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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第五章:勇者な執事と白き龍の招待状。そう、絶望が俺のゴールだ!
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26話:人は猫を飼っている気になってるけど実際は……逆だよね?

 朝、寝坊助のサクラちゃんを優しく起こして、みんなで朝食をとる。さっくりと焼いたこんがりトーストにバター。エルフの森の時にもらったジャムをさっそく使わせてもらう。

 毒見はしてあるけど俺ってば毒は全然効かないから、おつまみに来たクロエに一口上げてみる。……うん、大丈夫そうだな?


「にゃ!?私を実験台にするのってひどくないかな!」

「でも美味しいでしょ?」


 そう、このジャムはとっても美味しかった。異世界特有の摩訶不思議系果物だったけど、貰っておいて正解だったようだ。だけど、このマタタビ系のキュウイっぽいもののイキューってなんだかまんまな名前のジャムは色んな意味で危険すぎる気がするんだよ。昨日、試しに瓶に入ってるのをライガーに嗅がせてみたら、ゴロゴロ言いながら卒倒しちゃったし?うん、見事に酔っぱらってたんだよ!


「紅茶にロシアンティー的に添えて出したら危なさそうだなって。割と猫系の子が多いし?」

「でもとっても気になるなって?」


 顔を真っ赤にしてこちらから顔を逸らすライガーを傍目に、クロエは指をくわえてジなんだか物干しそうだった。食べさせてあげたいのは山々だけど、食べたらきっと丸一日は起きてこないだろうからだーめ。だから、このジャムの解禁は帰ってからである。うん、そこな虎柄のお姉さんも駄目だからね?モノすっごくよだれ出てるけど?


「く、一口……せめてティースプーン分くらい……ダメかな?」

「ダメダヨ?」

「ぐ、ぐぬぬ……」


 サンスベリアさんの視線が袋詰めになっているイキューにくぎ付けになってる。ふふ、何だかコワイな!


「ちなみに味は甘みが強くて程よい酸味がある癖のない味だったかな。あっちの世界じゃキュウイの実が猫に与える影響ってほとんど無くて皮とか枝の方が猫の酔っぱらう匂いが出るって話なんだよ」

「まぁ、異世界とこっちの世界の果物を同じに考えたら危険よ。そもそもが違うのだし、なんだか常習性がある気がしないでも……ないわよね?」


 莉愛ちゃんがやれやら顔で猫系三人娘をジィとみると、見事にみんな目を逸らしていた。うん、これは封印処理かなぁ。捨てると拾いに行きそうだし?


「多分、流通が始まったら常習者が増えてきそうね。取締しないと……」

「まって、二人とも何の話をしてるの!?果物の話だよね!キュウイっぽい奴だよね!」


 林檎ちゃんがよくわかって無さそうな顔で首を傾げている。うん、果物だけど危ないんだよ?猫系の人たちにとってはお酒とかと同じだしね?規制しないと……!


「けれど、そんな法律作ると脱法イキューがはやりそうよね」


 そう、莉愛ちゃんの言う通り嗜好品はいつの時代も法規制の対象になりえるわけで、まぁまさか規制する側に回るとは思いもしなかったけど?


「完全に禁止したら……あぶなそう」


 何だかうるうると涙目のケモミミ三人娘を見ている苺ちゃんは、なんだかあきれ顔である。うん、どう見てもお酒禁止と言われて悲しむあちらの世界のサラリーマンなお父さんみたいだしね?


「まぁ、大丈夫なんじゃねーの?今まで自生してたもんなんだろ?それなら普通に売ったところでって思うけど」


 夏凛ちゃんはまだよくわかっていないらしくて首を傾げている。

 それはまぁ、絶対数が少なかったから良かったんだよ。たまに見つかるくらいじゃね?でも、大量生産されて普通に流通し始めるとヤバイ。何がやばいって、街中が酔っぱらいな猫耳さんだらけになるレベルでヤバイ。匂いだけでにゃぉにゃぉ言いながらエヘラ顔で気絶する子もいるレベルなのに、普通に街中で売られだすとマジでヤバイ。


「なるほど、それはヤバいな」

「ボクの方を見ないで言わないで欲しいな!というかそんなにひどいことになってたの!?」


――それはきっと知らない方がライガーの為だ。


 うん、びくびくしててなんだか怖かったんだよ?だからこれは言わないであげた方が幸せなんだと思う。……何でか俺が部屋まで連れて行こうとしたら、女の子たちに怒られて外に追い出されちゃったけど、一体どう……うん、考えないでおこう。それもきっとライガーの為なんだ!なんだか裏山けしからんことになっていた事になっていた気もしないでもないけれど?


 まぁ、お酒って例えて言ったけど実際のとこは猫系の人たちにとってイキューは強力な媚薬になる。夜の生活に困ってる猫系獣人の精力剤には良さそうだけど、八百屋さんで売られちゃうと色んな意味でにゃおにゃおとっても大変なことになってしまうのだ。

 つまるところ、このジャムは本気でヤバイ。煮込んで濃縮してるってだけでヤバイ。一口食べさせるだけでどうなるかなんて、前にクロエに飲ませたジュースのヤバさを越えてくるヤバさだろう。うん、ヤバいがゲシュタルト崩壊しそうだ!


「そう言う訳で、街中でモザイクだらけなシーンにならないように規制はかける方向で。美味しいけど専門店だけで売る感じにしてもらわないと諸々が色々とヤバイなって!」

「しかたないかぁ……。んー、美味しい果物なんだけどなぁ……」


 サクラちゃんがなんだか残念そうだ。きっとお茶会用のお菓子に入れようと思ってくれていたのだろう。


「はい、そこの三人は期待した目でサクラちゃんを見ないように!」

「「「見てないから!!」」」


 本当に困ったものだ。まぁ、異世界だから仕方ないね!何があるかわからないのが異世界だし?


「ううん、異世界ー言われても、うちらにとっては異世界や無いからなぁ」


 なんだか椿さんにジト目で見られていた。そりゃそうだよね!はい、ありがとうございます!

とってもとっても遅くなりまし( ˘ω˘)スヤァ

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