22話:一昔前のパソコンの容量を見ると今のパソコンの容量に驚愕するよね?
もちもちとこの土地で特産の小麦でできたパンを食べる。日本人の俺好みの少し甘めで中にドライフルーツが入ってる甘味パンだ!すっごく美味しいよ!空腹にしみいるんだよ!本当に全部焼け落ちなくて良かったんだよ!こんなに美味しいパンが食べらなくなるなんて損害もいい所かなって!どうかな少年、美味しいよね!
「う、うん。美味しい。けど、その、僕は……」
「知ってる。けど、君は彼らを助けようとしたんだ。だからこのパンを胸張って食べる権利があるんだ。そこで逆さづりにされて突かれてる商人とは違うから安心していいよ?」
「そうそう、玲くんがいなかったら私はあいつらにおもちゃにされて奴隷とされて売られていたんだから。ふふ、あの時立ちふさがった玲くん、格好良かったよ?」
そう言って犬耳お姉さんが少年を後ろから抱きしめながらなでなでしてる。尻尾をぶんぶんふってるよ!よっぽど気になられてるようだ。うらやましいな!変わって欲しいくらいなんだよ!
「だけどこれで僕は向こうの国に帰れなくなくなりました。向こうの国に嫌気がさしていた所なので後悔はありませんが、僕はこれからどうすれば……」
少年がしょんぼりと頭を垂れている。うん、可愛い顔が台無しなんだよ!そういえばこの子のチートは聞いたところによるとアナライザーという解析と書き換えという話だ。つまり、何でも調べられてそれを治したり逆に壊すこともできると言うチート。怪我や病気もステータスと認識してしまえばそのチートで治すこともできるわけだ。すごいチートだ!これはもう人材として欲しいよ!
そういう訳で少年、君が欲しいんだけどどうかな?一緒に働かないかな?今ならお姉さんたちがいっぱいだよ!女性比率が高いから小さくても男子が一人でも来てくれたら嬉しいなって!おっさんはいらないけど俺と同じ十代がいてくれるのは嬉しいんだ!ライガーはなんだか頼りないし、俺の味方になってくれないんだよ……。
「え、ええと、つまり魔王の元で働かないかって事ですか?」
「魔王というかサクラちゃんというかオウカ姫さんだよ!ここの領の本当の主で、大魔王の娘な魔王で俺の大事な恋人さんなんだよ!」
「……色々と言いたいことも聞きたいこともありますが、人の国に侵攻するつもりがあったりは?」
「しないしない。しても何も徳が無いのに何でする必要があるのかなって?というか、向こうが来てるから迎え撃ってる感じだよ?今日だってそうだったし。こっちの人材を勝手に奴隷狩りとかされたらたまらないんだよ!あれだよ!領民の幸福は義務なんだよ!まぁ、これからはね!」
「領民、か。……なるほど、僕が聞いていた話とは何もかもが違うみたいです。亜人は悪魔で魔王は邪悪。勇者はそれを切り払う希望だと僕は聞いていました。けれどもあなたの話では真逆もいいところだ。これでは真の邪悪は人じゃないですか」
うん、そうだったら単純明快、気分爽快、晴れやかな気分で人の国に爆弾でも投げつければいいだけだろけど決してそんなことはない。
人の国も魔王の国も正義もあり、悪もある。結局のところどっちもどっちで同じかなって?俺だってこの前魔王を二人位倒したし?
「え、ま、魔王を!?い、一体どんなパーティで……」
「一人で?ふふ、流石の俺も死にかけた、というか死にかけた所を大魔王にころころされたんだよ!はっ!そういえば今日は殺されてない!俺この世界にきて初めて死なずに一日を過ごせそうなんだよ!」
今更気づいたけど大魔王の傍にいなかったら俺って死なないんじゃないかな!死にかけはするけど、毎日ころころされて転がされるというか必殺技決められることもなくなると思うんだ!そこんところどう思いますか、グルンガストさん!
『大魔王様の趣味ですので、私からは何とも……』
く、顔を逸らされた!というかバイクからロボにいつの間にか変形してるんだよ!変形シーン見たかった!すっごく見たかった!!
「この方が噂に聞く大魔王四天王の……」
『グルンガストと申します。ただ、現在は意識データだけをこのバイクに移して本体から遠隔操作しておりますので、実際の私とは違うとは思いますが』
「あれ?そうなると向こうの本体のグルンガストさんは話しかけても反応が薄かったり?」
『レスポンスは同等程度ですが、通常で比べると本体の方が少し早いです。しかし戦闘などになると、要領をこちらに割り振ればこちらのレスポンスが格段に速くなります』
ふむふむ、どちらにせよ今ここにいるグルンガストさんは無線式で動いているらしい。くっ、なんて豪華なラジコンなんだ……。そういえば、一緒に来てる車も!?いいな!俺すごく欲しいんだよ!お給料じゃたりないかな?絶対足らなさそうだ!!ぶ、分割……。
「その、差し出がましいようですが、意識を分割して後で記憶データだけを統合と言う事は出来ないのですか?」
そっと小さく手を挙げて玲くんが言う。確かにその通りだ。そうすればどちらも速度が格段に上がる可能性もある。
『……確かにその通りです。ですが、残念ながら機能の制限がなされており、これ以上の事ができないんです。尤も、現状以上を必要としていないせいもありますが』
「なるほど、必要ないからか」
うんうんと玲君が顎に手を当ててかわいらしくうなずく。
ううん、必要ないからしないのかな?なんとなくだけど気になるんだよ!教えて欲しいな!ダメかな?……秘密らしい!




