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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第五章:勇者な執事と白き龍の招待状。そう、絶望が俺のゴールだ!
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13話:風に乗ってどこまでも飛んでいきたいと思う事もあるけど実際にそうなったら怖そうだよね?

「おお!これはすごい!真人!この子すごい!ボクを乗せてるのに、全然揺れないよ!」


 キメラの背中に乗ってきゃっきゃとなんとも可愛くはしゃぐライガーである。うん、獅子顔のキメラの上に獅子族のライガーが乗ってるってなんだか変な感じがするけど、気にしすぎ?気にし過ぎかな?


「キメラがこんなに素直に従うのが驚きにゃ。魔物の中でもキメラって狂暴で有名なのに?」

「え、そうなの?」


 異世界生活に慣れてきたとはいえ、そういう事にはとんと疎い。うん、そんなこと言われても俺にはわからないんだよ?


「そりゃそうにゃ。集団行動もしない、単純に強さの身を求めて他者を喰らって喰らって、魔石だけじゃなく肉体迄取り込んで強化していくキメラ系の魔物ってかなり凶悪で狂暴なのが普通。こんな風になつくだなんて、初めて聞いたというか見たというか。うん、油断してパクリとかないよにゃ?」


 木々の間を駆け抜けるキメラを見つめて、なんだかクロエはやっぱり不安そうだ。うーん、精霊じゃないから契約も盟約もできないし、言葉も話せないから意思疎通もできやしない。置いて行っても良かったけど、背中に乗せてくれるっていうからライガーに乗ってもらったんだよ。ううん、なんだか楽しそうだな?


「待って、言ってもらったって?意思疎通できてないんじゃないの?!」

「そこは目と目を合わせてシンパシー?ほら、なんとなくでわかるじゃない?え、わからない?」

「うん、流石にそれはアタシにも無理かなぁ……」


 サンスベリアさんまであきれ顔。

 おかしいな、こういうのって普通じゃないの?うん、無いんだね!皆のジトありがとうございます!!


「ねぇ、真人。あそこかな?なんだかすっごく大きな木があるけど」


 キメラの上のライガーの指さす先――そこには確かに巨大な樹木が聳え立っていた。


――トネリコの木。


 元の世界の北欧神話に幾度となく出てくる木だ。


 人を生み出した素材として。


 ユグドラシル世界樹として。


 北欧神話の主神の持つ槍として。


 根本には泉があり、その水を飲んだならば予知の力を得ることが出来たともいわれている。

 そんな伝説があるのがトネリコという樹木だ。


 まぁ、伝説は伝説だから実際に逢ったどうかなんて知った事じゃないんだけどね?


「それで、ここの木の枝をもらって帰ればいいんだっけ?って、でかっ!?思った以上にでかくないかな!」


 真下について見上げるその木はゆうに百メートルをゆうに超え、見た目だけで言えば先ほどまでいた塔に匹敵するほどの高さだった!いや、ここまで近づかないと分からないって遠近法でもありえないんだよ?なんかおかしくないかな?うん、おかしいよね?


「――ええその通りです。この木はこの森の本当の守護を担っていますから。隠れていないと意味が無いんです」


 振り向くといつの間にか美しい女性がそこに佇んでいた。

 髪の色と目の色は珍しい薄緑色。白いフワフワなドレスを身に纏った落ち着いた雰囲気の美人さん。だけど気配がとっても少ない。目の前に確かにいるのだけれども、どこかフワフワとした曖昧な気配でそこにいるのに、いないように感じる摩訶不思議!ライガーを乗せてるキメラもなんだか怯えている。うん、どちら様でしょうか?


「ふふ、そんなに怯えないでください。私は貴方に逢ってみたいと思いまして、無理を言いまして菜乃花にこちらに寄こすようにお願いしたのですから」

「無理をしてって、菜乃花さんが俺たちがこっちに来ること知ったのってついさっきの事だと思うんですけど、うーん、気にしたら負けですか?」

「ええ、負けです♪」


 にっこりと可愛らしく微笑まれてしまった!ううん、このお姉さんすっごく美人さんだからそれでいいかなって思えちゃうんだよ!うん、ライガー?なんで俺の足踏んでるのかな?痛いな!


「挨拶が遅くなり申し訳ございません。ライガ・グラディアス、魔王オウカ様の騎士を務めさせていただいております。こちらは執事の真人と言いまして――」

「ええ、知っています。うちのシルヴを倒してオウカちゃんと婚約した男の子でしょう?」


 そう言って彼女は俺の顔を覗き込んでくる。うん、近いな!胸元が緩いから割と大き目な谷間がのぞいて……うん、クロエさん?何でライガと一緒に足を踏むのかな!やっぱり痛いんだよ!?


「ふぅん、顔はまぁまぁですね。性格は……ふふ、困ってる人がいたら思わず助けちゃうんですね。それでシルヴの傍にいたはずのあなた達も気に入ってると。まぁ、仕方ありませんね」

「ええと、いたはずのって?」

「もちろん風の精霊たちですよ。ああ、私はまだ名乗っていませんでした」


 そう言ってクルリと一回りして、彼女はスカートをそっと持ちあげる。


「私はこの森でご神木と風の大精霊ウィンディアの巫女を務めさせていただいておりますウエンディ・ガーランドと申します。以後お見知りおきを、シルヴを殺して女の子にしちゃった勇者の水無瀬真人さん?」


 うん、だから俺のせいでそうなったわけじゃ無いからね!シルヴの先祖返りのせいだよね!?何でみんな俺のせいにしちゃうのさ!何でか俺好みの可愛い系巨乳美少女になってたけど……はい、ジトですね!ありがとうございます!すいません俺が悪かったです!!

はい、とっても遅くなりました。本日も投下しますので許してくださ( ˘ω˘)スヤァ

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