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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第八章:勇者な執事と魔法学園の姉妹の絆。ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!
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32話:スーパー・ハイパー・ギガ・メガ・テラが文字にくっつくだけでワクワクするのに年齢は関係ないモノだよね?

 塔から独立して伸びている渡り廊下の先にあるラボは魔法により幾重もの結界が張られており、基本的には中の物音すら聞くことは難しい。

 再び潜入している公くんに持たせた木札から送られてくる木札で音は拾えているのだけど、聞き始めからなんだか怪しい。


『カトレア、大丈夫でしょうか?やはり私も一緒に行った方が……』

「もしもあのおヒゲな先生が霊的なものが見える人だったら、アイリスちゃんが幽霊になってる事がバレるのは非常にまずいからここで待機かな」


 心配だからとここまでついて来ていたところを、俺が引き留めたのだけど……やはり心配らしくそわそわふわふわとしている。うん、だからパンツが見えてるから!


 昨日の話を鑑みるに今、アイリスちゃんがこんな状態になっているのはビアス先生が彼女をプラントとやらにしてしまった事が原因。恐らく、肉体が魔石の浸食を受けたものの、拒絶反応として魂だけが逃がされたのだ。もっとも、それでも精神というラインでつながっているせいで彼女の姿は少しずつ魔石の中へと吸い込まれているようであるけれども。



 ガタン、と盗聴している木札から音が聞こえ、ビアス先生の何だか勝ち誇ったような言葉が聞こえて来た。


 ――どうやら目算通り、カトレアちゃんがさらわれたらしい。


 が、外には出てきていない。と言う事は、秘密の入り口とやらはあのラボの中のようだ。そうなればすぐにでも突入したいところだけど……。と、考えたところでバゴンという衝撃音と共に、ラボの扉を突き破り、うちの妹が吹き飛ばされて来た。


「あいたた……。うう、何この人強すぎないかな!」『真理、集中を乱さない!』


 シロスク衣装の真理に目掛け、見知らぬ青年がその拳を振るう。

 私がある程度頑張るから見てて!と啖呵を切られていたりするので、ある程度は見守ってあげたいけれど……残念ながら時間が無いので割って入って渡り廊下の外へと蹴り飛ばす。


「な、わ、うあああああああ!?」


 驚いた表情と共に、青年は割と高い位置にある渡り廊下から下へと勢いのままに落ちて行ってしまった。ううん、大丈夫かな?まぁ、攻撃してきたから正当防衛だよね!オレワルクナイ!


「兄さんって、その、思っていた以上に大雑把だよね?」

「……そう?」

『はい、その通りかと』『間違いないのぅ』


 ぷよぷよと浮いて居る精霊姿の沙夜とヒルコ様にまでジト目でそう言われてしまった。ううむ、解せぬ。


 二人の争いで荒れ果ててしまったラボではあったが、隠し扉のある本棚はどうやら壊れていなかった。もしかすると、さっき下に落ちていた兄ちゃんが壊さないように気を付けて戦っていたのかもしれない。真理にはまだまだ、目の前ん敵以外に気を配って戦う余裕はないだろうしね。


 ぐいと扉を開き、階段を下りて行くとそこは書庫になっていた。


「先生たちは今どの辺にいるの?」

「もうここにはいないね。どうやらすでにダンジョンへの隠し扉のある水路に入ったところみたいだね」


 そうなんだ、と言ってまだ変身後の感覚に慣れていないのか、ぴょんぴょんと飛び跳ねるように真理が辺りを探索している。ううん、妹ながらに目に毒な恰好だ。記事は薄く、体のラインは丸見えでかなりぴっちりとした格好になっている。フリルはついていてスクミズよりは表面積が多くなっているけれど、見ていると思わずドキリとしてしまう格好であることに変わりは無い。誰だよ、あんな衣装にしたのは!可愛いけど!可愛いけどさ!……そういえばデュミナス何とかって、ビオラちゃんと同じである。いや、まさかね!うん、意匠が違う気がするし?ビオラちゃんの話を聞く限りではあの神様はスカートフリフリタイプで下着はレオタード派みたいだし?……後でヒルコ様を問い詰めるとしよう。多分原因はこっちの神様だよ!


『……真人の視線が何だか怖いのだが』『恐らく自業自得ですね』


 そんな声がぼそりと聞こえた気がしたところで、目的のモノを見つけた。

 部屋の一番奥、少し開けたところにその魔方陣はあった。これが隠し水路への入り口で間違い無い。


「でも、どうやって入るの?ううん、そのまま乗っても反応しないけど……」


 魔方陣の上でぴょんぴょんと真理が跳ねて首をかしげている。ああ、我が妹は可愛い……。


『こういうタイプの魔方陣は、上に乗った後に魔力を通しながら呪文を唱えれば起動できます。真人さん、その呪文は既に分かっているんですよね?』


 ふわふわと浮かびながらアイリスちゃんがニッコリとほほ笑む。


「もちろん、ちゃんと覚えてる。公くんがぜーんぶ音を拾ってくれていたからね」


 ふぅ、と息を吐き陣の上に真理がいるのを確認してその呪文を唱える。


「今、新たなる世界を開け!ギガ・マジカルウェーブ!!」


 そんな魔法はありはしなくって、只の始動キーである。男子ってスーパーとかハイパーとかギガとメガとかテラとかつけるの好きだから仕方ないよね?だって格好いいし!!


 魔力を通した瞬間、魔方陣から光が溢れ出し――次の瞬間には俺たちは別の空間へと飛ばされていた。


 薄暗く、ホコリっぽいその部屋は扉が風化して壊れてしまっており、その昔何かの研究をしていた施設の一部だと言う事だけが見て取れた。

 壊れた扉の外に水路が通っており、水路を挟むように俺たちが跳んできた部屋と同じ風化したラボが点在していた。

 どうやら、ようやっと俺たちは目的地へとたどり着けたようだ。


「お兄ちゃん、急ごう!速くしないとカトレアちゃんが!」

「ん、分かってる」


 けれども、そこは抜かりない。だって――頼りになるボディーガードがそばに居てくれているんだしね!

とてもとても遅くなり申し訳ございまs( ˘ω˘)スヤァ

大変な時期ですが、ご愛読いただいている読者の皆さまも体調にはお気を付けくださいOTL

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