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魔王に巻き込まれた大賢者、今世こそ隠遁生活を送りたい(願望)  作者: 白ゐ眠子
第四章・転生した魔王は探したい。

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第77話 元大賢者は、ナニかのフラグを立てる。


 泣き止んだ私は同じく泣き止んだアイカにある事を聞いてみた。

 それは原因を作った者の事である。


「ちなみにアイカは魔王の事をどう思ってる」

「大っ嫌いです! 姉様が生きて戻ってくると思っていたのに、巻き添えで殺したのですよ? もし、同じように転生しているなら殺すのは無理でも姉様を是が非でも護り通します!」

「そ、そうなのね。ありがとう」


 殿下、ごめんなさい。


(妹が殺意を込めているのは貴方の行いのせいとして諦めてね?)


 そう、私は思ってしまった。

 それは殿下が元魔王という事をアイカが知らないから言える事だけど知ったら最後、敵対してでも護るだろうね? それはそれとして、他にも聞かないといけない事があるの。


「でも、アイカ? アイカ自身は私を許さないって気持ちも、当然あるよね?」

「え? 何でですか?」


 逃げたという意識があるから放置された者への懺悔ともいう。

 しかし、アイカはきょとんとした顔で問い返すので有りの儘に告げる。


「だって、城から逃げ出したし」

「あれは逃げたのですか? 父様が言うには学びに出たと言っていましたが?」


 アイカは逃げたという認識ではなかったらしい。父様には感謝を。これは墓参りでもお礼を言わないとね!

 だからこそと本当の理由を告げたところ、


「じ、実はね、あれはソイオンス公国の王子との婚姻話が出てね」

「では、あの変態って姉様目当てだったと?」


 アイカは目を見開いて怒りが再燃したのか王子を「変態」という。

 まさか、アイカにまで絡んでたの、あれ?


「知っているの?」

「はい。私が張っ倒しました。私も太腿を撫でられたので…」


 はい! 絡んでました!

 可愛い妹の太腿だと!?

 あの時、消滅させて… いや、してないわ。

 奴は生き延びたんだっけ。

 ソイオンス王国の初代国王として。

 変態に対する怒りを隠しつつアイカに問う。


「へぇ〜。じゃあ、私に対しての怒りは?」

「ありませんよ? 寧ろ、逃げるのは当然だと思います。斯く言う私もそれで逃げましたし」


 アイカはあっけらかんと、私の気持ちに同意する言葉を告げた。


「えーっと、も、もしかして…」

「はい。一度断った数年後に今度は私に話を振って来たので…」


 まさかと思ったらアイカも私と同じく逃げたらしい。


(というか懲罰部隊の理由の影に、この事もあるんじゃ?『ありますね』!? 私怨で懲罰部隊を使うな!)


 やっぱり滅ぼして正解だったわ、あの家系。

 今回は懲罰部隊を使って滅ぼしたからある意味で因果応報だろうけど。


「先程の話に繋がると?」

「はい! 勿論です!」


 あらら。

 姉妹揃って変態王子から逃げてました!

 何というか、やっぱり姉妹だなって思った。

 まぁアイカの怒りは元魔王に対してだけど。

 アイカってば見た目が殿下の好みでもあるから早めに正体を教えておく方が得策かな?


  ◆◇◆


 私がアイカに魔王の話を行ってる最中の事。

 ノルンハイド合国に移動した殿下達は、


「うむ。交易があるから来てみたが…」

「そうですね。驚き以外は有りませんね」


 その国力に驚いていた。

 それは魔族大陸に引けを取らない程の魔具や魔道具が、所狭しと溢れている光景に対してだろう。斯く言う、シルフェンド王国と帝国も、ノルンハイド合国から各種魔道具を仕入れているが、技術力はともかく、その精度に於いては手も足も出ないという。

 そんなノルンハイド合国にも光と影があり元々ノルンハイド王国という国家だったのだ。

 その王国滅亡前の時点では輸出禁止を言い渡されて苦しんだ。だが、その底力は並ではなく影でジックリと国力を溜め込んだのだ。

 しかし、その国力も直ぐにバレた。

 それは宗主国の抜き打ち査察に遭い報告書を纏められたのだ。その結果、ソイオンス公国が出張って来て王女との婚姻を結ぶ圧力と魔族討伐という夢物語を民達に押しつけようとした。


(戦力投入で民草に対して最前線へ向かえという外道な強制命令ね?)


 流石に〈人亜連合〉からの命令でも、この手の命令だけは聞けず父様が猛反対した結果「使えぬ頭など要らぬ」として懲罰部隊によって王族と反対派は虐殺され民達には『王族と賛成派が魔族討伐に民達を売ったため、我等が滅ぼした!』と、嘘を喧伝したのだから遣り切れぬ話であろう。まぁそんなわけで王族が嫌われる理由は主にそれね。

 すると、殿下達は港街で右往左往しだした。


「しかし魔具が多すぎるのも考えものだな。探索術が一切使えぬ」

「そうですね。御目を介しても居場所の特定が難しいそうです。複雑怪奇な妨害陣が合国全土に張り巡らされてるとかで個人を特定するには時間が掛かるとの事です」

「神の目を塞ぐ国へと逃げ込むか? 猿知恵も度を超すと害でしかないな…」


 技術情報流出妨害陣だし特定波長を使わないと探索出来ないよ。これは帝国を介して私に依頼が入った結界で最近設置したの。

 アリステアは嫌いだけどアリス様は違いますよね。という言い回しだったから流石に複雑な気持ちで応対したよ。

 ちなみに、この特定波長は合国・現首領の魔力錠が主鍵となる。だから調べる前に調査依頼を冒険者ギルドを介して発注しないと認証登録を受けてはくれないの。

 一応、私の波長は登録済みなので調べてあげようかな?『お願いします』承知!


「一先ず、宿に移動して、方針を決めましょうか?」

「うむ。それしかあるまい」


 そうして殿下とエリス様はAランク冒険者が素泊まりする宿へと移動した。今は近衛も冒険者のフリして付いて行ってるし、下手な事が起きないといいけどね?

 なにせ合国には教会支部が無いのだから。

 後は宗主国を毛嫌いしてる風潮もあるからね。


数年ぶりの改稿で申し訳ございません。

改稿を行いつつ続編を書いていきます。

〈改稿日:2022年12月18日〉

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