26話:子犬とか子猫と可愛い動物を見ていると可愛すぎて可愛い以外の語彙が無くなって来るものだよね?
広い湖の透明度は高く、水底を泳ぐ魚まで見えるほど。
なるほど、これは観光地になる訳だと水着姿で一人頷く。湖面に移る逆さ芙蓉山は本当に見事で、今は青々とした周りの木々が紅葉する秋ごろも見ごたえがあるとの事だった。うん、これはまた来て見るべきだね!もちろんサクラちゃんやフレア、シルヴィアにビオラちゃんも一緒に。
こっちの国は魚介も充実してるけど秋刀魚っぽい魚もいると商人のおっちゃんが言っていた。秋ごろに上がる秋刀魚っぽい魚は脂がのって柑橘系の実をひと絞りして醤油を垂らして食べるのが格別なのだそうだ。そりゃあそうだよ!不味いわけが無いじゃあないか!ぐぬぬ、食べたい……。鮭もあるのかな?ああ、イクラ!醤油漬けされたイクラを熱々のご飯にのせてカッ喰らいたい!
「なんだか真人様が怪しい顔で握りこぶしを振るってますが、大丈夫なんです?」
「ええ、問題ありませんね。いつもの事です。真人様は変人ですから」
後ろの方からナナちゃんとロベリアちゃんのひそひそ話が聞こえる。失敬な!俺は変人じゃないぞ!
「では変態で」
「余計に悪化している!?」
いつも思うけれど、どうしてここまでロベリアちゃんの好感度が低いのだろうか?いつもお膝にのせて上が間をナデナデしてあげたり添い寝して欲しいと言うから一緒に寝てあげたりすることもあるのに……。
「いや、それは逆でむぐぐ!?」
「ナナさん、いいですか?言わなくていい事もあるんです」
うん、本当に不思議だな!
初めての水着だと言うロベリアちゃんが来ているのは紺色の水着。フリルはついているけれど、うん、どう見てもスクミズを改造した水着だよね!いや、可愛い。すっごく可愛いんだけど、やっぱりスクミズだよこれ!
「スク……ミズ?」
「異世界の水着ですね。まぁ、うん。一部の男性には大人気の水着です」
首をかわいくかしげるロベリアちゃんに説明してあげているナナちゃんが来ているのはフリフリなセパレートタイプの水着。ううん、普段隠れて見えない太ももがとってもまぶしい!
「小さいとか思ったらこのボールをぶん投げてやりますね♪」
「思ってないことで投げつけようとしないで!!思ってないよ!本当に思ってない!それも含めて可愛いと思うかランデブゥ!?」
柔らかいビーチボールとはいえ流石に至近距離でサービスエースを決められてしまったら痛い。うん、痛いな!
「まったく、何をされているのですか?」
「女性の胸に貴賤は無いと言う話をちょっと……」
「本当に何を話してるんですか」
呆れ顔で現れたサテラさんが来ているのは大胆に背中の空いた黒と白の水着。ビキニタイプでやはり太ももがまぶしい……!
「また鼻を伸ばしてる」
「サイテーですね」
後ろのメイド二人のジトが割と痛い。ふふ、仕方ないじゃないか。綺麗なものは綺麗なんだから!
「それなら、ボクらもキッチリと褒めてもらわないとね」
と、ドヤ顔で現れたのは愛する妻たちだった。
「ん、ほめてもらう」
「は、はわわ……。こんな姿で歩いて大丈夫なんでしょうか?」
「大丈夫ですよ。とっても可愛いですから!どうですかまーくん。似合ってます?」
ニッコリとほほ笑みを浮かべるサクラちゃんは白いビキニにパレオを腰にはおり、頭には白い帽子をつけている。腕の手袋はこのまま外さないらしい。うん、水着にあってるしこれはこれでいいのかもしれない。
フレアはロベリアちゃんと同じタイプだけど色はピンクと白の水玉模様で、背中が大胆に空いたタイプになっていて、綺麗な背中が丸見えである。そして、そのまま着たら巨大なメロンが収まらなかったらしく、そこの部分だけ布とフリルを継ぎ足して補正してもらったらしい。ううん、いい仕事してるなぁ!
シルヴィアは黒系のビキニタイプ。サクラちゃんと同じくパレオを腰にはおっていて、お揃いになっている。
ビオラちゃんの水着は水色でリボンを沢山あしらったもの。小柄ながらに大きめな胸がぐんと押し上げられており、おとなしいビオラちゃんでありながら凶悪なエロ可愛さに仕上がっていた。
――なるほど、すごくいい。
思わず両手握りこぶしを突き上げる。ああ、なんて素晴らしくも美しくて可愛い嫁さんをもらえたのだろう!俺の嫁さんは!みんな!可愛くて美人だぞおおお!!
「ま、まーくん、気持ちはとっても嬉しいですが、叫ばれると、その、少し恥ずかしいです!」
ワタワタとサクラちゃんに俺の魂の慟哭を止められてしまった。いけないいけない、思わず気落ちが高ぶりすぎてしまったぜ!
「ね、あれがいつもの調子なんですよ」
「そうでしたね。失念していました」
ヤレヤレとナナちゃんとロベリアちゃんがジト目で俺を見つめている。ふふそうかな?そうかもね?はい、ごめんなさい!
「はっはっは。どうやら始まる前から楽しんでもらえているようで何よりだ」
「ええ、ホンマにみんな綺麗で羨ましいわぁ」
そう言って現れたのは修羅の国の魔王夫婦である。羅刹さんは俺と同じハーフパンツタイプの水着で、緋乃女さんは明るい赤系のチューブトップタイプのビキニにパレオをつけて、麦わら帽子姿でとっても見女麗しい姿であった。うん、ロベリアちゃん?足を踏まないで欲しいな!綺麗だって感想は持っても失礼じゃないと思うんだ!
「その、私は――泳がなくっても……」
「駄目やで、こういう時だから楽しまないと」
背中をぐいとビキニな椿さんに押されて連れてこられたのは白いスクール水着姿の伊代ちゃんであった。ま、まさかこの真人の目をもってしても見抜けなった!普通にスクミズだと!?いや、よく見るんだ。旧タイプのスクミズじゃあないか!く、ひらがなで「いよ」とか書いてあるとか卑怯にもほどがあるんじゃなかろうか!くそ、可愛い……痛いよ?!ロベリアちゃん、小指はやめて!かかとでグリグリしないで!?
「うう、はずかしい……」
ポッと白い肌を赤く染め、モジモジとするその姿が何ともいじらしい。ううん、こう守ってあげないと言う気持ちがギュルンギュルンと上がって来る。うん、ええとシルヴィアさん?ロベリアちゃんと逆の足を何で踏んでるのかな!
「可愛い妻と褒めたばかりなのに他の子に目移りするからだろう。まったく」
ぷくっと頬を膨らませて可愛いアピールをしてくるうちの嫁さんである。昔のシルヴィアに見せたあげたい気持ちになったけれど、今の彼女が俺の全てなのだから気にしないでおこう。うん、ヤキモチ妬いてくれてるのって可愛いよね!痛いけど!
「はっはっはっ、本当に仲がいいなぁお前の所は。はぁ、うちももっとこう……」
「ん?何か言いはりました?」
「いや!なんでもないぞ!なんでも!」
ビシリと羅刹さんの表情が硬くなる。そういえばどこかで鬼嫁という噂を聞いたっけ?ううん、綺麗で優しそうな雰囲気なんだけどなぁ……。
「それもこれも浪費癖のある兄さまが悪いんやし、仕方あらへんのよ」
はぁ、と椿さんがため息を付く。うん、それはまぁ仕方ないかな!
「真人さん、バーベキューの準備が整いました!」
「お肉もたくさん準備完了」
「ん、ご苦労さん」
ワンコな尻尾をふりふりと嬉しそうに振っているのはフレアの実家、ヴァルカス領での事件の時に雇った二号ちゃんことあんずちゃんである。忍者なアンズちゃんとは名前がかぶってるので二号ちゃんとかあんちゃんとか呼ばれたりしている。その隣にいるのは青鬼の梅雨さん。彼女も同じくヴァルカス領の一件で雇った一人で、普段はメイドさんとしてうちの領で働いてくれている。
「さぁ、喰って遊んでみんなで楽しむとしよう!」
みんなも集まったところで号令をかける。俺の準備も万端。さてはて、後は楽しみつつ機を待つだけだ。うん、何とかするしかないな!
目が覚めたらお休みの一日が終わっていました@17時
はい、いつも通り遅くなりました。申し訳ございまs( ˘ω˘)スヤァ