせいで少し赤面した様子のレミは魔剣を投げようとする。
「レミ! 落ち着いてー!」
「ま、魔剣を投げたら危ないです!」
そんなレミを必死で止める3人はもつれて転んでしまった。
「……痛い」
「いたたたた……」
「あう……痛いですー」
3人は起き上がると笑っていた。
昨日は色々あったがこうやってバカみたいなことをできるなら別にいいかとレミは笑いながら思うのだった。
「それじゃあクエスト受けに行きましょー! レミさんには早く私を使いこなしてもらわないと! 私の超強い力を発揮してあの変な戦闘狂を今度こそぶっ倒しますからねー!」
「なんでノイズが仕切ってんのかわからないけどクエスト行きましょう! 新しい装備買いたいんだよね〜」
「わ、私もお金がピンチだからクエストで稼ぎたいです!」
また勝手に進む話にやれやれとため息をつきながらもレミは頷くとギルドに向かうのだった。
おかしなことが起きた昨日まではチュートリアル、ここから静かな少女とうるさい魔剣の物語が始まるのだった。
更新が遅くなりました!
少し忙しくなってしまったので15日までは更新頻度が落ちると思いますがよろしくお願いします!




