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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第六章:消えたメイドと勇者な執事。脳細胞がトップギアだぜ!
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14話:早めに繋げて読むと大体の言葉って呪文に聞こえなくもないよね?

「かくかくしかじかまるまるうまうまって感じなんだけど……うん、どう思う?」

「どう思うも、そんな呪文を唱えられても何と答えていいのかボクにはわからん」


 やれやれ、ライガとはまだまだ意思の疎通ができていないのかな?異世界言語ムツカシクテわかり辛いネ!


「いえ、普通にありのままお話すればいいのでは……」


 あははとさっきからサクラちゃんに後ろからギュッと抱きしめられたままのビオラちゃんが、何だか苦笑いをしている。うん、可愛いな!


 日も落ちてきていたので、本日の調査は終了!成果は特になかった――と言う事にして、こっそりとサクラちゃんの塔の部屋経由で大魔王城の外れにある俺の家へとゲートを通って帰って来たのが現状である。ナナちゃんも一緒に来たのだけど、軽食を食べると貸してあげた部屋で爆睡してしまった。うん、流石に疲れてたのかな?


 それは兎も角として、気になることが一つ。


 最近帰っていない内にどうやらここは姫騎士のみんなの溜まり場になっていたらしいのだけれど。まるで嵐が過ぎ去った後のようにモノやらゴミであふれかえっていた。うん、確かに部屋を使っていいよとカギは預けてたんだけど、お部屋の片づけはキチンとして欲しいな!な!!うん、ライガに椿さん、エルゥーシーちゃんにミラさんも目をそらさずに俺の目を見よう!


「ち、違うんだ真人!これはその、自分ではわかりやすいところに置いていて、何がどこにあるかはパットわかるから……うん、何も問題ないな!」

「あるよ!なんだよその片付けられない子供の言い訳は!今どきの男子中学生でもエロ本はベットの下にきちんと隠すぞ!」

「いや、なんの話だ?!」


 ライガは色々と言い訳をしているけれど、結局片付けができていない理由は単純明快。 片付けてくれるビオラちゃんがいなかったせいだ。うん、どれだけ依存してたかが一目でわかるね!駄目だ姫騎士隊(こいつら)、早く何とかしないと……。


「そういうわけでお片づけをしようと思うのですが……その、オウカ様?」

「ダメ。ビオラちゃんはまだ休まないとだめです。ぐす、井戸から突き落とされて二日も水に浸かっていたんです。精霊化を伴う特殊な仮死状態だったとはいえ、体にも魂にも多大な負担がかかっているはずなんですから。絶対に、駄目です」


 メガネなサクラちゃんのが鼻の頭を真っ赤にしてソファでビオラちゃんをぎゅーと抱きしめている。


 ――ああ、うん。何だかこう、見ているだけで浄化されると言うか……ふぅ。


「真人はんの目がなんだかやーらしいなぁ」

「そんなこと考えてませんよ!ただ見ているだけで癒されるなぁと」


 クスクスと笑う椿さんの言葉に思わず目をそらして答える。男の子だもの、美少女二人がくんずほぐれつしていたらジッと見てしまうのは仕方ないんだよ!ね、ライガ!


「そこでボクに振るんじゃあない!まったく……それで結局どうするつもりなんだ?メイド長のダリアさんが犯人だとして、どうやってそれをあぶりだす?」

「そもそもな話、今このお城にいるダリアさんは本当のダリアさんなのかな?」


 俺は本物のダリアさんの事は知っている。今日、調査の時に話をした時には変わったところは何も感じられなかった。サテラさんにも探ってもらっているけれど、不審な様子はない。

 けれど、間違いなくビオラちゃんを代行ユウシャにすることに失敗して井戸に突き落とした犯人なのだ。


「ん~私も今朝ね、お話をしたのだけれどおかしなところは何もなかったわよ?ビオラちゃんの勘違い、と言う事は……」

「ありません。あれは間違いなくダリアさんでした」


 ミラさんの言葉をビオラちゃんきっぱりと否定する。いくら夜で更には雨が降っていたとはいえ見知った人を間違えるわけもない。


 だとすれば、何が考えられるだろうか?


「催眠か何かで操られている、とか?だとすればこの状況にも説明がつくと思うんだけど」

「それも考えたんだけど、自分の意に反する催眠ってどんな場合もかかり辛いんだよね。ユウシャのチートで洗脳とかされれば可能性は無くもないんだけど、それにしては違和感がなさすぎる」


 違和感が無いと何が問題なのか?とライガが首をかしげる。うん、確かに問題は無い。けれど、それが問題なのだ。


「心と体ってのは密接に関係してるものでね、どんなに高度な催眠や洗脳を受けて心を変えられても深層心理に刻まれたことまでは変わらない。だってそうなるとそれは本人じゃない別人に変えられている訳だからね。だからこそ、おかしい。あまりにも()()()()()んだ」


 つまるところ、ダリアさんは洗脳も催眠もされていない。うん、そうなると俺の中では答えは一つ。


「おそらく、ダリアさんは何かに寄生されてるんじゃないかな?」

「き、寄生……?」


 俺の答えにみんなが肩を震えさせる。うん、寄生と言えば虫だから仕方ないね!でもライガまでそんないやそうな顔をしなくていいんじゃないかな!


「む、虫はダメ、駄目なんだ!」


 何だか涙目でプルプルしている。く、こいつは男。男……!でも可愛いのが何かむかつく!


「せやかてどうやってそれがホンマか証明するん?流石に体の中を透けさせるわけにもいかへんやろうし……」

「まぁ、この世界にはCTもMRIも無いからねぇ。あったところで検査する前に逃げられそうだけど」


 突然の横文字に椿さんも首をかしげている。うん、あっちの体の中をスケスケにさせる機械だけど、細かい事は俺にもわかんないから割愛である。


「まずは最近のダリアさんの行動に不審なところは無かったか、そして最近と言わず、近々で大魔王城、或いはアークル城で雇用された人物の洗い直しかな?ナナちゃん以外にも割とたくさんいるからね、新入りメイドさんって!」


 とにもかくにも明日も歩き詰めになりそうだ。うん、エルゥーシーちゃん?ゴミはきちんとゴミ箱に入れようね!近くの適当な袋に入れるだけじゃダメなんだぞぉ!

遅くなりま( ˘ω˘)スヤァ

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