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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第七章:勇者な執事と東の果ての新婚旅行。はい、鍛えてますから!
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6話:京都といえば神社仏閣もいいけど錦の市場で食べ歩きをするのも王道だよね?

 牛車バスのスピードが思ったよりも速い。うん、早歩きくらいしかしてないように見えないんだけれど、普通の車並みのスピードが出ているようだ。大きいからね!歩幅も大きいんだね!


「ぐ、ふぅぅぅ……」

「にゃ、ぅぅぅ……」


 ライガーとクロエは船から降りた時よりも青い表情でなんだかビクンビクンしてる。死んでない?うん、ギリギリ大丈夫かな?


「なんだ、車がダメなのか?しかし、ううむ。うちの領では交通機関として普通に使われているんだがな……」


 なんだか申し訳なさそうな顔で羅刹さんがポリポリと頬を書いている。まぁ、うちの領の人間そういうのに慣れてないからね。ゴーレム車とかに乗るのもかたくなに拒否するし。


「それは!真人の!運転が!壊滅的だからだろうが!」

「そんなことないよ?ただ、速さを求めているだけだよ?」


 と、いきなり動くからさらに顔を青くして椅子に突っ伏してしまった。まったく、無理するなぁ。


「それにしても整った綺麗な街並みですね。なんだか道ごとに名前があるってパンフレットにもありますし」


 パンフの地図を見るサクラちゃんはなんだか楽しそうだ!

 覗き込むと、確かに綺麗に区画ごとに整えられていて、まるで平安京の写し鏡のような街並だった。四方は山に囲まれ、町の中心には大通りが通り、その先に御所……つまるところのお城が鎮座してある。北東と南西には神社のような絵が描かれていて、風水における鬼門を封じているようである。うん、修羅の国何て言う鬼の国なのに鬼門を封じてるのはどうなんだろう?いや、風水的には間違ってないんだよ?間違っては無いんだけどね!


「区画整理をきちんとしていると人の把握もしやすくて便利なんよ。まぁ、それよりもこの街自体が観光地やさかい、整えていた方が映えもええしな?」


 なるほど、椿さんの言う通りだ。というか、街自体を観光地にしているって規模がでかいことしてるなぁ……あれ、なんか侍っぽいい人に町の人が絡まれて……なんか忍者出てきた!?


「ああ、あれは辻営業やね。街に出てあんな風に営業をかけて、お店の前に人を集めてるんよ。まぁ、たまに本物の暴漢がいることもあるんやけど……それはご愛嬌やな!」

「いやいや、椿。ちゃんと演者と分かるよう羽織に紋をつけさせているからな?」


 なるほど、確かに演技をしている人の着ているものにはそんな紋様が描かれている。それが見えたら演者という訳らしい。


「パンフにも書いてる」

「あ、本当だ」


 俺の頭の上で精霊モードなフレアがモフモフと指さす先に確かに書いてあった。この紋様の着物を着ている人は演者です!争ってるようですが、ただの演技なのでご安心ください!と。うん、安心……安心なのかな?


「街には大区画ごとに見回り組も整備してあるから問題ない。今日は無理だろうが、明日は街に繰り出すのであろうから安心して観光を楽しんでほしい」

「ありがとうございます、羅刹さん。ちなみに羅刹さんお勧めの観光スポットはあったり?」


 パンフは持っているけれど、いろんな施設が目白押しでどこに行けばいいかとても悩ましい。だから、お勧めを聞くのが最善だよネ!


「そうだな、ここの川魚の料理屋は絶品だから是非行くべきだな。あとはここ。ここは土産物市が有名でな。帰りに立ち寄るのがいいだろうな。あとは花街だが……ここは明日の夜にでも俺が真人を案内してやろう!ああ、とってもいい所だか……椿、太ももをつねられると痛いのだが?」

「兄さん、お気持ちはよーくわかる。せやけどな?新婚の真人はんを花街に連れて行こうとするんはどうかと思うんよ」

「い、いや、しかしこれは男同士のだな――」

「しかしもへったくれもあらへん!まったく」


 腰に手を当ててご立腹の椿さんである。なんだかいつもよりも子供っぽくみえるのは、よっぽどお兄さんである羅刹さんの事を信頼しているからなんだろう。うん、思い切りつねってるけど?痛そうだな!


「ええとシルヴィアさん。はなまちって何です?お花屋さんなんですか?」

「ああ、要は綺麗なお姉さんがお酌をしてエッチなサービスもしてくれるところだよ」

「えっ!?」


 顔を真っ赤にしてパタパタわたわたとサクラちゃんがして、それを横で聞いたビオラちゃんが同じく真っ赤な顔でうつむいてしまっていた。ああ、可愛いなぁ……。


「酒を飲むくらいなら構わんだろう!まぁ、この話は追々だ!追々!」


 そう言って何とか椿さんをなだめようとしている羅刹さんである。だけどね、羅刹さん。俺ってばお酒飲めないんだよ?飲んでもいいけれど、何というか酔えないし……。


「アルコールも毒と見なされるんです?」

「みたいだね。昔、薄めてないウォッカ……つまりものすごく度の強いお酒を拷問として飲まされたことがあったなだけど、何ともなかったしね?」


 水の神様はお酒好きなのが常なのだから弱そうなものなのだけれど、うちの神様は特にそんな逸話がある訳ではないので問題ないらしい。


『吾らは酒はダメだな……』『飲んで殺られたからのう』『お酒、絶対ダメ!』『健康の為なら、少しくらいなら……』『だからダメだって!』『この状態って、ビオラとつながってるからね。飲んだらたぶんビオラも巻き添えになる』『なにそれこわい』『でも、少し……お猪口一杯くらいなら……』

「で、できればやめてくださいね?」


 ビオラちゃんが苦笑いをしながらマスコット状態になっているヤマタノオロチたちを抱きしめている。


「そういえばサクラちゃん。その手袋どうしたの?サクラちゃんに似合ってて可愛いけど……」

「えへへー♪実はこれ、ビオラちゃんとシルヴィアさん、フレアちゃんの三人がプレゼントしてくれたんです!」


 それは肘まである手袋――いわゆるオペラグローブと言われるものだ。白い生地で作られ、可愛らしく桜と雪の六花が描かれ、まさにサクラちゃん用の可愛くて上品な逸品に仕上がっていた。手触り感的に考えてアラク姉さんの仕立てなのだろう。いい仕事してますねぇ……!


「色々とアイデアを出しあって決めたんだ。仲良くなったんだし、何か贈り物をしたいと思っていたところだったんだが……流石にバッグや帽子よりも使い勝手がいいものにしようと言うことになってね」


 サクラちゃんが気に入ってくれたことがよほどうれしいのか、シルヴィアが何だかうんうんと頷いている。く、なんてセンスのいいプレゼントを……!俺も何かしてあげないと……して……くっ!女の子にプレゼントなんて妹にしかしたことないから、わかんないぞ!け、結婚してるのにこれってダメダメじゃないかな!


「良いんですよ。私はまーくんがそばに居てくれるだけで幸せですから」

「サクラちゃん……」


 俺の方に体を預けてくれるサクラちゃんの体温が心地良い。ああ、俺は何て可愛い奥さんをもらえたのだろうか!


「せやけど、何もプレゼントしてあげてないのはあかんとちゃうん?」

「マネちゃん!今いいところだから!確かにそうなんだけれど!」


 デートはあれから何度かしてるけれど、可愛いプレゼントはしてあげれていない。うん、今回の旅行で何か見つけておかないと……!

今日も今日とて遅くなりm( ˘ω˘)スヤァ

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