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8月8日

 今日は立秋である。

 丁度、ウカミさんが玉蜀黍と心太の差し入れに来た。

 されど今現在、氷上家には返せるものがなく、茹でた玉蜀黍を3人で食べようという事になった。

 もろこしを茹でたりして食卓を整えている間、ウカミさんと雪女は10分程度で終わる深海探索3Ⅾアドベンチャーゲームをしていた。


 今日は雪女の要望で加熱処理が工程にある冷凍食品が卓に並んだ。

 少しばかりウカミさんには悪いかなと思っていたが、彼女は滅多に食べる機会がないのか目をキラキラと輝かせていた。

 電子レンジで温めたか凍ったままかの線引きは、当然2人と雪女の間にある。


 凍ったチャーハンやたこ焼きをばりばりと貪りつくす雪女とは正反対に、ウカミさんは熱々のチャーハンをふうふうと息を掛けさましながら口にしている。彼女は熱々のチャーハンを一口食べると、目をかっぴらいて勢いよく平らげてしまった。

 そして余韻に浸るようにたこ焼きを楊枝でつまみ始めた。

「なあ凍神よ、現代の食品は凄いのだな」

「冷凍食品はここ数年どんどんと進化しているからね! ウカミが好きなあの今川焼もラインナップにあるわよ」

「なんと! 何処で買えるのだ?」

「多分、コンビニエンスストアにも置いてあると思うわよ」

「後で連れていってくれ」

「いいわよ、私も食べたいアイスがあるし」

 ウカミさんは大判焼きが好きなのか、今度冷凍庫に蓄えて置こう。まあ、見つけた雪女が食べてしまいそうだけれど。

「冷凍食品は大手各社100品目を超えているとされているわ」

 あ、まだ冷凍食品の話続けるのね。

「ちと、お主に有利に進化してないか?」

「そうね、ただ地軸のずれによる影響でこの国はだんだんと温かくなっているから、冷房などと言った進化は妥当だと思うけれど。あと冷凍食品が美味しいのはこの国だけだと思った方がいいわよ。」

「どこのが微妙なの?」

「黒船」

「ああ」

「ほとんどの人が冷凍食品で育つと言われている国だけれど、味が単純なのよね。きっと彼らは味よりも速さを求めているからそう言う発展の仕方をしたんだと思うわ。あの手を抜くことも仕事の一部だと考える精神をこの国も見習って欲しいわね」

「ああ、そこはなんとなくわかるぞ。伝統を重んじるとか言ってとても不味い作物を社に奉納しやがるからなあいつら。まあ、500年くらい前から恵みには手を加えておらんし社にも住んでおらんからいいのだが。あいつら豊作にすると怒りだして恵みを出荷調整と言って畑の肥やしにするからな。畑の肥やしになるべきなのはお前らだと思うわ」

 地雷を踏んだっぽいと雪女がこちらに助けてと目線を寄越してきたので、彼女に財布を渡した。

「まあ、それは置いておいてウカミ! 今川焼きを買いにコンビニエンスストアに行くわよ!」


 無理やり彼女にウカミさんを連れ出してもらったが、自身の目の前には誰も手を付けていない茹でた玉蜀黍があった。

 

 

 5分後、彼女達はお目当ての物を携えて帰ってきた。

 雪女には冷たい麦茶を、ウカミさんには温かいほうじ茶を出した。

「凍神! みろ凍神!!! 今川焼きだ。ぜんえもんにささげられた時の事を思い出すのう。あやつも元気しとうかのう」

「いや死んでるでしょ」

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