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アクト10
強い磁力に引き寄せられて、ホスハに向いたベクトルが真反対方向に捻じ曲げられた。慣性が働き、一時的に空中にとどまるような感覚をおぼえた。そのまま体は磁力に従った。背中が鉄の板に強く当たった。離れようとしても離れない。
ホスハがため息をついてこっちを見ている。
「正当防衛。ホントはこんなことしたくなかったが。」
ホスハはそう言ってトラックの前の方に行ってしまった。ホスハとファルカが何かしゃべっている。
しばらく考えた。おい。ファルカ?ホスハ?何がしたい。
俺のことを一生トラックに縛り付けておくのか?
ファルカが飯をもってきた。動く手でファルカに掴みかかった。すぐ振りほどかれた。何もしゃべらない。
「ファルカ?おい。」
「……」
三日が経った。背中の磁力は未だ離れない。
そうか。
そういうことか。
トラックはたくさんのCRDに入っては出るを繰り返した。
そうやってばら撒くのか……
機械…機械…
一か月が経っただろうか。
ファルカは途中で降りてどこか行ってしまった。それでもホスハがトラックを走らせる。




