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4月8日

 1988年の今日、南岸低気圧の影響で東日本に季節外れの大雪がもたらされた。

 東京で9㎝も雪が積もった。

 東京の人は少しでも雪が降ると滑ってこける。のをテレビで毎年見かける。

 当時は何人の人がすってんころりんと尻もちをついて腰を痛めたのだろうか。

 また出発の日として今日を始業式などの新生活の始まりの日にしている所も少なくないとか。


 家近くの山に大きな桜の木が1本だけある。

 毎年、桜を満開に咲かせているこの木は遠くから見るとそれなりだが、近づくごとに迫力が増していく。

 山の中だからか、自分たち以外に花見をしている人たちは見たことがない。

 雪女と桜の木まで登りきるとそこには、花見をしながら酒を飲んでいる桃色の髪の鬼がいた。


「よう、お二人さん。って雪女が洋服を着てるだと!?」

 そう、今日の雪女の服装は、白のフリルブラウスに桃色のプリーツスカート、それを水色の薄手のコートで包んでいる。

 着物姿しか見た事がない鬼は相当驚いていた。

 たださっきから風に揺らされてるスカートが気になって仕方がない。俺は。


 ブルーシートをしき俺たちもお花見を始めると、雪女のお手製弁当に誘われた鬼が一升瓶片手に寄ってきた。

 というか鬼が呑んでいた酒は”鬼ころし”で何とも言えない気分になった。

 弁当は、おにぎり、だし巻き卵、鶏のから揚げ、根野菜の甘辛煮とお花見の定番だった。

 鬼が手でから揚げを摘まんで「旨い」と感想を挙げる、直後雪女に「こらっ」と行儀を指摘される。それからはちゃんと割りばしを使っていた。


 雪女に持参したお酒を凍らしてもらい、二人で凍結酒を花を見ながら楽しんだ。

 鬼は逆に燃えてるお酒の方が好きみたいで凍結酒には手を出していなかった。


 3人で日が落ちるまで観談を楽しんだ。

 締めにラーメン屋に寄ったら、花見をしていたと知った店主にすねられた。

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