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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第五章:勇者な執事と白き龍の招待状。そう、絶望が俺のゴールだ!
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6話:空高くから街を見ると高笑いをして人間がゴミのようだって言いたくなるものだよね?

 エルフの里はいわゆる一つの自治区になっている。

 つまり、風龍領シルヴェスエルフ自治区という呼び方が正しい。まぁ面倒くさいからシルヴェスのエルフの里、或いはヴァリスなんておしゃれな呼び方をされるらしい。

 運転席でアクセルを吹かせながらそんなことをボゥと考えながらハンドルを切って、ギャリギャリとドリフトを決めつつ、崖を飛んで跳ねて、長い森を滑空して降りていく。


「何で車が飛んで……いや、これ落ちてる!どう考えても自由落下してると思うんだけど!真人!しっかりしてくれ真人!絶対落ちてる!落ちてるからぁ!」


 がっくんがっくんと隣に座ったライガーが俺の肩を揺さぶってくる。うん、余計危ないな!


「大丈夫だよライガー。この車って飛ばないけど、滑空はできるんだよ?ほら、ジェット噴射である程度加速してるし?ほら、ミサイル的に?」

「それって、着地できるのか?」

「……まぁ、パラシュートもあるし、心配なら脱出装置で空に飛べるよ!」

「お、おろせ!ボクを空からおろせえええあ、ぅん……」


 あれ?なんだか静かになったな!とうとう諦め……死んでる!?


「死んでないけど、気絶してるわね」

「か、可哀そう……」


 後ろの方で莉愛ちゃんと苺ちゃんが憐れみの眼差しをライガーに送っている。

 でも、ここに座りたいって言ったのライガーだからね!俺悪くない!


「そうです。本当なら私がまーくんの隣に座ろうって思っていたんですよ?」


 バックミラーを覗くと頬をぷっくりと膨らませてサクラちゃんはご不満顔だった。ううん、そんなサクラちゃんも可愛い……。


「オウカ様は前に座ったらダメやなぁ。流石に危なすぎるーゆうか、運転席だけはガラスになっとるみたいやからねぇ。もしもの事があったら困るんは真人はんやしなぁ」


 つまるところは運転席は狙撃し放題という事なのだけど、実際のところは防弾ガラスに魔術的防壁まで張られているとの事で、割りと安全だったりする。うん、サクラちゃんを座らせられないのは念のためなんだよ?俺にあたっても自動的に自動運転になって安全らしいから大丈夫だって、サテラさん言ってたしね!まぁ、俺が運転したほうが速いからこの席は譲れないんだけど?


「……あんたさっきの話を聞いたばっかりだって言うのに、なんだか普通ね?」


 背中に莉愛ちゃんの視線が突き刺さる感じがする。どうやらすももちゃんを置いてきた事でご機嫌ななめらしい。

 ちなみに林檎ちゃんに夏凛ちゃん、すももちゃんにマネちゃんとエルちゃんは諸々の(種族的な)事情でお留守番である。連れて行きたかったんだけど、シルヴの執事さんに止められちゃったんだよ。


「今は目の前のお仕事に集中しないといけないしね!現実逃避にはちょうどいいしね!ううう、だって頭痛すぎるんだよ!俺がシルヴと婚約しなきゃ、賢龍とかいう連中の子供を産まないといけないって、どう考えてもおかしいよね!というか何で俺なのさ!もっといい奴いるでしょ!……あれ、いるかな?」


 自分で言ってみて首をかしげる。ううん、大魔王は無いとして、ライオネルのおっちゃん……は奥さんに吹っ飛ばされるから駄目だろうし、うーん、椿さんのお兄さん辺りとかもダメだよね?


「んー、確かにうちの兄様も修羅の魔王やってはるけど、姉様が許さへん思うなぁ。ほら、言うて時の如く鬼嫁やからな?」


 カラカラと椿さんが楽しそうに笑う。

 椿さんのお兄さんとは修羅の国の魔王さんだ。サクラちゃんの婚約武闘会が開かれたときに来ていた鬼のお兄さんがその人らしい。うん、そう言えば逢って少しお話した気がするんだよ!


「それじゃあどうにも思いつかないなぁ。ヴァンパイアのおっちゃんも尻に惹かれたし、狼の兄ちゃんは微妙しなぁ……。うん、どうしよう。適任が思いつかないんだよ!」


 本当に困ってしまう。ううん、ヴァルカス(炎の国)のフリートのおっちゃん……も尻に敷かれてて、エスティリア(元バアルの領)のジョーンズの兄ちゃんはチャラいし却下かな。うん、まともに紹介できる男の人がいないんだよ!どうしようロベリアちゃん!


「自分で考えてください。うざいです」


 何でか不満そうな声で流されてしまった!バックミラーを覗くとロベリアちゃんまでぷっくりと頬を膨らませている。うん、流行ってるのかな?可愛いけど。


「それにしてもエルフの里って遠いのね。かれこれ三十分は森を飛んでないかしら?」

「森の奥地にひっそりと暮らしているらしくって、基本的に採集と狩猟で生計を立てていて、森を切り開いて栽培しているところはごく限られた場所だけらしいんだよ」


 だからこそ森の奥地で暮らしていて、他の種族との争いも絶えないのだそうだ。ここって農業国だし、森を切り開いてなんぼだしね!


「まぁ、彼らも麦なんかを交易して買ってるみたいだし、完全に隔絶してるわけじゃないみたい何だけどね。うちの魔導家電も買ってくれたりしてるみたいだし?」

「便利さには古い考えのエルフも形無しという訳ね」


 莉愛ちゃんが頭を抱えてやれやれとしている。

 そんな莉愛ちゃんも今となっては魔導ドライヤーがお気に入りで、今回の旅でも持ってきているらしい。うん、コンセントがいらないからどこでも使えて楽ちんなんだそうだ。流石サクラちゃん、いい仕事してますねぇ!


 ともあれ、そろそろ目的地が見えてきたみたいだ。うん、みんな対ショック耐性を取ってね!多分、恐らく、メイビー、大丈夫?だと思うから!


「「「「そこははっきりと大丈夫と言って!?」」」」


 そう言われても俺が作ったわけじゃないから知らないんだよ!うん、サテラさんを信じて!いざついら……着陸!うん、何とかうまくいったみたいだ!……ライガーは死んだままだけど大丈夫かな?うん、たぶん大丈夫だね!生きてるよおおお!

今日は早めに( ˘ω˘)スヤァ

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