第10話 スコーンと筋肉と爬虫類ッ!
なにが苦手って名前を付けるのが苦手でして……装備の名前があり得ないほどダサいのはもうしょうがないことなので、笑ってやってくださいな。
なお、装備の後についている『+』表記は強化されているということです。
追記:
『リンネ』を『リン』に変更しました。3話書いている頃から気付いてはいたのですが、ヒロイン2人がどうも『某GXP』のヒロインとかぶっていまして……、せめて名前だけでも変更です。
<キャラクターファイル:ユーノ>
名前:ユーノ
種族:狼の獣人 弱点属性:銀
技能:盗賊 <Lv.10>
才能:狼の脚<狼の獣人>、狼<盗賊>
特技:六花の導き<Lv.2>、双刃<Lv.1>、軽業<Lv.3>、移動力<Lv.5>
:跳躍<Lv.3>、隠密<Lv.1>、探索<Lv.1>、
【装備】
武器 :ツインブレード+1
頭部 :-
上半身:ソフトレザーアーマー
下半身:-
腕部 :レザーグローブ
脚部 :レザーブーツ(滑り止め付)
装飾品:腰:盗賊7つ道具
<キャラクターファイル:ディアナ>
名前:ディアナ
種族:人間 弱点属性:なし
技能:陰陽師 <Lv.15>
才能:<肉体耐性><精神耐性>
特技:陰陽術<Lv.6>、符法師<Lv.5>、MP増加<Lv.1>、料理<Lv.1>
:第6感<Lv.2>、見識<Lv.2>、回避<Lv.3>、魔法抵抗<Lv.1>
【装備】
武器 :
頭部 :エーテル水晶(小)の簪
上半身:椿の着物
下半身:椿の着物
腕部 :-
脚部 :革草履・絹鼻緒
<キャラクターファイル:リンネ>
名前:リン
種族:森人 得意属性:風、水 弱点属性:火
技能:戦士 <Lv.15>
才能:<魔法の才能><妖精の囁き>
特技:剣<Lv.7>、盾<Lv.3>、鎧<Lv.3>、黒魔法<Lv.1>
:感知<Lv.2>、移動<Lv.2>、頑強<Lv.2>、HP増加<Lv.2>
【装備】
武器 :シャープソード
盾 :プロテクトシールド
頭部 :
上半身:ブレストプレートアーマー
下半身:ポイントガード
腕部 :-
脚部 :プレートブーツ
装飾品:左指:エーテル水晶(小)のリング
ブル・ボアを倒した後、僕ら3人はそれまでに得たドロップアイテムを換金してから、お2人が贔屓にしているハーブティの美味しいお店『カフェ・ユニコーン』に来ました。
そろそろ午後5時を回ろうとしていますが、今日のユグドラシルは『昼の日』なので空は明るく、テラスにも爽やかな風が吹いています。
今日の注文はプレーンスコーン、クロテッドクリーム、イチゴジャム、ミントを浮かべた紅茶の『クリームティーセット』です。
熱々さっくりのスコーンにクリームとジャムをどわーっと乗せて頬張るとなんとも贅沢で、ミントの香り漂う紅茶は爽やかで……うわー幸せです、これウチでもやりたいです~。
3人でささやかに? 腹を満たしながらする会話は、此処にくる途中に寄ってきた九柱神殿で新たに得た特技など、キャラクターの成長や装備についてです。
「そうすると、やっぱり『探索』とか『解除』は取っておいたほうが良いんですね?」
「ええ、街中でのクエストやダンジョンだと使う頻度は高いもの」
「その辺は技能職の専門だからね、あとは不意打ち防止に『感知』なんかも良いわよ」
「なるほど~」
『探索』は隠されているものなどを発見する特技で『解除』は罠を外したり鍵を開けたりする特技、『感知』は不意打ちや罠などを自動的に発見する技能です。
それらに限らず武器攻撃なども特技がなくとも行うことは出来ますが、やはり成功率は落ちてしまいますで、頻繁に使う特技は取得したほうが良いとのことです。
互いに呼びだした自分のステータスウインドウを見せ合って会話は続きます。
なおこれはパーティーを組んでいる状態で許可した相手にだけ見えるので、他の人に見られる心配はありません。
「僕はやっぱり戦闘一筋とかにするつもりはないので、その辺の便利特技を取って行こうと思います」
「レベルが上がると探索解除できる盗賊はパーティーに必須になるから良いと思うわ」
「ま、とりあえずアタシらが予約だけどね。 呼んだらすぐにくるのよ?」
「はいっ、もちろんですっ!」
「んで、ディアナは符法使いの陰陽師で行くのよね?」
「ええ、符法はどんどん魔法が使えるから楽しいわ」
『魔法』と『必殺技』は一度使うと待機時間が発生して暫く同じモノが使えなくなります。
しかし特技『符法師』を持っていると1日にレベル枚数分までの限定があるものの、魔法の符をあらかじめ作っておくことによって、詠唱などの時間もほぼ必要なくなお且つ同じ魔法の待機時間中であっても、符法でその魔法を発動することが出来るんです。
魔法の杖などでの増強と併用は出来ないのですが、強力な特技です。
「まあ私はそれで良いとして……リンはやっぱり魔法戦士なのね……」
「もっちろん、やっと魔法がとれる15レベルになったのよ。取らないわけがないでしょ?」
「まあせいぜい器用貧乏にならないようにね?」
スコーン片手に嬉しそうなリンさんにディアナさんが苦笑しています。
このゲーム、戦士が魔法を使ったり魔法使いが武器攻撃したりという成長も出来るそうなんですが、βテストではやはり中途半端になることが多くてあまりお勧めは出来ないそうです。
特技枠を使ってしまう上に、レベルを上げていかなければ結局は死に特技になること、魔法発動の為にかならずエーテル水晶の付いた装備をつけていなければいけないなど、面倒が多いとのことです。
まあ、僕としては本人が楽しめれば一番だと思いますし、リンネさんは楽しむ気満々に見えるので応援したいと思いますが……何をすれば応援になるんだか……まあ、おいおい考えましょう。
そんなこんなであっと言う間に午後6時頃、そろそろ解散しようとしていた時に、彼らは話しかけてきました。
「お、綺麗どころがいると思えばディアナとリンじゃねぇか?」
先に話しかけてきたのは、軽く180cm以上ある長身に筋肉の量も多いがっしりとした体型の人間の男でした。
年齢は17~18歳、堅そうな黒髪をザンバラに流し精悍な顔に人懐っこい笑みを浮かべています。
「そっちこそ誰かと思えばイサミじゃない、久しぶりね~」
「こんにちは、イサミくん……ジェイドくんもね」
「私はおまけですか?」
イサミさんの隣で自嘲気味に呟いたのは全体的に均整のとれた美形の男です。
やはり18~19歳くらい、イサミさんよりは低いですが十分長身で、金髪のオールバックはかっちりと固められており、切れ長の目や薄い唇で微笑を浮かべています。
……なんでしょう? ジェイドさんが出てきたところでなんとなく……雰囲気が固くなったような?
「はっはっはっ、おまけが嫌ならもっと前に出ろってことだ」
「……まあ、どちらかというとイサミくんが目立ちすぎちゃうからだと思うけれどね?」
「おいおい、それじゃあオレが悪いみたいじゃねぇか」
ん、イサミさんは空気読まずに話し続けていますが、リンさんとジェイドさんの間の空気が妙なような……。
「そっちのガキは初めてだな、オレは『拳士』のイサミ、こっちは『白魔法使い』のジェイドだ」
っと、ちゃんと自己紹介しないといけませんね。
「僕は『盗賊』のユーノと……」
「……ウチのギルドに挨拶にも来ないでこんなのと一緒に居たわけですか、リン?」
僕の挨拶を遮って、突然ジェイドさんがリンさんの前に跪きました……え? なんです、この人?
「私の気持ちを分かっていて……罪作りな人だ」
じっとりと熱い視線でリンネさんを見上げるジェイドさん……すごく、爬虫類っぽいです。
うわっ、なんか背中に汗が……ほんとなんなんですか、この人!?
「アンタがそういうことを言うから行く気がなくなるのよ、いい加減にしてくれない?」
大きくため息を吐くディアナさん……うわぁ、ジェイドさんを見る視線が険しいです、ホントに嫌なんですねぇ……まあ、分かる気はしますが……。
熱っぽい視線といい、薄い唇を時折舌で舐めながら喋る様子といい、横で見ているだけでなんともいえない嫌が気持になってきます。
「ふっ、まあ良いでしょう……また助っ人を頼みますので、その時にはよろしくお願いします、リン」
「手に触れたらセクハラコールするわよ」
最後に手を取り口づけしようとした矢先にリンさんが先手を取ってが牽制すると、恨めしそうにしながらもジェイドさんは立ち上がりました。
「では私はこれで……小僧、リンにあまり馴れ馴れしくするなよ」
優雅に一礼した後、鋭い目を僕を一睨みして、ジェイドさんは去って行きました。
後に残された僕はポカンとするしかありません……てかなんか……気持ち悪い……え、ホントにあんな人いるものなんですか!?
「あー、なんだ悪いな。アイツはリンにゾッコンなもんで……」
「まあ、実害は今のところないからユーノくんは気にしないで」
置いてきぼりにされたイサミさんに謝られ、苦虫を噛み潰したようなディアナさんに慰められました。
「あー、せっかく今日は一日楽しかったのに、最後で気分悪いっ! ユーノ! こっち来て尻尾をもふらせてっ! 私に癒しをっ!」
そして鬱憤が爆発したリンさんに尻尾を独占されたのでした……うん、なんとなく気持ちはわかりますので、好きにしてください。
「はぁ~、大変ですねリンさん」
「ホントよー、もー、あいつを誰かなんとかしてー!」
……ディアナさんとイサミさんが目を逸らしている所を見ると、無理みたいですよ?
そんなこんなで色々と勉強になった一日でした……最後のはなんの役に立つのかわかりませんが~、あはははは……はぁ~あ。




