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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第八章:勇者な執事と魔法学園の姉妹の絆。ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!
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2話:実は猫もボールを投げたら持ってきてくれたりするって意外と知られてないよね?

 久しぶりの大魔王城の空中庭園。

 サクラちゃんがいなくなってからはお城のメイドさんたちが代わる代わるにお手入れをしてくれていたらしい。


「毎朝の水やりはプニカさんとクレオさん。お庭のお手入れは他のメイドの皆さんがやってくださっているんです。でも、雑草抜きお城のオーク隊の皆さんがやってくださっていて……」


 そう言うビオラちゃんが苦笑いを浮かべる。大方、お庭のお手入れに来てるメイドさん目当てなのだろう。うん、職場って意外と出逢いが無いからね!特にオーク隊は独身貴族が多いみたいだし……仕方ないネ!


 ここに集まったのは他でもない。サクラちゃんを探すための捜索隊をどうするかという指揮を一任してもらったので、その事をサテラさんと共に急いで戻って来た奥さんたち――フレアにシルヴィア、ビオラちゃんにイオちゃんに相談するつもりだったのだ。

 捜索隊の内訳は俺を筆頭として、ライガーとビオラちゃんにフレア、そして今のあちら側の情勢を知っていると言う事でシレーネさんと少人数での編成とするつもりだ。


 本当は夏凛ちゃんと林檎ちゃん、苺ちゃんを連れて行きたかったのだけど、こちら側にいる事をすでに知られてしまっている、との事で連れて行くことができない。まぁ、林檎ちゃんは特に福利厚生的な観点でアークルから出せないのがここだけの話。一日数度だけとはいえ、エリクサーに劣るとはいえ、大魔法クラスのヒールを広範囲に行使することができるなんてチートもいいところである。うん、本人はそのすごさに今一ピンと来てないけどね!感謝されてうれしーくらいにしか思ってないし……。


「まぁ、ボクの旦那様なら攫われたサクラを探しに行く!と言い出すのは分かっていたけどねー。ボクたちを置いて」

「ぐふぅ!?」

「折角、お嫁に来たのに――しばらく――会えないのは――寂しい、です」

「がふぅ!?」


 シルヴィアの言葉と伊代ちゃんの言葉がワンツーとフックを決めてくる。分かってる。うん、分かってるんだよ?ホントダヨ?


「だ、大丈夫です。私はご一緒いたしますから!」

「ん、己も一緒」

「うう、ありがとうビオラちゃん、フレア……」


 ナデナデと俺の頭をビオラちゃんが優しく撫でてくれる。フレアは俺に抱き着いたままスリスリして可愛い。ああ、癒される……――何だかシルヴィアのジトが痛いけれどそっと流しておこう。


「だけど、他に連れて行かないのかい?潜入ならロベリアに姫騎士のクロエが得意だろうし……」

「んー連れて行きたいのは山々なんだけどね。人数が多すぎるとあんまりに目立っちゃうからどうしても数を絞らざるを得ないんだよ」


 実のところ、最近戦えるようになったビオラちゃんは後ろの方で日向ぼっこに勤しんでいる八岐大蛇なお姉さんたちのおかげで魔王を単独で倒せるくらいには実力を持ってしまっていたりするのだ。フレイは言わずもがな、もふもふモードになれるので、連れて行ったところで目立たないのである。


「それでも、だ。少なくともあと二人は連れて行った方が……」

「ふふ――シルヴィアさんは心配されているんですよ――真人様」

「にゃ!?」


 顔を真っ赤にしてそんな訳じゃなくて!いやそうだけど!と顔を真っ赤にしてシルヴィアがワタワタとしている。ふふ、うちの奥さんは可愛いなぁ!


「まぁ……当てがあるんだ。人の国に詳しくて顔の効きそうな奴が、ね。実力も申し分ないだろうし……」


 正直なところ、ついて来てくれるかどうかはかけでしかないのだけれども。うん、そこは俺の持ち前の交渉力で何とかするとしよう!


「こーしょーりょく?」

「真人にあるか……?」

「うん、フレアとシルヴィアは俺の事を何だと思ってるのかな!」


 お仕事中にきちんと見せてるでしょう!俺ってば色んな所に行って魔王とか商人とかの交渉とか頑張ってるんだよ?!


「ん――大丈夫、です。うまく――いきます――が、その――えと。だ、大丈夫――なのでしょうか……?」


 予知の力を使ったのか伊代ちゃんが不安そうな顔をする。


「……なに、よからぬことをするつもりなのか?」

「いや、問題ないさ。このくらいならきっと……たぶん、恐らく?許してくれると思うしね!」


 アリステラさんには既に手配をお願いしている。これでこれからどうするかはある程度俺の頭の中ではまとまった感じである。よし!なんか行ける気がする!


「不安しかない……。伊代、予知はできないのかい?」

「申し訳ございません――真人様が――勇者の国へ――入る前、その方と――交渉を済ませるところまで。そこまでは――わかるのですが……」


 どうやら何かしらの力が働いているのか、それ以上の子細な予知はできないらしい。うん、まぁ世の中なんてそんなモノ。流転転々として予測も予見も予知ですらも役に立った試しがない。


 それに――俺はそうでなくともあの勇者の国へ行かなければならなかった。


 聖剣ジ・アンサーの誕生したその地へと。


「真人様、準備が整いましたのでお連れいたしました」


 振り向くとそこにはメイド長のダリアさんと、鎖と()()()()()をつけられた――ライガーの姿がそこにあった。

今日も今日とて遅くなりまs( ˘ω˘)スヤァ

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