表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第五章:勇者な執事と白き龍の招待状。そう、絶望が俺のゴールだ!
257/554

9話;冬でも夏でも徹夜はダメだけど始発ダッシュも危ないから注意が必要だよね?

 スクロールを解いて開いたゲートをくぐれば、鬱蒼とした緑に囲まれた高い高い塔の真下に立っていた。まさに一瞬!うん、便利だな!


「一定時間経過したあと自動で巻物がこちらへとゲートをくぐって跳んでくる仕組み何ですね。なるほど、よくできています」


 うんうん、とサクラちゃんが感心して跳んできた巻物をしげしげと眺めている。流石サクラちゃん、研究熱心だ!


「ボクは、車に乗らずにここまでやってこれただけで重畳だよ。ああ、まだ足元がフワフワする……」


 ライガーはまだ頭を抱えているみたいだ。乗る前に梅干しポイやつを食べないからそうなるんだよ?とっても酸っぱいけど?


「あんなもの食えるかぁ!ううう、というかあの匂いどこかで嗅いだことがある気がするんだけど!」

「ううん、梅干し美味い思うんやけどなぁ……」

「それは椿さんが食べ慣れてるからだって!ボクには!無理!」


 好き嫌いはダメだぞ!と言ってやりたいところだけど、苦手にしてしまったのは俺が原因のような気もしないでもないからそっとしておこう。うん、ライガーは実験の犠牲になったのだ!


「それで、入り口はどこなのかしら?見たところどこにもないようだけれど」

「ぐるりと見まわしましたがどこにもありませんね……」


 莉愛ちゃんにロベリアちゃんがてくてくと歩きながら首をかしげている。

 確かに塔の扉らしき場所は見当たらない。流石に空を飛べるからと空に入口を作る筈も無いし。ううん、どうやって中に入るのかな?


「アタシが駆け上がって上からロープでもおろしてやろうか?」

「うん、流石にやめておこうね!やったらたぶん怒られそうだし?」

「そうか?アタシは構わないんだけどなぁ……」


 ぷーと唇を尖らせてサンスベリアがなんだか不満顔だ。ずっと狭いところに入っていたせいで体を動かしたくて堪らない気持ちは分かるんだけど、大魔王城ならまだしも知らない人のお城を無断で駆け上がるのはダメだと思うんだ!


「いや、大魔王城も駄目だからな!というか、サンは前にやって怒られてたじゃあないか!あとクロエも!」

「え、そうだったっけ?ははは、覚えてないなー」「あれ、私とばっちりじゃないかにゃ!?」


 ライガーの言葉にやんちゃなトラのお姉さんはそっぽを向いている。ううん、これで俺やサクラちゃんんよりも年上なんだよなぁ……。クロエは同い年くらいだし?年相応の落ち着きが欲しいなって!うん、何でみんなこっちをジトなのかな?ありがとうございます!


『あー、テステス。うん、聞こえてるかな諸君!うん、塔の魔女さんだよ!初めましてぇ!』


 なんだかハイテンションで可愛らしい声が響き渡る。とりあえずはここはあいさつで返しておくべきだろうか?


「えーお初におめ『あ、そう言うのいいから』せめて最後まで言わせて!」


 何なのかなこの人!人の話は最後までちゃんと聞きましょうって教えてもらわなかったのかな!


「そのセリフは自分の鏡を見て言えよ?」

「はは、ライガー。俺は人の話はちゃんと半分くらいは聞いているぞ!」

「半分じゃないか!」

『はいはい、コントはここで見せてもらわなくていいからとりあえずこっちに跳ばすから。ええと、うん。ぽちっとな?』


 瞬間、足元の地面が消失した。


「え?」「へ?」「にゃ?」「ひゃ!?」「あー」「きゃあ!?」


 次の動作をする間もなく、俺たちはみんなその暗闇に落ちて行った。





――そして、次の瞬間には知らない場所に落っこちていた。

 石畳には絨毯が敷かれ、辺りには沢山の本棚に見たことの無い字で書かれた書物が大量に敷き詰められている。掃除してないよね?なんだか埃っぽいんだよ!


「きゃん!?」


 振り向くと、流石の猫なクロエとライガーにサンスベリアは見事な着地をしていたけれど、運動音痴な莉愛ちゃんが絨毯とキスをしていた。なるほど、今日は黒だったかー。うん、見てないよ!見えただけだし!


「その、まーくん。お姫様抱っこはちょっと恥ずかしい、かも……」


 落ちる瞬間にサクラちゃんを抱っこして着地していたのだけれど、どうやら不評だったようだ。それでも後悔は無い!だってテレテレしてるサクラちゃん可愛いし!


「デレデレしている暇があったらみんなの事心配したらどうなんです?なんというか莉愛さん気絶してませんか!?い、苺ちゃんは大丈夫です!?」

「だ、大丈夫。受け身……練習してたし」


 どうやら苺ちゃんも無事のようだ。うん、ロベリアちゃんもだけど、二人とも見事な受け身だったしね!


「もう、こういう事はちゃんとヒトコト言ってからやって欲しいわぁ。せやないと、大魔王様に持たされた荷物、ぶちまけてまうところやったし」


 そう言う椿さんは傷一つなく、バックを抱えて頬を膨らませている。そう言えばそんなバックもあったね。


「おおっと、それは大変!中身は無事かな?無事だよね!私のお宝ちゃん!」


 扉が開き入ってきたのはボサボサの黒い髪で黒縁メガネをかけた女性だった。その胸はとっても豊満で、思わず視線が出張訪問しちゃって、ほっぺたをサクラちゃんに抓られてしまった。うん、ごめんね!男の子だから仕方ないの!


「あひゃあ!やったぁ!お宝さんだー!流石ぐっさん!頼んでたもの全部買ってくれてる!うはー今夜は眠れませんなぁー!……あ、こんちは?」


 塔の魔女の開いたバックの中身は――イケメンたちがくんずほぐれつしているウスイ本だった。俗に言うBL同人誌だね!サクラちゃんにロベリアちゃんには早いというか見ちゃ駄目な奴だからね!絶対にダメなんだよ!!

今日も今日とて遅くなりまし( ˘ω˘)スヤァ

冬のお祭りに参加される方は、あったかくして風邪をひかないように気を付けてくださいね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ