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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第五章:勇者な執事と白き龍の招待状。そう、絶望が俺のゴールだ!
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19話:もふもふしたものってやっぱりどう考えてみてもモフモフでもふもふなんだよね?

 菜乃花さんからもらったスクロールを開いて車ごと転移を行う。うん、一瞬で豪華絢爛なシルヴェスのお城に到着しちゃったよ!速すぎじゃあないかな!いや、速いことは良いことなんだけどね?これじゃあ俺の華麗なるドライビングテクニックが生かせないんだよ?


「生かせなくていいから!」「むしろこれからの移動はこれでいいにゃあ!」「うんうんこれでいい」「転移スクロール最高よね!」「……コクリ」


 何だかみんなが思い思いにスクロールの素晴らしさを語っている。ぐぬぬ、やはり足りていないのか、速さが!仕方ない、帰りは安全装置を――


「「「「「外さないで!?」」」」」」


 外してはダメらしい。うん、ダイジョブだよ?怖くないよ?ね、サクラちゃん?


「はい、私はとても楽しいのですが……」


 ううん、サクラちゃんの困り顔も可愛い……。


「魔布はついたままだけどよく分かるわね……」


 莉愛ちゃんがなんだか俺を見てジトっている。ううん、何か俺変なこと言ったかな?とりあえずありがとうございます!


 車から降りると何だか見慣れた人たちが待ち構えていた。ええと、こんにちは?


「何で知らない人風で言うのさ!お留守番組の事忘れたとは言わせないよ!」

「そうよそうよ!お土産ちょーだい!」

「せや!この領の特産品とかなぁ!」


 頬を膨らませたお留守番三人娘、つまるところの夏凛ちゃんに林檎ちゃん、マネちゃんたちである。うん、お留守番ご苦労様?


「ご苦労様やあらへんよ。女三人で待たされたお陰で変な奴らに声を掛けられまくってもうたまらへんかったわ」


 宛がわれているVIP用の客室へと向買いながらもなんだかマネちゃんたちはご立腹顔だ。ううん、お土産にきちんとエルフ饅頭貰ってきてたんだけどなぁ。


「うん、お土産に何で饅頭なのか至極突っ込みたいのだけど。まぁ、そこは置いといて、本当にしつこい奴らだったの」

「林檎はんがそこまで腹立てるやなんてよっぽどなんやなぁ」


 椿さんが林檎ちゃんの頭をぽんぽんと撫でて慰めている。ううん、何だか尊い……。


「よっぽどもよっぽど。だって『私と夏凛に夜に寝室に来ないか……。あのような冴えない男よりも素敵な一夜を見せてやろう』だなんてキザったらしいこと言うのよ?いえ、結構です間に合ってますからって答えたら、『ふん、魔紋を刻まれた奴隷如きが生意気な。貴様らをみるだけであの領が如何様か見て取れるようだ』とかいうんだもの!」


 なるほどなるほど、どうやら俺らにケンカを吹っかけてくれていたらしい。うん、どこのどいつかなそんなことを言うバカタレは。俺の鉄拳でホワチャーっとして差し上げよう!


「ええと、なんだっけ?この土地を束ねし三賢龍が一人ガリアス・アースクエイクとか言ってたわね」

「なんともネーミングすら変な奴にゃ……」


 クロエが頭を抱えて大きくため息をつく。

 それにしても三賢龍……ね。他にも何人かいたって話だったけれど、少なくなったから呼びやすい三賢龍とか名乗ってるのだろう。うん後付け設定も甚だしいな!


「それ以外にボーマン・スターダストとかいうのとか、タリス・コットンとかいうのも話してなぁ。何なん、あの賢龍ちゅー奴ら!頭の中ワタでも詰まってるんちゃうか!」


 パタンと客室の部屋の扉を閉めて、マネちゃんがうがーっと叫ぶ。うん、相当ひどかったんだね。


「まぁ、大体見てたし知ってるんだけどね」

「え?」「はい?」「う、うん?」


 なんだかみんな目をぱちくりさせている。うん、だって三人をそのままにしておくのって心配だったからね、分身はこっそりと残してたんだよ。ううん、我ながら見事なスニーキング!段ボールを使えなかったのはいたかったけど、この程度他愛なしなんだよ!……うん、何で俺ってば足踏まれてるのかな?


「それなら助けてくれても良かったじゃない!」

「せやせや!こちとら女三人で怖かったんやで!」

「こ、怖かったかはともかく、そう、何かしてくれても良かったじゃあねーか!」


 三人の言い分は分かるんだけど、出て行った俺が出てきちゃったら色々と後が面倒くさいし、出れなかったんだよ。まぁ、だから代わりにアイツらに悪戯しておいたから許してほしいなって!


「悪戯……?」

「あ、そう言えばなんかアイツらみんなメイドさんとか執事に呼ばれて、慌ててどっかに行ってたな」


 林檎ちゃんと夏凛ちゃんが可愛らしく小首をかしげる。


「そうそう、アイツらが泊ってるのってこのお城の別邸で俺らの泊ってるこの部屋よりも超豪華な別荘みたいなところなんだよね。うん、綺麗なお屋敷だったし、いい木材使ってたんだよ。ちょうど木材探してたし?これも使えないかなって屋敷の柱を必要なだけ切って来たらちょっと傾いてたんだよ?」

「なんとも地味だけど、最悪の嫌がらせだな……。というか屋敷が傾いてたらもう潰すしか治す方法ねーじゃねーか」


 まぁ数日は持つくらいだし、無理して使おうだなんて考えない限りは大丈夫なんじゃないかな?うん、どケチな人じゃなかったらね!


「うーん……。自業自得だし仕方ないわよね?」

「林檎のそう言う所、アタシは尊敬するよ」


 夏凛ちゃんが額を抑えてソファにもたれかかってしまった。どうやらかなり心労をかけさせてしまったらしい。うん、ごめんね?


「ま、それはもうどうでもいいかな。で、ライガの頭の上のちっこいのって……なに?」


 林檎ちゃんが指さす先にみんなの視線が集まる。うん、その子が今回の一番のお土産――キメラのきーちゃんなんだよ!


「この子飼うからよろしく頼むな!」

「「「捨てて来よう!!」」」

「なんで!?」「きゃう!?」


 どうやら可愛い見た目なだけでは、キメラは受け入れてもらえないらしい。まぁ、そりゃあそうだよね!普通に聞いたら害獣さんで危なくて危険だからね?でもまぁ、可愛いしいいと思うんだけどなぁ……。もふもふ。

とってもとっても遅くなりましたOTL

おやすみなさ( ˘ω˘)スヤァ

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