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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
第五章:勇者な執事と白き龍の招待状。そう、絶望が俺のゴールだ!
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3話:変身できるようになったら変身前のポーズって決めたくなるものだよね?

「三時間と二十五分四十五秒。それが絶望迄のみんなのタイムだ?うん、到着したんだよ!」

「それ、なんか違う気がする……うぷっ!?」「み、みずぅ……」「にゃううう……」「ふぎゅう……」「くらくらしゅるぅ……」『うにゅ……』


 運転席から後ろを見るとなんだかみんなお眠だった!ううん、思ったより時間が掛かっちゃったし仕方無いね!いつの間にかエルゥシーちゃんもいるけどどうやら最初からいたらしい。うん、俺の素晴らしい運転で出てきてくれたのかな!嬉しいな?


「お前の運転が荒すぎるってレベルじゃなかったからだよ!何で川の上を走るんだよ!崖は跳ねて渡るもんじゃあねぇよ!バカじゃねーの!もう一回うけどバカじゃねーの!」

「いいかい夏凛ちゃん、そこに横切る川に崖があったら渡らないといけないんだ。うん、ショートカットしたかったし仕方ないよね!」

「ダメだ、こいつ分かってねぇ……」


 なんでか夏凛ちゃんが頭を抱えてしまった。だって、サテラさんがいろいろと秘密装置のボタンを用意してくれたんだから、押さないと失礼じゃない!うん、実は空も飛べたことは黙っておいた方がよさそうだね!まぁ、滑空という名の飛び上がって落ちるだけなんだけどね!ふふ、怖いな!


「う、うへへ、この気持ち悪さを治せるんなら、ち、チートを使うのも止む無しだよね!」

「ぼ、ボクは仕方ないと思う。う、うぷっ」

「待て林檎!それは色々とまずいと思うぞ!真人もうなずいてないで止めろよぉ!」

「ははは、大丈夫。だって林檎ちゃん今朝お仕事で使ってきてたし?」


 瞬間、みんなの顔が絶望に染まり、林檎ちゃんは眠りに落ちた。うん、眠っちゃだめだよ?これからあのキザったれ(ここの魔王)に逢いに行かないといけないしね?


「そうですよ、皆さん。しっかりしてください!」

「オウカ様、元気ですね」

「?はい、大丈夫ですよ。まーくんの運転とっても楽しかったですし」


 サクラちゃんの言葉にみんなが固まってしまった。おかしいなぁ、サクラちゃん何か変なこと言ったかな?フシギダネーとサクラちゃんと顔を見合わせる。


「うん、なるほど、この二人ってお似合いだわ」

「見せつけられてる感じがなんか悔しいけどね」


 サンとライガーがなんだかジト目でこっちを見ている。ふふ、そんな目で見てもさっき莉愛ちゃんが飲んでたサクラちゃん特製ハーブティーしか出せないけどね?うん、効果はそれなりだけど、それ以前にグロッキーで寝ちゃってるけど!……寝てるだけだよね?よし、息はしてる。大丈夫だ!


「ほら、お母様起きてください。もう着きましたよ?ごめんなさい真人さん。


 どうやらすももちゃんも大丈夫らしい。まぁ、あのグワングワン動くロボの操縦に慣れてきてるって話だし、他の人よりも乗り物酔いに強いのかもしれない。


「うぅ、ごめんなさいすもも。お母さんはもう駄目。だからアイツのお嫁さんになりたいだなん「うわーわー!!」んむ、んぐぅ!?」


 あ、酔い止め薬を莉愛ちゃんの口に放り込んじゃった。あれって、ハーブティーの濃縮還元だから噛んだらものすごい味が……。あ、すっごい顔してる!うん、すももちゃん?お口ふさがないでお水を飲ませてあげてね?莉愛ちゃん、死んじゃうから!!





――そこは白く美しい城だった。


 前庭には美しい花々が咲き乱れ、蝶が舞い、小鳥達が楽しそうにさえずっている。白い龍をかたどったモニュメントがいたるところに飾られ、中央には噴水までおいてある。

 なんだか思った以上にメルヘンチックでおしゃれなお城だよこれ!

 まるで、どこかに攻められることなんて考えていないファンタジーなお城。壁に柵はしっかりとしてあったけれど、これじゃあまるで魅せるためのお城なんだよ!


 車を降り、お城のメイドさんに案内されて、サクラちゃんをエスコートしながらレッドカーペットが敷き詰められた正面玄関をくぐる。ううん、内装もすごいね!豪華なシャンデリアに装飾品、調度品の壺やら鎧なんかもよく見なくても高価なものって判るんだよ!


「なんだか目がチカチカしてくるわね。というか、内装に幾らかけてるのかしら?」

「そりゃあもう沢山って感じだろうね?うん、豪華絢爛装飾過多って感じ?」


 どれだけ見せたいのか、というほどに飾り立てられ、まるでこのお城自体が宝物庫のようにも思えてくる。うん、そりゃあ財政も破綻するわけだよ!


「あいつの苦労が偲ばれるなぁ」

「あいつって、シルヴ様にゃ?」


 車の中で寝ていたせいか、元気いっぱいのクロエが首をかしげる。


「まぁね。国が傾ききる寸前に魔王になったみたいだからね。この現状を見るに手を付け切れなかったのかな?」


 あれほどの実力と覚悟を持ちながら城はご覧の有様だ。恐らくは力だけでは解決しない諸々の事情があったのだろう。だからこそ、サクラちゃんを婚約者にしたかった。要は発言力が欲しかったんだろうね?申し訳ないけど。阻止しちゃったけど?


「――こんにちは」


 振り向くとハチミツ色の髪をふわふわなショートボブにした、可愛らしい女の子がそこにいた。背は俺よりも少し低いくらいで、女の子としてはちょっと高めだ。彼女が身に纏うのは、まるで花嫁衣裳にも見える白薔薇をあしらった可愛らしいミニスカドレスだった。うん、結構おおき……うん、サクラちゃん?なんにも見てないから、腕をつねらないで欲しいかな!ああもう、サクラちゃんは可愛いなぁ!


「水無瀬、真人……ああ、やっと逢えたよ」

「うん?ああ、もしかしてシルヴの妹さんかな?」


 そう言って首をかしげるとなんだかプルプルと震え始める。うん、俺ってば何か変なこと言っちゃった?


「ふ、ふふふ、気づくわけもないか」


 そう言って、飾られていた甲冑から大きな剣をふらふらしながらもと手に取る。え、えっと、その危ないと思うんだけどなんで俺に向けるかなぁ!


「お前が、お前が全部悪いぃ……!」


 え……お、俺?なんか心当たりが全くないんだけど、なんでみんな俺を見てジトるのかな!俺何も悪いことしてないよ?!


「わからないなら教えてやる!()()()()()()()!シルヴ・D・テンペストだ!こうなったのは、全部!全部お前のせいだあああああああ!!」

「はぁああああああああああああああ!?!?」


 そう言って、少女は大きな剣を構え俺へと振りかぶる。危ないな!?

今日は早めにできまし( ˘ω˘)スヤァ

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