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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
挿話:魔王なお姫様の勇者な執事とメガネでデート大作戦
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挿話:魔王なお姫様の勇者な執事とメガネでデート大作戦6

 お城の中の執務室、いつも通りの席には山積みの書類さんが残されている。うん、大魔王城に行っている間に二山くらい増えてるな!

 けれども今日は、オフの予定だからお仕事はしないのだ。しないったらしないのだよ!


「だから何で俺をここに座らせようとするのかな?いいかい怜君。人間には休憩と休息が必要なんだ。体を大事に、命を大事に!」

「そう言いながら手を動かしてくれるのが真人さんですよね。ええ、流石です!」


 はっ!体が勝手に……。いかんいかん、今日はサクラちゃんとの初デートを堪能するつもりだってのに!


「今日のところはこのくらいで。うん、視察の書類は書いておいた。そう言う訳でアディユー」

「あ、まって――」


 と、すべての言葉を聞き終える前に分身を消してしまう。ふふ、これでもう追って来れまい!まぁ、まだお城の中なんだけどね!


「その、だ、大丈夫なのでしょうか?」

「大丈夫、大丈夫。普通にしてればバレないって。今のサクラちゃんは可愛い俺の恋人さんなんだしね?」


 恋人さん……と、つぶやいてサクラちゃんは頬を赤く染めて何だかとっても可愛い。うん、可愛いのはいつもの事なんだけどね!


 ここは、アークル城の食堂。元の世界の料理やらこっちの世界の郷土料理なんかを寄せ集めにした俺自慢の食堂である。うん、ヴォルガイアで泊ったお宿の政さんにも教わりに行って割と本格的な和食も楽しめるんだよ!


「とはいえ、ここでご飯を食べてしまうのはもったいないから休憩がてらのティーブレイクって感じかな。流石にこっちについたばかりで疲れちゃってるだろうしね」

「気を使ってくれてありがとう、まーくん。えと……大好き」


 にっこりとほほ笑む姿がまぶしすぎて思わず天を仰ぐ。ああ、俺は幸せ者だ……。


「その、本当に私たちがついていかなくていいのですか?も、もしもの事があったら……」

「アリス姉さま、心配しすぎです。私にはまーくんがついているのですから問題ありません」


 メガネなお姉さん、アリステラさんは心配そうにサクラちゃんに視線をおくる。うん、大丈夫ですよアリステラさん。変なところには行くつもりはないしね!うん、変なところには?



「や、やはり心配です。もし、勇者が急にやってきたりしたら……」

「大丈夫ですよ。何のためにサテラさんに防衛システムを組んでもらってると思ってるんですか」


 そう、この領の至る所に防衛システム……つまるとこ、ゴーレムさんたちが至る所に仕掛けられている。機械式だけでなく、魔術式ゴーレムさんまで種々様々。しかも魔石を電池にして動いているため、もし倒したところで使いかけ、或いは使い切った魔石となるわけで勇者、ないしは冒険者たちにとって旨味の無いものとなっていたりする。うん、自国でも使っているのだとサテラさんは言っていたから、さぞ勇者達にとって魅力のない場所に見えるだろう。俺だったら絶対に行かないかなぁ!


「だけど、そう言うし、しすてむ?とかってこうタタタッターン!って感じで乗っ取られるものじゃないの?実際にグルンガストだってこう、タタタッターンってされたのでしょう?

「姉さま、タタタッターンって……」


 どうやらアリステラさんはPC的なモノが苦手らしい。うん、そう言えば魔導フォンもいまいち使いこなせていないんだってサクラちゃん言ってたっけ。まぁ、そもそも魔導フォン自体が大魔王領とアークルの一部、そしてサテラさんの領でしか出回ってないんだけどね!サテラさんの衛星のお陰で世界のどこでも使えるらしいんだけど。ごく一部地域で技術革新しすぎだよね!


「そこはもう対策してありますので問題ありません。ええ、問題ありませんとも。私のマスター登録はまな……大魔王様になっておりますので」

「うん、待ちなさい。いま真人さんって言いかけましたよね?言いかけましたよね!」


 何のことやら、とメイド服姿のサテラさんはアリステラさんの言葉をどこ吹く風、と笑顔で受け流している。うん、俺ってば主って器じゃあないと思うんだけど!って前に言ったらコンコンと怒られて泣かれてしまったのはここだけの話である。うん、今は考えないことにしよう。


「細かい対策は取ってるって事で、はいサクラちゃん、あーん」

「あーん……ん!まーくん、ほれほいひいれす!」


 サクラちゃんは目を輝かせてほっぺたをさすさすしている。ああ、もう作り置きしておいたかいがあるなぁ!お口に運んであげたのは一晩かけて作ったフレンチトーストのアイス添え。アイスはリリアの村から直送で送られて来た生しぼりたてから作ったもの。香り良し、味良しの単品でも美味しい一品である。ふふ、頬張るサクラちゃんも可愛い……。


「はぁ……。サクラったら私がこんなに心配してるのに……あら本当。美味しいわねこれ」


 どうやらアリステラさんのお口にもあったようだ。


「まぁ、もぐもぐ普通に食堂でもぐもぐ毎日出てるんですけどね、」

「毎日食べるともぐもぐ流石に飽きちゃいます。もぐ、こういうのはたまにでいいのです。たまにで」


 そういうロベリアちゃんとサテラさんもどうやらご満悦のようだ。

 どうやら二人ともメニューに登場したころからしばらくの間、ずっと食べに通っていたらしい。うん、カロリー割と高めだけどお腹のお肉は大丈夫なのかちょっとだけ心配だな?つまめそ……あ、な、何でもないよ!何でも無いから!はい、皆さんのジト、ありがとうございます!!!

今日は早めに……( ˘ω˘)スヤァ

4/5 銀さん→政さん 名前を間違えておりました申し訳ございませんOTL

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