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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第二章:古代なロボと勇者な執事。ロマンだっ!
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23話:壊れる美学も終末の美学もあまり理解されることはないけど好きなモノは好きって言っていいよね?

 村のはずれ。合流したロベリアちゃんたちと少し小高い丘に穴を掘り、全てのご遺体を綺麗に処置したうえで土葬する。

 衛生的に色々とあれだけど、そこは異世界。魔法で素早く土に還れるらしい。細かいところまですごいよ魔法!言葉には出さずにこっそりと感心する。

 しかしながら話を聞きたいと思っていたここの村の占い師のおばば様はあのお金の亡者な幽者なユウシャの奴らの刃にかけられていた。うん、丁重に埋葬したんだよ。


「ううん、これで一つ手掛かりが消えてしまったんだよ。あの糞ったれな魔王がなんであんなに頑張ってるか占ってもらおうと思っていたんだけどなぁ」

「占いに頼って探そうというのが間違いだったんですよ。小説でもあるじゃないですか。事実は足でまず稼ぐんですよ!」


 おお、サラさんが熱く語っている!推理ものが好きなのかな?真実はいつも一つ!


「にゃ、仕方ないですよ。ですから一度都古に戻って……」

「風詠みなら私にもできますよ?」


 振り向くと玲君の頭にたわわな二つの果実を乗っけている犬耳お姉さんが小さく手を挙げていた。

 まって、ちょっとだけ良いかな?玲君、そこ変わってくれな、あ、いえ、何でもないです。苺ちゃんとロベリアちゃんのジトありがとうございます!お話をどうぞ?


「風詠みの修行自体は既に終えておりますので、おばば様ほどの正確さではありませんが、おおよその事は分かるかと思います」

「……それならそれでいいよ。おおよそでも指針さえつかめれば助かるからね。五里霧中というかどうするか迷ってるところだったからね。あのヒゲのおっさんを追い出すのは確定なんだけど、追い出す前に何考えてこんなことしてたかわからないと君が悪いと言うか気持ちが悪いんだよ」

「ですね、事後処理もありますし、何をされてるか把握できなくとも大まかにわかれば助かります」


 サラさんの期待値高めだったりするんだよ!うん、本当に大まかでいいからね!あっちの方でなんか悪いことしてそう、とかね!


「それくらいならわかると思います。これでこの村を救っていただいたお礼になるとは思えませんが、是非やらせてください」


 お姉さんがやる気だ!そして頭の玲君に二つのお餅が乗ってが照れて顔が真っ赤だよ!可愛いな!そんでやっぱりうらやましいんだよ!ぐぬぬ、どうにか、か、かわって……。うん、いえ、何でもないです!ふふ、おねショタか……アリだな!


「真人さんってなんというか変な人ですね……」

「気にしたら……まけ、真人さんは。へんな、人……だから」


 あれれ?おかしいな?おかしいぞ?苺ちゃんの評価が散々だ!俺は普通、普通だよ?変人さんじゃないよ!変なおじさんじゃないよ!まだ花の十代だしね!


「まぁ、真人様の評価は据え置きなので置いといて」

「据え置きってなにかな!?」

「風詠みってどこでやるんですか?場所を移してやるのならみんなでついていきますが」


 あれ、聞こえてないかな!据え置きって何かな!おーいロベリアちゃん?ロベリアちゃん?


「それならここで問題ありません。必要なのはこの身と風の精霊様への祈りの気持ちですから」


 にっこりと、お姉さんが笑顔だ!うん、笑顔だとより美人さんだ!でもね、俺は普通の人だから!もう仮面も付けてないし?はっ!俺の評価の原因は仮面さんなのかな!?ねぇ、そうだよね!たぶんそうだよね?


「そういう事なら早めにお願いします。真人様もこう見えて忙しいお方なので」

「かしこまりました。それでは――」


 話をみんな聞いてくれないんだよ!いいさ、どうせ俺なんて……。


「真人さん、その、元気出してください」

「玲君はいい子なんだよ!これでなんで女の子じゃないかな!」

「それ言っちゃった!僕気にしてるのに!気にしてるのに!」


 うん、玲君見た目だけなら女の子でも通じそうなくらい可愛いからね!髪型もおかっぱだし、動きやすいようにスパッツはいてるのが女の子らしさに拍車をかけている。上もぴっちり系じゃ……。


「う、動きやすい装備を選んでたらこうなっただけだって!うぅ、もう、元気づけようとしたのに……」

「ごめんごめん。おかげで元気になったよ。玲君の反応がいいからつい、ね?」

「こういう人ですから、気にしたらダメなんです。基本放置です、放置」

「なるほど、そうすればいいのですね」

「な、納得にゃ」


 みんなに納得された!というか最近ロベリアちゃんの反応が冷たいと思ったらそういう訳だったのか!寂しいから頭を撫でておこう。ああ、ロベリアちゃんの髪の毛はふわふわで撫で心地がいいなー。


「と、いうわけで続きをどうぞ」

「ある意味貴方が一番すごいわね」


 サラさんがなんでか感心してる。うんうん、ロベリアちゃんはすごいんだぞ!かわいいし?


「こ、こほん。では、失礼いたしまして――」


 ふぅ、と犬耳のお姉さんが大きく息を吐き、魔力を練る。するとふわりと風が巻き起こり、目に見えるほどの濃密な魔力が形を取り始める。この子たちが風の精霊たちなのだろう。


「大いなる風の精霊よ――かの魔王の成すは何か示したまえ――」


 ゴウ、と風がふきあがり犬耳のお姉さんの周りをくるくると精霊が回り出してふわりと消えた。

 これで占えた……のかな?


「……大いなる厄災がこの地に迫る。鋼鉄の悪魔目覚めし時、大地は焼き尽くされ、あまたの命が落とされるだろう――との事です」


 鋼鉄の、悪魔?くるりとグルンガストさんを見る。


『私……私が……』


 バイクからロボモードになってるグルンガストさんが気になる反応を見せた。んんん?もしかしてもしかすると心当たりがあるのかな?


『……はい。話そうとは思っていたことなのですが、今がその時のようですね。実は、今回私がオウカ姫様と共にこの領に来たのぐhr@あ』


 不意に首が無くなったグルンガストさんがぐらりと倒れた。うん、そう来るかー。そう来るのか―。


「それ以上はダメ……にゃ?」


 バイクなグルンガストさんの首をつかんだクロエさんが、金色の瞳を光らせてニヤリと笑った。

 うん、猟奇的だけど可愛いな!え、言ってる場合じゃない?知ってる!!

またまた遅くなりました。

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