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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第八章:勇者な執事と魔法学園の姉妹の絆。ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!
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24話:パンチラと聞いてパンダがチラリとしている画像を見せられた時の気持ちは何とも形容しがたいモノだよね?

 仲良きことは美しき哉。

 久々の再開にロムネヤスカ姉妹が嬉しそうにきゃっきゃとはしゃいでいる。

 そしてまたチラチラと見えるアイリスちゃんのスカートの中身。自分が浮いてることをもう少し考えて欲しいな!俺に向けられるライガーの視線がとっても痛いから!


「そういえばギルド長に呼び出されたって言ってたけど何言われたの?」


 デュフフーとか言って言いながら我が妹が戯れるロムネヤスカ姉妹に視線を向けたまま聞いてくる。話をするときはこっちを向いて欲しいな!お兄ちゃんちょっと寂しい……。


「ああうん。爆速で、かつ少数パーティーで、更に初日にダンジョンを一気にクリアしたからランクを上げさせて欲しいって言われたのと……」

「ギルド所属の冒険者にならないかとお誘いを受けたわけです。ギルド所属ともなれば、報酬は通常よりも上乗せされる上に固定給まで支払われるそうでして」


 そう、シレーネさんが補足してくれた通り悪い話ではなかった。けれども、その話は丁重にお断りさせてもらった。


「確かにお給金はいいけど、ココ固定になっちゃうからね。目的はあくまでも勇者教の国に勇者教所属候補としていくことなんだよ」


 とはいえ、ここにいる間は何かあったら頼って貰って構わないと言ってある。そうしておけば、ここで生霊してるアイリスちゃんの事が何か少しでも分かった時にすぐにでも教えてくれると思ったからである。


「だけど、本当にどうしてこうなったのか何もわからないのです?」

「うん、わからないの。確かにあの日は夜遅くまでビアス先生とお話していましたけど、部屋に戻ったことは間違いないはずです。はず……なんですけど、ううん、なんでダンジョンなんかに……」


 うーん、と何度も何度もアイリスちゃんは首をかしげている。

 幾つも可能性は考えられるけれど、まずは情報が足りていない。今日はダンジョンに潜ったから明日は休養日としてもう一度学園内をめぐって調べてみるとしよう。分身で探したけどアイリスちゃんの部屋には魔法でロックがかけられていて入れなかったんだよね……。


「真人でもできないことが!?」

「いや、驚かれても困るんだけど、俺にもできないことはあるからね?入ろうと思えば入れたけど、物理的に吹っ飛ばす以外に方法が見つからなかったから……」

『物理的には吹っ飛ばせるんですね……。下手な銀行の金庫クラスには頑丈なはずなんですが……』


 ライガーだけでなくアイリスちゃんも唖然とした顔をしている。うん、あの程度ならいけるかなって思ったんだけど、流石にケモ耳奴隷な小さなメイドさんたちがそれこそ聞き耳を立てていたので諦めた。吹き飛ばしたらあの子たちのせいになるのは流石に心苦しいんだよ。


「ともあれ、明日はアイリスちゃんに部屋を開けてもらって中を見たいんだけど……ダメかな?」

『それは……構いませんが、その』

「ああ、大丈夫だ。ボクが一緒についていくとしよう。流石に女の子の部屋に男のこいつだけ入れるのは抵抗あるだろうしね」

『いえ、その、違うんです。何と言いますか……と、とても人にお見せできるような状態ではないといいますか……』


 しどろもどろとアイリスちゃんの視線が泳ぐ。どうやら部屋の中には彼女の見られたくないモノが色々と散乱しているようだ。うん、だけどね。物凄く言いにくいんだけど――。


「でも、行方不明になって数日たってるってことは警備の人とか先生が様子を見るために中に入ってるんじゃないかしら?」

『……ふぇ?』


 アイリスちゃんの顔がサァと青く染まったかと思ったら真っ赤になって、そのまま床に突っ伏してしまった。うん、だから見えてるからね!


『お……オワタ。私の人生が、全部見られて、みら、見られてしまいました……。ごめんなさい、お母様、私もうお嫁にいけないです……』

「だ、大丈夫なのです?」


 るーるると涙を流すアイリスちゃんをカトレアちゃんが何とか慰めようと虚空(彼女の背中)を一生懸命になでてあげている。そこまでの反応を見ると逆に気になってしまう。うん、本当に何が置いてあるのかな!むふふ、何だか楽しみなんだよ!


「兄さん、あんまりいじめないであげてね?でも、明日何があったかは教えてね?」

「大丈夫だ妹よ、もちろん包み隠さず報告するさ!」

『や、やめてくだしゃい~!』


 グッと親指を立てて真理とにっこりと笑いあう。――ああ、こんな日が来るのをどれほどに待ちわびたか。あの日、俺は死んでしまって。もうこんな時間を過ごすことなんてできないと思っていたのに――


『兄妹で分かりあった瞬間が、可愛い女の子の部屋の報告をすることなところは気にしては負けでしょうか?』

『……真人らしいといえばらしいのではないか?』

『らしいといえばらしいかのう』『確かに』『『『『『『うんうん』』』』』』


 後ろの方でマスコットたちの呆れたような視線を感じる。フレアはビオラちゃんのお膝で寝てるけど!可愛いな!


「っと――そういえばアイリスちゃんに聞いておかないといけないことがあったんだ。アルフレッドさんがアクシオムの王子様だってよく知ってたよね?どこかで見たことあるとか?」

『いえ、実のところ知り合いなんです。だって、アルフレッド王子はうちのラボのパトロンなんですから』


 なるほど、それならば知っていたとしてもおかしくはない。それと同時に、あのイケメンさんにも容疑がかかったようなものだけれど。


 窓の外には夕闇に登り始めた二つの月。


 ――三つ目の月は今日も見えない。

今日も今日とて遅くなりましt( ˘ω˘)スヤァ

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