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勇者だけど大魔王城で執事やってます。え、チートってもらえるものなの?  作者: 黒丸オコジョ
挿話:大魔王のお姫様と新たな勇者と女子力リターンズ
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挿話:大魔王のお姫様と新たな勇者と女子力とリターンズ

「ええと、こういう時はどういえばいいのかしら?」


 私は頭を抱えていた。うん、こんなときどうすればいいのかわからないの!


「私たちのいた世界にいい言葉があるわ。ええ、そう、笑えばいいんじゃないのって」

「それは、その、色々と間違っているのでは!?」


 いつものように大魔王城、桜の巨木の下のお庭でみんなでお茶会!と思っていたら思わぬお客様。うん、流石に元バアルの愛人さんが繰るだなんて思わないの!


「しかも私と同じ勇者らしくて、その、ええと」

「林檎さんたちと同じく、彼の奴隷にええ、もう、本当にいいように使われて、使われて……」


 そう言って、莉愛さんはたわわな胸をぐいと持ち上げました。

 うん?ううん?え、えと、その、つまり、つまるところまーくんは莉愛さんとく、くんーず!ほぐれーず!な……?


「いやいや、書類なお仕事だから!オウカ様落ち着いて!?」


 ですよね、うんうん。大丈夫だよ林檎ちゃん、私はまーくんの子と信じてますから。うん、私は!大丈夫!


「ふふふ、この身は総て彼のモノですからね、ええ彼の望むままに」

「の、ののの、望むぅ!?」


 私は頭を抱え、プルプルと震えてしまいます。一体まーくんが、な、ななな、なにを!?


「本当に困ってしまいますの。夜も中々眠らせてくれなくって……」

「ぶくぶくぶくぶく……」


 よ、夜もって、や、やっぱり!やっぱりそういう事なの!?


「うん、そろそろそこまでにしてあげてくれるかな?オウカ様はそういうからかわれる耐性が全く無くってね」

「あらあら、ライガ様がそうおっしゃられるならそういたしましょう。ふふふ、それにしても本当に可愛いんですのね」


 にっこりと莉愛さんが笑いながら優雅に紅茶を飲んでいる。

 うん、うん?私からかわれてたんですか!?ううう、そうですよね。まーくんがそんなことするわけありませんよね。


「ちなみに嘘はついていませんから♪」

「にゃうん!?」

「あーうん、お仕事で最近残業続きだったからね!一時的にとはいえ、アークルとエスティリア(魔王バアルの領)との統合が進んだからね。自治領としては認めているんだけど、港をこっちも使わせてもらう事が出来るようになったから、そこまでの輸送路の整備が急ピッチで」「あーはいはい、そこまでなぁ」


 ライガさんの言葉を椿さんが遮ります。


「せっかくのお茶会なんやし、お仕事の話は無しや。ほら、オウカ様のお膝の上のフレア様もお昼寝モードに入ってまいそうになってるえ?」

『うにゃう……己、寝て、ない……。オウカ、なでなでもっとぉ……』

「ふふ、はいはい。しっかりとなでなでしますね」


 私のお膝の上でモフモフもーどのフレアちゃんがこっくりこっくりと舟をこいでいます。ああ、なんてモフモフで可愛らしいのでしょうか!撫で心地も良く、すりすりと私のお膝に擦りついてきて、それもまた可愛いんです!ううん、この子がまさかフレイア様の娘さんだなんて言って誰が信じるでしょうか!うん、元の人型モードを見れば美人さんだから嫌でもわかっちゃうんですけどね!胸も私よりも大きいですし……。うん、私より頭一つくらい小さいのに大きいのっておかしいと思うんです!おかしいですよね!


「そこでボクを見ないで欲しいかな!と言うか!オウカ様も十分にあると思うんだけどぉ!」

「成長性的な意味でこの子にどう足掻いても勝てなさそうなんです!あちらの世界の本に書いてあったんです。胸の大きさはおおよそ十五で決まってしまうって。つ、つまり、私の胸の大きさはこ、こ、これ以上おおきく……」

「ぐっはああああ!!!」

「ああ、ライガはんの心に癒すことのできないダメージが!!林檎はーん!」

「うん、心因性の傷は私のチートの対象外かな!」


 ど、どうやらやってしまったらしい。だけど、どうしても悔しいんです!まーくんが大きいのが好きだったら、私よりそっちに流されてこ、こう、ぽよんぽよんって……。


「なんやたまに姫様頭が悪うなるなぁ」

「うん、オウカ様大体そんな感じだから気にしたら負けじゃないかな?」


 二人ともぉ聞こえてますよ!


「ふ、ふふ……お、大きくなるだけ、いい……。私は、胸は年齢にしては……大きいみたいだけど……身長……もう、伸びない、から」


 振り向くと苺ちゃんが膝を抱えていた。

 あああ、こんなところにも飛び火が!ご、ごご、ごめんなさい!そんなつもりは無くってですね!


「永遠に若いままと言うのも困りものよねぇ。ただ成長が止まるってだけなのもそうだけど、気を付けないとおなかにお肉がついちゃうんですもの」

「……うん?り、り、莉愛さん?そのですね?勇者って太るのでしょうか?」


 ふるふると林檎さんが目をぱちくりとしている。


「当たり前よ。勇者になって人の道を外れていたとしても、代謝をしているのだもの。シミは出来ないみたいだけど、日焼けはするし、太りもするわ。そうでなければ勇者としてのレベルも上がらないし、鍛えても意味がないという事になってしまうじゃない」

「その通りですね!うわああああ!最近おなかにお肉がついて着たけど気のせいだよねって思ってたのに気のせいじゃなかったんだああああああ!」


 林檎ちゃんが慟哭をあげる。

 そう言えば大丈夫大丈夫!勇者だから太らないから食べ放題なの!とかなんとか言いながらスイーツを食べ歩いてるって話をよく聞いていたような……。


「まぁ自業自得だな。諦めてダイエットにいそしめばいいんじゃあないか?」

「か、夏凛ー!お願い、ダイエットに付き合ってぇ!」

「え、やだ」

「神は!死んだ!!」


 膝と手を地面について、がっくりと林檎ちゃんはうなだれてしまいました。

 それほどまでにダイエットと言うものは重要なのでしょうか?


「重要だよ!お腹がぷにぷにだと可愛くなくなちゃう!見せる人なんて真人さんくらいしかいないけど!」

「いないならいいじゃねーの。アイツなら気にしねーだろ」

「私が!するの!私の女子力的意味で!!」


 女子力!!ダイエットは女子力なんですか!?


「うん、うん?違うと思うわよ?太ると女子力が減るから、ダイエットして痩せようって事ね」


 ……ふと、お腹のお肉をつまむ。うん、つまめちゃうの。


「こ、これは痩せるしか……?」

『オウカが痩せたら己、こまる。オウカのお膝、ぷにふかなのが……好き』


 ぷ、ぷに!?


「あ、固まってもーた」

「ボクが思うに、太ももが固い人なんてほとんどいないと思うんだがなー」


 これは乙女が大ピンチと言う事なのではないでしょうか!じょ、女子力を高めないと!


「うん、この子に変な常識教えたの誰かしら?」


 莉愛さんが何でか頭を抱えていた。な、何か間違えているのでしょうか……?

遅くなりましたあああああ( ˘ω˘)スヤァ

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