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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第八章:勇者な執事と魔法学園の姉妹の絆。ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!
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20話:ゲームのダンジョンはマップをまんべんなく回って宝を集めて終えてから先に進むモノだよね?

 ダンジョンの中には薄明りを灯すモノが幾つも存在する。

魔鉱石と呼ばれる魔力を宿す石がその代表例として挙げられるだろう。大地に流れる魔力を吸い上げて明かりを灯すその意思は冒険者たちの道標として良く使われている。明かりが強いほどに魔力循環率が高いモノであり、高値で取引される。魔力ランプなんかにも使われているのがこの鉱石だ。ちなみに個々のダンジョンでは採掘は禁止されている……というか天井数十メートルの位置に光って見えてるだけだから普通じゃ取りようも無いだろう。……まぁ、取ろうと思えば採れるんだけどね!


「せいやああああ!!」


 雄々しい叫び声と共に目の前のゴブリンたちをライガーが手に持った刀に次々に切り伏せていく。

 現在五階層。全部で十階層あるとパンフに書いてあったから大体半分程度降りてきた感じだ。というか、ライガーが前衛で張り切ってくれてるおかげで俺らは荷物を持ってのんびり歩いているだけだったりする。うん、やることなさすぎるな!


「そう思うんなら真人ももう少しまともに戦えよ!お前が戦わないからボクが頑張ってるんだからな!?」

「え?そうなの?それなら早く言ってよー」


 とはいえ、俺の手出しする間もなく今回の一団もライガーが一人で倒し終えてしまった。そもそもな話、ライガーの実力は大魔王城でもトップクラス。もちろん大魔王や四天王たちの足元にも及ばないけれども、実力だけで言えば魔王クラスに近いとも言っていいだろう。まぁ、姫騎士隊のトップやってるくらいだしね!そりゃあ強い。


「はいはい、お疲れ。はい水」

「って、気軽に手渡してくれるけど、水筒の中身は大丈夫なの?計画して飲まないと後が辛いぞ、後が」

「そこは大丈夫。だって俺もビオラちゃんも水をその場で作れるからね」


 水道いらずで美味しいお水をすぐに用意することができる。一家に一人ビオラちゃん!うん、俺はどうかとお勧めしてみたらライガーに丁重にお断りされてしまった。解せぬ……。


「それで、一気にここまで降りてきたけど何か目標はあるの?」

「とりあえず最下層まで行ってみたいなって」

「……お、お前なぁ」


 とりあえずで潜るモノじゃないというのは重々にわかってはいる。いるけれど、潜ってみるのがセオリーだと思うんだよね!ほら、言うじゃない。何故ダンジョンに潜るんのか?それはそこにダンジョンがあるからさ!……ってね?っと、ドヤ顔をしてみたらビオラちゃんにシレーネさんも加えてナイナイと手を振られてしまった。あれれ、そう言うモノじゃないのかな?おかしな?


「真人がアレなのはいつもの事だし気にしたら負けか。ともあれ最下層に行ってあの子のお姉さんがいないかを確認したいってところだろう?」

「アレって何かな!?……まぁ、そんな感じ。ダンジョンに自分から行ったのも不可思議だけど、もしダンジョンに入らされたのなら何か目的があった可能性があるしね」


 分身を飛ばしながらダンジョンの方々を探してみて回っているけれど、隠し部屋的なものは特に見たらない。宝箱も特に落ちてないんだよ!


「そもそも何でダンジョンに宝物が落ちてるんだ?普通に考えて魔王やダンジョンマスターが設置するわけ無いだろ」


 ライガーが首をかしげて正論を言い放つ。確かにその通り。敵に塩を送るなんて自分と同じ高みに上ってきたやつと対等に戦いたいとか思っている奴か、自分が与えたモノ程度で自分が倒されるわけが無いとタカをくくっている奴だけだろう。まぁ、罠として設置するのもありなのかもしれないけども!


「ああ、なるほど。それなら確かに納得がいくかな。その宝箱が一つの罠を仕掛けるためのギミックになる訳だしね」


 つまるところ、最後の最後。これは絶対にすごい宝物だ!と思わせておいて罠な訳だ。もしくは宝箱は本物でも設置してある場所が罠というのもありだろう。なるほど、今後のダンジョン作成の参考にさせてもらおう。メモメモ。


「それにしてもサクサク進み過ぎじゃないか?まさかとは思うけど、地図でも売ってたのか?」

「いや、すでに踏破されているダンジョンだからね。人の足跡が一番多い方に進んでってるだけだよ?」

「だけだよて」


 ライガーがジト目でこっちを見ているけれど、それで正しい方向に進めているのだから問題ない。分身を飛ばしてこっそりと先行して道を探しているのはここだけの話である。ふふ、その方が格好いいしね!


(オレ)、参上』


 ぽむん、と頭の上にモフモフ姿のフレアが姿を現す。現状をアークルに知らせに戻っていてもらったのだ。


『あちら側は問題ないって。あと、真人の妹の事話したらシルヴィアが頭抱えてた』


 なんでだろうねーとフレアは言うが、そりゃあ急に自分に義妹ができるわけだから驚くのも無理は無いだろう。うん、俺も逢えるとは思ってなかったしね!


 階層をサクサクと降りて下って、時折現れる魔物たちを狩っていく。一度だけフレアにブレスを吐いてもらったけれど、魔石さえ残らずに燃やし尽くしてしまったので一度だけの出番と相成ってしまった。


『うう、己役に立てない……』


 頭の上でフレアがしょんぼりとしている。まぁ、このダンジョンが初心者中の初心者向け過ぎてそこまで強い個体が出てこないから仕方がない。道中で出てくるのは殆どが緑色の魔石しか落とさない魔物たち。白色の魔石もたまに出てくるけれど、ライガーが一瞬で処理を済ませてしまうから強さの実感もあったモノではなかった。どうしよう、本当に出番無いぞこれ!

今日も今日とて遅くなりましt( ˘ω˘)スヤァ

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