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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
挿話:大魔王のお姫様と新たな勇者と女子力リターンズ
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挿話:大魔王のお姫様と新たな勇者と女子力とリターンズ2

「そう言う分けで取り出したるはこちら、タジャスピナーとなります」


 そう言って大魔王が取り出したのは円盤状のおもちゃ。うん、オーズの武器のレプリカだね!また買ったのかな?アリステラさんに言いつけておきますねー。


「はっはっは!これは当時買っていたものを改造したものなのだよ!そう、この時の為に!!」


 そして大魔王手に七つの紫メダルが握られていた。


「ま、ま、まさかそれで最終回の必殺技、ロストブレイズをしようとでも!?いやいや、普通のメダルを放出するだけなら俺避けるからね!ぜええったい当たらないからね!」

「ははは、そうせかす出ない。これには魔術が埋め込んで逢ってだな。この国の貨幣である紫メダルの魔石のエネルギーを使えばあの再現を行うことが出来るのだ!もちろん、次元を開いて未来へ吹き飛ばすなんてこともな!」


 そう言って、パチリ、パチリとメダルをはめ込んでいく。

 なるほど、そこまでの再現を……あれ?待てよ。そう言えば紫のメダルって貨幣価値にすると一枚十万円くらいだったような――


「――大魔王さま?」


 振り向くとアリステラさんがそこにいた。あ、こんにちはー!


「あ、あ、あ、アリス!?なぜここに!いや待て、ここは大魔王の間、いまは勇者との決闘中であるぞ!」


 グリムが慌てふためきそっとタジャスピナーを後ろに隠した。うん、やっぱりアリステラさんに黙って作ってたんだね!


 ちなみに、この大魔王城には大原則として言われているルールがある。


 大魔王と勇者が立ち会うとき何者をも手をだすべからず、というなんともグリムらしいルールであった。つまるところはこのルールのせいで俺っていつも一人で吹っ飛ばされてる気がするんだよね!しかたないんだよ、大魔王からは逃げられないんだからね!扉も消えるし、逃げ場自体がね……。


「決闘も何も毎回毎回!真人さんと遊んでるだけじゃありませんか!」

「ん、待ってアリステラさん?俺遊んでない!大体俺殺されてますからね!」


 そう、待って欲しい。俺ってばいつもいつもグリムに吹き飛ばされてるんだよ!前回なんて休暇から疲れて帰ってきてそのまますぐにフォトンブラスター的なビームで吹き飛ばされたし?ライダー超銀河フィニッシュって感じで真っ二つにもされたんだよ!!つまりは俺は被害者さんな訳だ。うんうん、俺悪くないですよ!


「はい、戦いに関してはそうなのでしょう。だけど、そのあと一緒に!毎回!遊んでますよね!!」

「それに関してはーうん、俺ってばお仕事はきっちりしてるので悪くないかなって!」

「大魔王様と遊んでる時点でダメなんです!はぁぁ……。もう、毎回毎回どれだけお仕事をさぼっているんですか!」


 腰に手をあて、かなりご立腹のようだ。ううん、ここは戦略的撤退を取りたいところなのだけれども……やっぱり扉が無いな!


「な、なぁアリス?今はほら、戦ってる最中だからな?こう、もう少し後でもよいのではないか?こうして今トドメをだな?」

「その手にあるおもちゃで、ですよね?技術開発部がとっても楽しかったって喜んでいましたけれど、何ですかアレ!お金を!武器として!使わないでください!!それで、なんで紫メダルを七枚もセットされていらっしゃるんですか?そういえばその武器、メダルのエネルギーを放つもの……でしたよね?」


 さっと、大魔王の顔が青く染まる。うん、この世界のラスボスさんなんだよねグリムって?確かにパワーで言えばグリムが最強なんだろうけど、大魔王城ではアリステラさんが最強である。


 グリムの義娘的で、サクラちゃんのお義姉さん。それがアリステラさんだ。


 うん、何がどうしてそうなったかは――普段の行動から何となく察せる気がするけど!


「七十万セルも無駄遣いしようとしていらしたんですね!本当にもう、何を考えられているんですか!!」

「いや、だってな?流石に赤三色は使いたくないし、他の色もなんだか違うだろう?ジャリ銭じゃあ格好もつかぬからなぁ……」

「だからって!!」


 どうやらお説教は長くなりそうだ。そう言う分けで俺は退散したいのだけど、その、ダメかな?


「ダメです。今日と言う今日は!真人さんにもきっちりとお話をさせていただきます!というか、またエリクサーを使って……まぁ、今回の場合は林檎さんを数日お借りすることで不問としますが!あんまりサクラを泣かせないでくださいね?あの子の為に頑張ってくれているのはわかるのですが、あまりにも自分を捨てすぎです!」


 捨てすぎと言われても自分にできることがこれくらいしかないのだから仕方ない。ほら、今までできなかったことを思う存分できるって楽しいんだよ?俺って今まで自分の命を大事にし過ぎてたからね!もう死んだんだから、こっちでは好き勝手にさせて欲しいなって?


「……勇者は死んでも死んでも生き返ります。けれども、確実に精神は、魂は削れて行くんです。魂は修復に長い年月を要します。魔王であってもそうです。殺されて、魔石となってしまえば復活までにそれ相応の時間――或いは対価が必要になるんです。ただで復活できているなんてわけじゃないんですから!」


 そうは言ってもなぁ……とチラリと正座させられている大魔王をみるとそっと目をそらされた。うん、俺の死因第一位さんはそこに座ってる人だからね!なんど無残に散らされたことか……。


「とはいえ、真人も割とノリノリだったよな?この前なんて、フレアを連れてきてライダーキックしてきたじゃあないか!」

「とんだ言いがかりだよ!あれは練習をしてやっと体得した必殺技さんなんだよ!普通に耐えられて割と悲しかったけど!」

「はい、そう言う分けで二人で楽しまれていたと言う分けですね!」


 はたと気づく。そう、つまりアリステラさんは俺もバアルと楽しんでいるという言葉を聞き出そうとしてたのだ!ふ、ふふふ。その、そのぅ、サクラちゃんにそろそろ逢いに行っても……?


「もちろん構いませんよ?ただし、お説教が終わってからです!」


 どうやら愛しき人に逢いに行けるのはまだ少し時間がかかりそうである。うん、莉愛ちゃんと仲良くできてるかなぁ。心配だなぁ……。

今日も今日とて遅くなりましたあああ( ˘ω˘)スヤァ

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