3月3日
今日は桃の節句の為か、ちらし寿司が安く売られていた。彼女は喜んでくれるだろうか。
春。まだ雪解けぬ春。
1845年の今日、フロリダがアメリカ合衆国の州に昇格し27番目の州となった。
30年後の1875年にはカルメンの初演が行われた。
それにポケットなモンスターSPに出てくる黄色の誕生日だ。
釣竿を持ったキャラなどそうそういないだろう。
家に帰ると雪女はそのポケットなモンスターをしていた。
「ただいま~」
「おかえり~。今日は雪ちゃんが来ているよ」
お前じゃないのか雪ちゃん。
「おじゃましてます」
ああ、返事をし俺は冷蔵庫に入っていたビールを取り出す。
彼女は俺のことなど気にせず雪ちゃんとゲームに勤しんでる。
「雪ちゃん? 晩御飯食べていくか?」
「いいんですか!??」
肯定するとやったと声に出しながら喜びの感情を表していた。
「あ、私の勝ちね!」
大人気がないぞ雪女。
「生まれて初めて食べます。人間のご飯」
勘違いして帰りそうだなこの子。
雪ちゃんが美味しいですと言いながらちらしずしを頬張っている横で彼女はまだゲームをしている。
「食べないとお前の分無くなるぞ~」
「後で食べるから残しておいて」
「ほいお茶」
「ありがとうございます」
冷蔵庫で冷えていたお茶をコップに入れて手渡した。
「今日はなんで家に」
「もう少しで春の訪れなのでお別れの挨拶にと」
別れ?
「春になると私は消えてしまうので」
消えるということを聞いて雪女を見る。
彼女はご飯中だというのに平気でポテトチップスをボリボリしていた。
「ん?」
首を傾げる彼女、可愛い。
「ああでも大丈夫ですよ、また冬になると新しい私が生れますから」
雪ちゃんはごちそうさまと言い雪女に何かを伝えるとそのまま帰っていった。
雪ちゃんが帰った後にやっと彼女はちらし寿司を食べ始めた。
「なんの妖怪なんだ?」
「ゆきゅのしぇいよ」
盛大にご飯粒が飛んできた。