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8 出た先であった親子はクセが強い


 ああ。何やってんだろ。

 飛び出してさ。


 雨の匂いしてるのにさ。

 そのまま走り続けてさ。


 関係ない伊予に怒鳴っちゃってさ。


 雨の中、打つ手なしに人んちの前で雨宿りしてるなんでさ。


前回のあ・ら・す・じ・っ☆


 檸檬ちゃんが怒ってお家を飛び出しちゃった!


お・わ・り☆(文字数の無駄!)


 この通りにある雨宿りできそうなところがここしかないんだよな……。


 今檸檬は表札やインターホンがある所の屋根がある(ギリ敷地外)の場所にいる。


「行ってくるね~ッ」


 ヤバッ!

 ここの家の住人の人と鉢合わせちゃう……!


 とりあえず、ここで雨宿りさせてもらえるように……。


「……れ、れれれっ、檸檬さま⁉」

「えッ」


 あ。この人、妖狐だ。

 最近、よく妖狐の方と会うな~なんて思っていると、


「あ、人違いでしたか」

「いや、檸檬ですが……」

「ウッ」


 ちょッ!

 その女性は突然ふら付いた。


「大丈夫ですか⁉」

「すみません。まさか会えるとは思わなかったのでッ」


 私が支えるまでもなく自力で立ってスッと深くお辞儀をする。


「狐宮さんですよね。美紗子さんでしたっけ」


 ちなみに、妖狐で半妖までなら顔と名前は全員覚えさせられるんだよね。

 本ッ当に何人いると思っているんでしょうね。


「私の名前を覚えていらっしゃる……! 私、もう死んでもいいです」

「死ななくていいです! それより、雨が止むまで、ここで雨宿りさせてもらってもよろしいですか?」


 とにかく雨宿りができれば……。


「ここで⁉ 外じゃなく家での中へどうぞ!」

「いいんですか?」

「傘をお渡しすることも出来ますよ」


 傘、か。

 家に帰ることになるだろうな~。


「迷惑でなければ、雨が止むまでお邪魔させていただきます」

「散らかっておりますが、ご勘弁ください」


 私は美紗子さんの家にお邪魔することになった。


「美紗子さん、これからお出かけされるのでは?」

「ハッ………」


 自分の予定より私優先って、そこまで慕っていただけるのは嬉しいんだけど……。

 すると美紗子さんはスマホを取り出し、どこかに電話をかけた。


「もしもし音梨(ねり)ちゃん? 今日、仕事休むね」

「えッ⁉」


 仕事を休んでまで⁉


「あのさ……檸檬さまが我が家に来たんだよね……」


 それで通じるなら人間以外の方なんだろうな。


『美紗子さん! 無理です。気持ちは分かりますが、期限が今日なんですよ⁉』

「ウッ………分かったわ。三十分遅れていく」


 そこで美紗子さんは通話を切り、私の方に向かって行った。


「お洋服が濡れているので娘の服をお渡しします。シャワーを浴びてきてください。三十分後にはわたくしは出ますので、気が済むまでここにいてください。息子が上にいるので何かあるときは息子に」


 私は脱衣所まで案内された。


「タオルはそこにある物を使ってそこの籠に入れておいてください。檸檬さま、下着は濡れていませんか?」

「大丈夫そうです」

「分かりました。ドライヤーも使っていいのでしっかり温まってくださいね。服は持ってきますので好きなのを選んでください!」


 選んでください?

 着れるものなら何でもいいんだけどな……。


  ♢


 シャワーも借りてしまった……。

 そう思いながら上がると並べられた服はゴージャス、キラキラ、派手なものだった。


 娘さん、ヤンキー?


「上がりましたか檸檬さま!」


 扉越しに美紗子さんの声が聞こえる。


「用意してもらって申し訳ないんですが、もうちょっと無地の服とありますかね……」

「お気に召しませんでしたか⁉」

「いや、ないならこちらのものを着ますが……」


 その後もやっぱり派手なものが並んできたけど、白いパーカーとジーンズを借りました。


「大学生の娘のもピッタリですね!」

「娘さん、大学生⁉」


 美紗子さん三十代前半から中半ぐらいに見えたからお子さんも同い年ぐらいかなって思ってたんだけど……。

 見た目で年齢を判断するって難しいね~。


「ええ。大学一年と小四の娘がおります。息子は中二ですね」

「え~と、璃乃さん、蓮さん、零さんでしたっけ?」

「子どもたちまで覚えてくださっている……?」


 そういえば、美紗子さんの旦那さんのお名前は覚えてないな……。

 書いてなかった気がする。


「この上ない喜びでございます」


 うん、堅苦しいッ!


「この家のものは自由に使ってもらって構わないですからね!」

「お気持ちだけもらっておきます」

「お優しい……一生ついていきます!」


 五分ほど話していると美紗子さんの息子さんの蓮さんが動き出したのか二階から足音がする。

 あれ……上から感じるこの匂い、怪盗ワンダーじゃない?


 それに警察官とも匂いが一致するし。


 ワンダーは匂いを誤魔化すためにある程度匂いのついた物は持っていたが、それでも本人の匂いは誤魔化しきれない。

 降りてくるとともに強くなる蓮さんの匂いは蓮さん=怪盗ワンダーというものをだんだん大きくなっていった。


「かーさん仕事は?」


 冬休みモード全開で私服ではあるもの、髪は少しボサボサしお腹を掻きながら登場する蓮さん。

 顔も警察官とどことなく似ているし、やっぱり蓮さんは怪盗ワンダーだなって思う。


「それどころじゃないから今いるのよ。後十分ぐらいしたら行かなきゃならないわよ。っていうか、蓮。挨拶」

「あ、初めまして………ん?」

「初めまして蓮さん。お邪魔させてもらってます」


 会釈程度に顔を下げる。


「…………」


 スススッと美紗子さんに近づいて小声で話しかける蓮さん。


「ドッペルゲンガー、とか……?」

「本物よッ!」


 もちろん丸聞こえなんだけど、美紗子さんが「本物よッ!」と言ったとたん蓮さんは慌てて二階に戻って行った。


「息子が本当にすみません‼」

「気にしないでください。私も蓮さんの立場だったらああなってしまうかもしれないですから」

「天使……?」


 いいえ?

 天使ではなく妖狐です。


「……あれでも学校内で無言の王子と呼ばれてるんですけど、どこが無言なんだか。母が言うのもなんですが、あの子の父に似て顔立ちはいいけれど、中身が家と変わるのも似てしまったんでしょうかね」


 あまり探っていいような雰囲気ではなかったし、後に聞いた時もそれ以上は聞かなくてよかったと思った。


 蓮さんが戻ってくると

「先ほどは何も言わずに逃げ出してしまい申し訳ございませんでした‼‼」

 とスライディング土下座をしてきた。


 っていうか、白い着物……もしや死装束⁉


「気にしてないのでだいじょ……」

「命に代えてお詫びいたします‼」


 手にはハサミで自分のお腹めがけて刺そうとしている⁉


「ストップストップストップ‼」


 私は蓮さんがハサミを持っている手を止める。

 でも、蓮さんの力には負けてハサミを取り上げるほどの力はない。


 どうやったら止められる?

 どうしたらやめてくれる?


 ぐるぐる考えているうちにやりたくないけど、一つ思いついた止める方法があった。


「やめてください、これは命令です‼」


 ピクッとなってその手の力が弱まった!

 私は手からハサミを奪ってドラマとかで見るようないや、あれは拳銃なんだけど、ハサミを遠くに滑らせる。


「蓮ッ! 主の望まないことはしないと約束したでしょう!」

「蓮さん。私はこの程度で人の死を望んだりはしません。今後自分の間違いで自分を死に追いやること、追いやろうとすることはわたくしが許しません」

「……檸檬さまッ! 二度とやらないと誓います! 一生ついていきます!」


 うん。この親あって子の子ありってこの事なんだね。

 よく分かった。


 私もそうなのかな?


 せやで。


翆 「ご存じなくてもいいんですけど、ご存じの通りわたくし妹がおりまして、弟がいることも公開していたりしなかったりするんですが、妹は母似、弟は父似なんですね」

霧 「母方の叔父が『○○(母の名前)そっくりだな!』って言うぐらいにキキは翆雨母に顔も性格も似ているそうです」

小 「弟は言わずもがな私(翆雨)も感じております。自然な動きがそっくりで、寝相、音痴度、行動……etc.ま、そっくりだな」

翆 「檸檬と檸檬母を特に意識したつもりはないけど、まあ、顔、性格ともに似てると思う。まあ、書く機会があったら書きます」

小 「まあ、あの時もピーーーーーーーーーーーッ」

霧 「特大ネタバレマンの危険があるため、十秒後に爆破します」

小 「はあっ⁉」

霧 「私の台詞なんで大丈夫だよ」

翆 「まあ、今の爆破予告もギャグ目なんでもし爆破しても次のコマには復活してますよ。某妖怪の先生を始められたアホ毛がチャームポイントの国語教師が主人公のマンガでも言ってたので。ちなみに私はDr.(ドクター)と豆と玉とマシュマロが好きです」

小 「ここはマンガじゃないのでコマはないですね。爆破されたら確実に次からいなくなりますね(⌒◡⌒)」

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