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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第七章:勇者な執事と東の果ての新婚旅行。はい、鍛えてますから!
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16話:お菓子で生なんとかと付くと大体おいしそうに感じちゃうのって摩訶不思議だよね?

「んきゅ、お帰り」

「ただいま。うん、何で幸せそうな顔でお漬物食べてるのかな!俺とか何だか暑苦しい何かを見せつけられて摩訶不思議だったんだけど!」


 奉行所の待合室でモフモフモードなフレアが職員さんたちに囲まれてキャイキャイとお漬物やらお菓子を食べさせてもらっていた。うん、可愛いから仕方ないね!


「ごめん、真人。己、もう少し我慢すれば良かった。せっかくのデートだったのに……」


 しゅんとした様子でフレアが俺の腕の中に飛び込んでくる。全くもう愛い奴め。まったくもって、フレアが気にする事は無い。だって、どう考えても襲ってくるアイツらが悪いわけだし?しかも、上手くいかなかったら自爆しちゃうしね!

 それに、ご飯を落として怒ったというよりも俺と一緒の時間を邪魔されて怒っていたらしい。うん、てっきり美味しい焼き鳥を落として怒っていたものと思っていたんだけど……。


「それもとっても怒ってる。けど、真人とあんな風にデートする時間を邪魔されたのが一番ムカッと来たの」

「フレア……」


 あんまりにも可愛い事を言ってくれるので、見つめあいながらも思わずモフモフとしてしまう。ああ何て可愛いのだろうか!


「うん、ボクの事も少しは忘れないで欲しいなぁ」

「大丈夫、忘れてないよ」


 何だかとっても疲れたような顔でシルヴィアが頭を抱えていた。どうやらシルヴィアも解放されたらしい。


「っと、サクラはどうしたんだい?」

「先に開放されて、旅館に戻って来てるよ。今、本体()のお膝でお昼寝中かな」


 そう、実の所ここにいる俺も分身なのだ。羅刹さんにはバレバレだったけどね!まぁ、どうせ釈放されると分かっていたし、任意同行だったから流してくれたらしい。うん、まだ商人さんたちの列が途切れてないの!


「なるほど、ずるい」

「ふ、流石は正妻と言ったところか……!」


 何でか二人が悔しそうな顔をしている。うん、だけどお仕事中だからね?あと、ビオラちゃんもそばに居る事忘れてないかな?


「ビオラはいい。いつも真人の為ってがんばってるし」

「ロベリアちゃんのお仕事の延長をやってくれているからね……それを鑑みるとしかたないかなと」


 どうやら二人のビオラちゃんへの信頼は厚いらしい。うん、本当にできた子だからね!


「それで?なんだか表情が硬いけれど、何かあったのかい?」

「……わかる?」

「そりゃあ、これでも君の奥さんだから……ね?」


 ヤレヤレという表情のシルヴィアだが、何だか自慢げである。ううん、そんなに顔に出てたかな?


「まぁ、うん。俺の使っている無限流がこの地ではかなりポピュラーな武術だってことが分かって頭を抱えてたところなんだよ。なんでも魔王の羅刹さんは無限流の正統継承者を名乗っていたりするらしくってね。ううん、俺も正統継承者なんだけどなぁ……」


 無限流は一子相伝――という訳ではないのだけれど、正統継承者を名乗れるのはただ一人。全ての技を識り、全ての奥義を習得し、先代の師を超える事ができ、ようやっと名乗ることができるのだ。

 それはこちらでも同じらしいのだけれど、最後の師を超えるという項目が無い代わりに、この地で最も強い無限流の使い手が継承者を名乗ることができるのだそうだ。つまるところ、修羅の国でいう正統継承者とは魔王の事なのだそうだ。戦いでトップが決まるだなんてどんな修羅の国だよ!って、修羅の国だったよ!!


「真人が頭抱えてる……」

「疲れてるんだ、そっとしておいてあげよう」


 何だかフレアとシルヴィアに生暖かい目で見られる。うん、二人にとってはよくわからないから仕方ないね!けれどもこれは俺のアイデンティティーにも関わる大きな問題なのだ。うん、正統継承者が同時期に二人というのは本来あり得ないこと。なぜなら、俺は師を()()()()()その名を継いだのだから。


「まぁ、継ぎたくて継いだものじゃあないけれど。こんな土地に来て正統継承者を名乗る奴が出てきたら雌雄を決する必要がある訳だ」


 尤も、それを羅刹さんがどう思うかであるけれど。

 うん、いずれどうにか決着をつけないといけないんだよ!流石にすぐすぐはするつもりはないけどね?割と忘れられていそうだけど、俺ってば新婚旅行中だからね!新婚旅行中なんだけどなぁ……。


「ともあれ、自由を手に入れたわけだけど……」

「仮初の自由だけどね。うん、警備と言う名の監視が着くわけだし」


 チラリと後ろを見ると岡っ引きぽいお兄さんたちが十手を片手にこちらをチラチラと見ている。うん、どう見ても怪しい集団だよこれ!


「まぁ、多少の制限は仕方ないか。それじゃあこの後の予定はどうする?」

「ボクは南の方の神社を回りたいかな。木造で作られたこの土地の建築物はやはり興味深い。まさか、数百年も建て替えられることなく使われ続ける木造建築物があるなんて信じられないよ」


 ふんすふんすと少し興奮気味のシルヴィアである。最近分かった事だけれど、シルヴィアは建築物マニアらしくこういう建築物を絵で残すのが趣味だったらしく、写真というものを知ってからはサクラちゃんにプレゼントしてもらった魔導デジカメを片手に近場の建物を撮りまくっていた。もちろん今回の新婚旅行でも撮りまくっており、すでに千枚は入る筈のメモリーが二つ目に突入している。うん、本当に好きなんだね!


「こういう建築物を見る事は勉強の一貫だからね」


 というのがシルヴィアの建前ではあるけれど、どう見てもただの趣味である。まぁ、最初の頃は義務感からやっていたみたいだけど、何かのきっかけでドはまりしてしまったとの事だ。一体何が彼女をここん何してしまったのだろうか?うん、とっても気になるなって!


「それは乙女の秘密。元男だという突っ込みは聞き流すからな」


 残念ながら教えてくれるつもりは無いらしい。それなら今聞いても仕方ないだろう。長い結婚生活、いつかポロっと教えてもらえるかもしれないしね!


「己たちは、買い食いの続き。さっき貰った八つ橋美味しかった。つぎ、生!生食べたい!」


 爛々(らんらん)と目を輝かせるフレア。うん、よっぽど美味しかったんだね!

 どうやらまだまだフレアとの買い食いデートは終わらなさそうだった。

投稿したつもりで寝てましt( ˘ω˘)スヤァ

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