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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第五章:勇者な執事と白き龍の招待状。そう、絶望が俺のゴールだ!
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11話:猫の肉球って太陽のにおいって言うけどよく考えたら……ヤバイ匂いだよね?

 巨木に囲まれた森を走って走って走り抜けて全力疾駆で行きたいところを我慢する。うん、意外と三人とも遅いなって?


「いやいやいや!速いのはお前だよ!何で森の中をスピードを落とさずに走り抜けれるんだよ!」

「そうにゃ!木の枝と枝を選んで飛んでる私でもぎりぎりなのに!」


 クロエとサンスベリアさんにぷんすかと怒られてしまう。うん、そう言われてもジャングルとか樹海とかじゃこのくらいでダッシュしないとヤバいんだよ?ほら、追いつかれたら死んじゃうこととか割と稀に?あることだし?


「「無いよ!!?」」


 ううん、あったんだけどなぁ……。ジャングルとか訳の分からない生き物の宝庫だったんだよ?うん、生き物というか化け物だったのかもしれないけどね!


「ぜー、ぜー、だから。みんな、速いぃ……」


 ライガーが息を切らして木に持たれかかってしまっている。うん、いつもなら普通に追いつけるのにどうしたの?


「そう言われても、こんなに深い森を走るのって初めてだし……。それ以前に、ボクは木登りとかでき無いし……」


 そう言って顔を抑えて息を整えていた。

 よく考えてみれば当然なのかもしれない。猫族のクロエや虎族のサンスベリアさんはともかく、獅子族、つまるところのライオンなライガーは木登りなんて苦手で当然。うん、ごめん。俺の人選ミスだったんだよ。


「うぐぐ、謝られると逆にムカつくぞう……」

「うん、だからといっへ俺のほっぺをつままないでほひいな!いはいよ!?」


 心配になって近づいたところをつままれてしまった!うん、痛いな!


「それで、これだけ走ったけどもうすぐ着くのか?」

「そだねー。と言いたいところだけど、残念ながらまだまだ先かな。目的地まで半分も来てないねー。思ってた以上に遠いから、つくまでには暗くなるかも。そう言う分けだからダッシュで急がないといけないんだけど……ライガー、まだいける?」

「行けるさ!この程度、ああ!なんてことない!」


 そう言いつつ、膝はがくがくと震えている。うん、無茶せず戻ってても良いんだけど、流石にここまで来て戻れというのも流石に酷かなって思う。


「――と、待った。その前にどうやら俺たちを歓迎してくれる奴がいるみたいだね」

「歓迎って――」


 ずしり、ずしり、巨体を揺らし、足音を響かせ、己が何者かであるかを主張するかの如く、ソレは森の影から現れた。自分の射程位置。絶対に逃がさない範囲に来てソレは音を立て始めたのだ。


――森の主。


――森林の王者。


――家ほどもある巨体を揺らす牙持つ獣。


 キメラ……。獅子の頭にヤギの体に角、蛇の尾を持つ文字通りの化け物だった。

 他の魔物を喰らい、取り込んでいった野生の複合魔獣って感じである。うん、そのうち知性を得て魔王になりそうな逸材さんなんだよ!スカウトしたいところだけど、残念ながらまだ野性味あふれるその眼光に話し合いなんてできそうな雰囲気は見て取れなかった。


「いや、ここは諦めずちゃんと言葉にして行ってみるべきだよね!ええと初めまして?うん、俺ってみな――」


 キメラの尾が呼び動作すらなく、俺の頭のあった場所へと喰らいついた。うん、あと寸秒頭を引っ込めるのが遅かったらぱっくりいかれてたんだよ!怖いな?


「怖いな?じゃないよ何挑発してるんだよ!」

「ははは、何を言ってるんだいライガー?挑発なんてしてないよ?スカウトしてただけだし?うん、門の前とかにいてくれたら安心安全そうじゃないかなって思うけどどう?一家に一台キメラさんって感じで?なんだかおしゃれだ!」


 爪が牙が蛇もついでに襲い掛かってくる。野生の本能のまま、縦横無尽に繰り出される連撃はまさに見事の一言。嵐の如きその全てを往なして躱してクルリンパ。キメラが気づいたころには頭から地面に叩きつけて差し上げた。魔力も霊力も気すらも遣わずに純粋に技の一撃。


――無限流/無手/(うつろ)


 突進する巨躯のその勢いをそのままに流して落とす、ただそれだけの投げ技さんだ。うん、勢いそのままだから普通の獣なら脳天かちわれてるんだけど、目を回すだけで済んでいるらしい。やっぱり頑丈だな!


「え、えええ……」「い、一体何を……」「アレを投げた……!?」


 なんだか三人の視線が痛いんだよ!ほら、頑張ったんだから誉めていいんだよ?うん、何でキメラさんに同情の目を向けてるのかな!おかしくない!?


 ともあれ、このまま放置しても行っていいけど、このキメラさんに適当に言い含めておかなければならない。うん、流石に帰りも襲われたら目を回させるだけじゃ済みそうにないしね?


「そう言う分けでキメラ君や?もう一度襲い掛かってきたらまたクルンとしてあげよう。ふふふ、怖いかい?うん、何でそこできゅんきゅん行ってペロペロ舐めてくるのかな?え、何?お腹見せてるよ?どういう事なの!?」

「服従のポーズ……」

「にゃぁ、真人さん。この子、真人さんに従属しちゃったみたい」


 従属……?うん、従える気なんて全くなかったんだけど、どういう事かな!?え、ついてくるの?スリスリしてきてるけど!ど、どど、どうしよう、ライガー!


「ちゃんと責任もって育ててあげるんだぞ!」

「くそう、他人事だと思いやがって!」


 巨体に擦りつかれてなんだか重いんだけど!た、助けて欲しいな!だ、ダメのかなぁ!!

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたしますー。

はい、正月に投下する予定が一日遅れました。

本当に申し訳ありませんっっOTL

次回は諸々の関係で明後日になると思われまれま( ˘ω˘)スヤァ

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