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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
挿話:魔王なお姫様の勇者な執事とメガネでデート大作戦
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挿話:魔王なお姫様の勇者な執事とメガネでデート大作戦4

 お義母さんが言っていた。凡ての女性は尊しく美しいものだ、と。

 うん、だけれども義母さん。サクラちゃんは他の人より倍の倍、世界一、いや、宇宙一可愛いと思うんだ!可愛いよね?


「確かにオウカ様は美人さんだとは思います。が、他にも美人の方はいらっしゃいますし、それは真人様の個人的な見解の一位です。私にはオウカ様がうちゅーいちかは測りかねまふぅー!まなほはま!くひ引っはるのはひほいへふー!」


 わからずやのロベリアちゃんの可愛いお口をむにーと指で広げて差し上げる。このう、何だか不機嫌なのはわかるけど、そこは主に逢わせてくれるのが従者と言うモノじゃあないのかい!


「うう、もう。パワハラですよパワハラ。従者でも好みくらいは自由にさせてもらわないと。何でも主に合わせるとは思わないで欲しいです」


 ぷくーと頬を可愛く膨らませてロベリアちゃんがご機嫌斜め三十度継続中だ。まぁ、可愛いからこのままにしておこう!


「ふふ、でもロベリアちゃんに美人さんだって言ってもらえて私はとっても嬉しいですよ。それに、私も自分が一番だと思いません。ロベリアちゃんだってものすごく可愛いんですもの」


 そう言って、サクラちゃんはロベリアちゃんを後ろからそっと抱きしめる。天使かな?魔王様だけど、天使かな……?


「も、もう、オウカ様までからかわないでください!ううう……」


 ロベリアちゃんは林檎のように耳まで真っ赤になってテレテレしている。ああ、これが尊いという感覚なのだろうか……。


「はいはい、寸劇はそこまでにしてさっさと行きますよ。まず、お城に行って軽く手続きをしてからなのですよね?」


 アリステラさんの言葉ではた、と現実に戻される。いかんいかん、意識が別時空に持っていかれる所だった。


「ですね。まずはお城をぐるっとサクラちゃんと回って、そこから街にでる予定です」


 今のお城の様子とみんなの頑張りをサクラちゃんにも見てもらいたいしね?まぁ、サクラちゃんが城主だってことは秘密にするようにケルベロス(ヴォルフ)さんには伝えてるし、気兼ねなくデートが出来るはず。うん、変に気を使われちゃったらサクラちゃんが楽しめないから仕方ないね!


「ヴォルフさんの胃が死なないか、今から心配です……」

「彼の下の人は苦労しますね……」


 何だかアリステラさんもロベリアちゃんもジトだった。大丈夫大丈夫、その分お給料は弾んでるしね!結婚資金に必要だから貯金してるって言ってたし、このくらいの苦労は背負ってもらわないと。うん、結婚って大変そうだな!俺、三人と結婚する予定なんだけど今から不安になって来るんだよ。


「アリステラ様、三人で済むと思われますか?」

「英雄色を好む。この分であれば軽く……」


 ごにょごにょと話してるけど、聞こえてるぞぉ!流石に十人は行き過ぎだと思うんだ!行かない……行かないよね?うん、目を逸らさないで欲しいな!


「まぁ、責任を取ってもらわないといけない子が多数いますし仕方ありませんね。尤も、私もその一人なのですが」


 にっこりと、メイド服姿のサテラさんが車の前で待っていてくれた。うん、責任?せ、責任ですね?も、もちろん取りますとも!ええ!絶望が俺のゴールだ!


「その言葉をどうか目を泳がせずに行って欲しかったのですが、まぁ……今回はここまでにしておきましょう。せっかくのデートなんですもの……ね?」

「はい、とっても楽しみです!」


 サクラちゃんは嬉しそうに声を弾ませる。ああ、この笑顔を見れただけでも来たかいがあったと言うモノなんだよ。思わず手に持ったカメラを高速連打してしまう。おっと、フィルムを一つ使い切ってしまったぜ!交換交換……。


「真人様、キモイです」


 ふふ、ロベリアちゃんの言葉の剛速球もいたくないぜ!仕方ないんだ、サクラちゃんが可愛すぎるんだもの!


「ともかくお城に向かうとしましょう。怜さんとヴォルフさんが首を長くしてお待ちですよ」

「……怜君怒ってる?」

「はい、とっても」


 にっこりと笑顔のサテラさんの表情もなんだかとっても怖い。人形みたいな美人さんだから更に怖いんだよ!うん、ケロさん(ヴォルフ)にしか話して無かったしね?どうやらどこからか情報が漏れてしまったらしい。一体どこから漏れたんだ!?


「書類を真人様が提出された時点でバレバレだと思いますよ?」

「そう言えばそうだった!」


 犯人俺!閉廷!

 うん、ロベリアちゃんの言う通り、貴賓を迎え入れるための書類を文官である怜君に回した時点でもろバレなのは当たり前。ふふ、何で気づかないかなぁ、俺!


「あまりの嬉しさに浮足立っていたのでしょうね……」

「お仕事をするスピードも通常の三倍ほどでしたし、よほどだったのでしょう。もっとも、二倍のスピードで過労死していましたが。つまるところ、デートの予定を決めておけば、真人様の仕事量を増やしても……」

「うん、無理だからね!?」


 俺の言葉にメイドさん二人で何だかジト目だった。うん、いつもあんな感じじゃ俺死んじゃうからね!毎度死んでる気がしないでもないけど、死んじゃうから!無理だから!無理無理無理無理っ!!


「大丈夫です。何度死んでも残機は減ることはありませんから」


 サテラさんがとってもいい笑顔でそう言う。

 残機は減らなくっても俺の心がすり減っちゃうからね!?ううん、なんというか何だかサテラさんもご機嫌斜め三十度のようだ。おかしい、一体どういう事なんだろう。フシギダナ?

はい、言い訳はしません!申し訳ありません、遅くなりまし( ˘ω˘)スヤァ

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